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【本】中村文則『悪と仮面のルール』~最高の価値は道徳や倫理を超えられるか?血と因果に彩られた「悪」と呪い~
1、作品の概要 2010年に刊行された中村文則の書き下ろし長編小説。 彼の9作目の作品になり、最長の作品になった。 英訳版がウォール・ストリート・ジャーナルの2013年のベストミステリーの10作に選ばれる。 2018年に玉木宏主演で映画化された。 2、あらすじ 大財閥の久喜家の私生児として生まれた文宏は、父親の捷三からこの世の全てを損ない続ける「邪」として育てられる。 捷三は文宏と同い年の香織を引き取り、「邪」を育てるための贄にしようとするが文宏と香織は愛し合うようになる。 捷三の企みに気付いた文宏は自殺を装って父を殺害するが、大きく損なわれ、香織とも離れ離れになってしまう。 十数年後、文宏は…