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あのラーメン屋には、その後も通った。TVやらネットニュースで取り上げられるラーメン屋にも興味有ったものの、それより、あのラーメン屋の他のメニューも気になった。だけど、仕事帰りの21時くらいに訪れると、いつも閉店している。自宅アパートから歩いて行ける距離なので、仕事が休みの夕方に、訪れてみた。開いている。だが、初めて店を訪れた時に応対してくれた、じいさんばあさん店員には、一度も会わないのだ。夕方に会う店...
やがて、店の前にたどり着いた。家屋は、木造日本家屋である上に、とても古い。看板は、半透明のプラスチック板を、内側から電灯で照らす、レトロなもの。全体として、平成時代を経ているとは思えないようだ。俺は、冒険心をくすぐられた。こんな店なら、例えまずくても、現代では珍しい味に触れらる可能性も高い気もした。暖簾をくぐった。暖簾に触った時に、べとべとしているようにも感じた。いかにも古い暖簾だった。入ってみる...
目に入る低層の古いビルには、大手企業も個人事業も問わず、飲食店や量販店やら何ら事務所等さまざまに入っている。大手外食チェーンの看板は現代的であって、古いビルとはマッチしていない。店の中では、看板と違って奇妙な仕事でも為されているのでは?といった不気味さもある。(以前、仕事の都合で夜中にこの街を歩いたこともある。店仕舞いしたところも多くて、エリア全体暗くなる。そんな暗い街で点々と、深夜営業の店の看板...
(分量は文庫本換算4ページ程です。)或る金曜日。時刻は20時前。俺は電車に揺られていた。職場の有る都心から、アパートの有る多摩地区への帰路。真っ直ぐに帰宅するのはもったいない。自宅アパート一駅隣は、多摩の一大都市の一つに位置する。しばらくして、その駅に到着。俺は、降りた。少し豪華に一人飲みでもしよう。ホーム→駅舎→駅舎周辺と歩いてみる。そこに有る店たちは、グループ客で賑やかだ。一人飲みには適していない。...
(本話の分量は文庫本換算5P程)或る秋の深夜、俺(麦倉行・警察官・29歳)は、同僚と自転車パトロールをしていた。多摩地方の一大都市の一つで繁華街のはずれ、一車線の道路に古いビルが向かい合って並ぶ飲み屋の通りを走っている。店は大抵閉店しているが、深夜営業をする店が何軒か有って、通りをポツンポツンと明るくしている。動いていると暑いものの、そよぐ風は涼しい。夏から季節が移ろうとしているのを感じる。と思っていると...
自転車を停めて、男の登録していると言う、会社に電話をしてみた。男は、少し離れたところで、同僚としゃべっている。しばらくして、女性担当者が出て来た。俺は自身の名と所属を言って後に、男について状況説明する。担当者は不審感を抱いているような低いトーンで応える。それから男に交代して、事情を説明してもらった。しばらくして、男から俺に電話が戻ってくると、担当者の口調は変わっていて、明るく協力的だった。さまざま...
4-3どこまで本当?謎のお金|通称ナンバーマン【短編怪奇小説】
俺と同僚は自転車を押しながら、手をポケットにつっこんで歩く男の話しを聞く。駆け引きしつつ男の情報を得ようと思っていたのが、男の方から自身の暮らすアパート住所、登録している会社の電話番号などなど教えてくれたので助かった。やがて、飲み屋街は途切れて横断歩道へ。信号は赤。立ち止まる。この横断歩道を渡ると男のアパートの有る住宅街だ。その時、正面から強い風がドッと吹いた。風に耐えること数秒、男は横断歩道に横...
4-2なぜ?時間を気にする|通称ナンバーマン【短編怪奇小説】
俺は、男に職業を質問した。男は、眠気を吹っ飛ばすためか、強い口調で「日雇いだよ」言う。失礼だが、日雇い仕事だけで生計を立てているなら、全身をブランドで着飾るよりも他のことにお金を用いたいのでは?多額の不労所得でも有るのか?それならいいが、盗品だったりお金を脅し取っていたりなんて可能性はないか?疑うのも仕事。仕方ない。俺は「良い時計ですねそれ、随分儲かる日雇いもあるんですね、俺も転職しようかな」と尋...
(本話の分量は文庫本換算5P程)或る秋の深夜、俺(麦倉行・警察官・29歳)は、同僚と自転車パトロールをしていた。多摩地方の一大都市の一つで繁華街のはずれ、一車線の道路に古いビルが向かい合って並ぶ飲み屋の通りを走っている。店は大抵閉店しているが、深夜営業をする店が何軒か有って、通りをポツンポツンと明るくしている。動いていると暑いものの、そよぐ風は涼しい。夏から季節が移ろうとしているのを感じる。と思っていると...