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鉛色の空の日曜日の午後。鉛の腰を引き摺って東京都写真美術館へ出かける。体と同じくどんよりと落ちた頭の中をリフレッシュさせたかった。あえてアレックスソスはパスして新進作家展のみ鑑賞する。新進作家展は写真のうまさとか写真に写っている"モノ"ではなく、何が起きているかという”コト”が表現されているので面白い。昨年はすっかりギャラリー巡りが減ってしまったので今写真界で何が起きているのかを知るには良い機会。その中で一人の作家の作った分厚いZINEに引き込まれてシリーズを一時間も眺めていた。外に出たら鉛色の空はすっかり黒くなっていたけれど、頭の中は少しすっきりしたような気がする。
正月休みに読もうと思っていた本が閉じたままになっている。今年に入ってから本を読んでいない。本を開いても新聞を見るようにしか文字が入ってこない。新聞はボクの場合テキストを読むのではなく、文字を画像のように目に入れていく行為になる。所謂斜め読みというのに近いのかもしれない。読書のように言葉を理解しながら読むという状態に脳のスイッチが入っていない。ほし氏が"本は脳筋で読む"と言っていた。筋トレと同じように脳を鍛えておかないと勉強も読書もできないと言う。読書をしなくなると筋肉が衰えるように脳も弱っていって新聞のような読み方になってしまうのであろう。まさに今がその通りで脳がヒョロヒョロになっているのだと…
おじさん14人が銀座に集まった。いつもの車仲間の新年会。みんな高度成長期生まれでバブルを少しだけかじったスーパーカー世代の気の合う同世代。仕事以外でこれだけの人数の同世代が集まる機会なんて滅多にない。年齢的にも各々それなりの役職であったり経営者だったり早くも勇退した人も居て経済的に困っていることはないから話題は果てしなく明るい。仕事の話は皆無だし、我々世代だと今のところ病気自慢とか昔話ばかりという事も無く馬鹿話ばかりで楽しい。その中でも年金をいつからもらった方がお得なのか問題とか、引退後はどこに引っ越そうかとか時々現実に引き戻されたりしたけれど、それでもじゅうぶん楽しくて延々とこの場所に居たい…
印刷フォーマットに合わせるためとかデザインに合わせるために時々写真を変形させる時がある。広角レンズの端っこに写ってしまった人のように大げさに変形させることもあるけれど、僅かな変形だとほぼ分からず、それがオリジナルのカタチのように見えたりする。人間の目というレンズとカメラのレンズとの差異は必ずあるし、iPhoneで自撮りした写真以外は本当の私じゃないとか言い出す人も居るし、ひょっとしたら本当の事物のカタチはどちらも正しくないのかもしれないとか、そんな中平卓馬のような事を時々考えたりする。色も然りで、微妙な橙色は映像によって赤に見えたり、北野映画のシアンは北野ブルーと言われるくらい西洋人との視覚の…
新年一発目、車馬鹿で愉快なおじさん仲間は寒空の下で4時間駄弁り続けるという傍から見たら阿呆な無駄時間を過ごす。 Mさんの964のクラッチの重さに驚愕する。RS用のクラッチらしい。RS用のフライホイールも相まってクラッチミートは物凄くシビア。ミジェット渋滞で泣き言は言ってられない。 真夏でも意外に平気だという空冷。オイルまわりもよく考えられたポルシェの偉大さを知る。
酢の物が苦手なのは歳をとっても変わらずで、おせちで一番苦手なものはなますである。まず手を付けない。そのなますくらいしか使い道のなかったピーラーだけれど、人参をさらにたくさん細切りにしてカラムーチョ人参を作ってみた。カラムーチョと少しのマヨネーズで和えるだけである。これがかなりイケる。ボクにはなますの代わりにコレでいい。
冷え込んだ水回り所を20℃に保つのが結構大変な冬の現像。室温が18℃になったところで21℃の薬液が1℃下がるのを見越して現像時間を設定する。ボクのレシピを参考までに。プリントに関してはある程度技術差が出ると思うけれどフィルム現像に関しては奥義や魔法など全く無い。ただただ露光した像を出現させるだけで大して面白くもない作業である。コダックダブルX ISO400で撮影D76で現像する場合タンク:マスコ1353(135×3本用)1.2Lタンク現像液: D76原液500cc+水700cc(1:1.4)現像時間:21℃ 8分45秒 1℃につき30秒加減算停止液:富士酢酸30cc+水1170cc 停止:20…
年末年始で1000キロを無事に走りきったミジェットを労ってオイル交換をした。今回はカーボン除去の添加剤AZ FCR-062を何度か使った事もあって抜いたオイルは3000キロでも真っ黒になっていた。新オイルはいつものヒロコーではなく仏国ケノールの鉱物油を入れてみた。本来は良いお値段がするようだけれど仕事がらみの代理店さんにモニター試供品として譲っていただいた。ありがたき。 プラスチックのトレイとオイルジョッキをパーツクリーナーとウエスで洗いながら新年早々オイルまみれとなる。しかし新しいオイルは気持ちがいい。今回はどうも燃費が悪くプラグを確認したら案の定カブり気味だったので燃料を少しだけ絞る。アイ…
今年は都内への戻り日が一般のUターンと重なってしまい東名の上りはあちこちで渋滞。人生の無駄時間のワースト上位の渋滞走行を避けて足柄SAで休憩がてら様子見。といってもすることが無いので食堂テレビでしろくまピースのドキュメンタリーを観ながら無駄時間を消費してみる。右隣の席は同世代くらいのグループがクーラーボックスを持ち込んで酒盛りを始めていた。4人とも顔が真っ赤だけれど運転はどうするのだろうと無駄な心配をしてみる。左隣の席は若いお母さんが幼い子どもたちにラーメンを食べさせながらまるで友達に喋るように子どもに言葉を投げかける様子が可笑しくて少し癒やされてみる。そのうちいい加減テレビにも飽きて最大30…
大陸製のオートバイを延命させるために部品取りとして購入した大陸製のオートバイを見事に路上復帰させてしまったという先輩のお宅にお邪魔するのは毎年正月恒例である。 2ストの甲高い音を響かせて野依街道を疾走する唯一無二の大陸製のオートバイとその姿は大変粋であった。彼に触発されてボクもこんな車をおこしてみたいと悪い虫が騒ぎ出す。
年に一度の我が家の年末すき焼きは久しぶりにムスコが参加して肉の消費量が増えた。来年はムスメが都内に戻ってくるのでさらに増える、かと思いきやだんだん肉の食えなくなってきている自分に気づく。
クリスマス前から異様に混んでいた都内は少し落ち着き、山手通りも昨日から車が少なくなった。今朝は首都高4号線もずいぶん静かである。人の少なくなった都内は好きだけれど今年も大晦日に帰省する。同僚の家族が次々とインフルAで寝込んでいる。ボクが抱えていた年内入稿の案件はすべて終えることができたけれど30日の仕事納めまで気が抜けない。
今年買ってよかったものは結構あるけれど、中でも先月買ってから大活躍しているのはGUのブーツ。今なら1990円という破格値。 https://www.gu-global.com/jp/ja/products/E352540-000/00?colorDisplayCode=09&sizeDisplayCode=270ラインナップした途端、我が家に居るブーツ群の中で今季一番出番が多くなった。合皮だけれど何より軽くて安価なので雨でも雪でも気にせずガシガシ使える。いい歳してチャンキーソールは抵抗あったけれどそんなに厚底ではないので気にするほどではない。休日のおとうさんルックだけでなくシックな装いにもビジ…
この歳になると幼少期の記憶は曖昧になるのかなと思いきや、意外に鮮明に覚えているままだったりする。その一方、昨日何を食べたのかすら忘れてしまったりする中高年あるある状態を近頃よく感じてしまう。さて、最近の大手企業の就活面接ではこの幼少期について根掘り葉掘りするらしい。弊社の志望動機は?などというありきたりな質問はカタチばかりで、幼少期の質問がメインとなる。しかも選考途中に何回かある面接の中で同じ事を繰り返し聞かれるらしい。人は幼少期で人格形成がほぼ決まるのでこの部分を最重要視しているようである。まず学歴フィルターで高学歴だけを掬い取り、さらにその中で幼少期の人格形成に問題の無い人をフィルターに残…
晴れたれど寒気甚だし。いつもより遅し銀杏落葉の黄色い道路をゆく。もうそんな時期かと思った年末調整で愕然とする。二人居た扶養控除がとうとうゼロ人となり年末調整はおそろしい金額でマイナスとなってしまった。娘は今年卒業なので仕方ないとしても大学3年生の息子は少しばかり103万を超えてしまい扶養控除から外れた。あと一年早く国民民主党が頑張ってくれればと遺憾至極。此に限らずとも各種改正の境目に立たされた場合は一層不条理な思いが増す。嗚呼、懐も寒気甚だし。
日曜日は日本ツアーの2024年ファイナルで代々木第一体育館へ。といっても仕事ではなくご招待いただいて観客としての新しい学校のリーダーズ。なぜかほとんど曲を知っているという謎推しアーチスト(アイドル?)だけれどさすが海外仕込み、勢いがあるというのはこういうことかと妙に納得させられた。カムの配置やドローンの使い方などもそうだけれど、写されていることを楽しんでのステージングはプロ魂炸裂で天晴れ。彼女たちであれば我々世代とのコラボでも化けそうな、こう撮ってみたい、こんなことやりたいとアイデアが次々と出てくる手がけてみたいアーチスト、、、というのもおこがましいかな、とりあえず今、密かな推しである。いや、…
毎年言ってるけど、この時期の表参道の混雑具合には閉口する。ほんの1キロ先の事務所に戻るのにどれだけ時間がかかるのだろうか。ノロノロと走る他県ナンバーに舌打ちしながら赤いブレーキランプの川の中で苦虫を噛む。
毎年年末は入稿に間に合わなくて2日足りないって騒いでいたけれど、今年は不思議と2日余りそうなほど順調に進んでいる。と思ったら5年に一度の免許書き替えがあった。12月頭の誕生日なので何とか年内にやっておきたい。書き替えは鮫洲まで行かなきゃけいないので半日は潰れてしまう。以前ゴールドだった頃は新宿でサクッと済ますことができたのに。今回こそゴールドかと思ったら4ヶ月足りなかったという無念。ということは次のゴールドまでは通算9年8ヶ月無事故無違反で過ごさなければならないということになる。車ではまず違反するような行為はしていないけれど、スクーターで車線またいでしまったとか、しょーもない軽微な違反で切符を…
このところC50ばかり乗っていたのですっかり忘れてた。あまりの寒さに思い出したハンドルカバーを大至急装着。これで無敵。今年もよろしくヤママルト。 内側に見えるマスキングテープはトップカバーへのキズ防止。昨シーズンはハンドルカバーの縫い目がトップカバーに擦れて傷だらけになっていた。
「いい学校に行っていい会社へ」というのは随分昔から言われてきた。貴族でも資産家でもない我々中産階級では少しでもいい会社に行くというのが昔からの目標だった。いい会社に入れば幸せになれるのかという話はさておき、今やもうそんな時代じゃないだろうと多くの人は言うけれど、高学歴と大手での実績と経歴を携えていればその後の独立や転職もうまくいきやすいだろうし、最大手を狙う今の就活生たちは意外にも終身雇用を考えていなかったりするのである。まずは入社してから考えれば良いと、我々より冷静に社会を見ている。また、そういう所で嫁さんを見つければ、間違いなく良いお家柄で良い遺伝子を残せるという超昭和的な考え方は未だに若…
深夜2時過ぎに帰宅、4時か5時に寝てお昼に出社するという年末進行は毎年恒例である。電話もメールも止まり上司が居なくなる深夜が一番仕事がはかどるというのはどこのクリエイティブ業界も同じであろう。編集室に籠もればいいのだけれど、自分のデスクの方が広くて使い勝手がいいというおかしな環境である。しかしこのところ寄る年波か1時を過ぎる頃にはさすがに目が辛くなってきた。 そんな折り、あまりに寒くなったのでハリスツィードのマフラーを探すために引き出しを漁っていたら一番底から昔の財布が出てきた。中を見てみると諭吉先生が二枚差し込まれていた。すっかり忘れていたへそくりが見つかってラッキーとは思ったけれど、所詮自…
2024年はカブ90のミラーを左右2本とも割ってしまった。右側はバイク置き場でカバーをしたまま突風に煽られて転倒。左側は単純な立ちごけ。そもそもカブのサイドスタンドは頼りなく(車体が軽いせいもあり)少しでも下り坂に停めようものならスルスルッと前に出て簡単に転倒する。かなり気をつけていたけれど年に一回くらいのついうっかりが出てしまった。当時の純正ミラーはすでに出ないので社外品の純正風ミラーを付けることにした。が、驚いたことにM8正ネジのはずが左だけ逆ネジになっていたのである。ネットで調べてみたら丁度このカブの年式から接触時に緩むように左が逆ネジになったらしい。旧式鉄カブ=正ネジという思い込みを覆…
小気味よい排気音を轟かせて、まず滅多にお目にかかることはないロータス・マーク6が箱根の山を上がってきた。SHCCのM山さん。ロータスセブンの始祖でこの個体はMG-Tシリーズの1250を積んだ1954年式。この年代でこの低さはもはやレーシングカー。コクピットも戦前レーサーの名残で雰囲気抜群。ピカピカに磨かれていたらかえって萎えちゃうかもなガサガサのボディがたまらなくセクシー。眼福、耳福。 さすがにここまでの車になると、単なるノスタルジーとは違う非日常の乗り物として愉しめる。いつかは乗ってみたいものである戦前のエムジーかライレーに。
朝の箱根の気温は0℃。走り出した時間でも5℃という寒さ。都内より一足先に本格的な冬を感じながら山々を抜けて走る。 高速道路は3500回転をキープして55マイルで巡航するくらいが気持ちいい。ミジェットに比べて回転数が高いけれどよく回るエンジンなのでまったく気にならない。少しの上り坂でもすぐに失速するくらい非力だけれど、その代わり山道は楽しい。スポーツカーって速く走るためだけの車じゃないという事を知らしめてくれる希有な存在の車。軽くて本当によく曲がる。GRヤリスも相当楽しそうだけれど、非力でもこれだけ楽しい車はそうないだろう。この血統を受け継いだミジェットが重く感じてしまう軽快さ。これでもう少しミ…
あの頃はよく富士山が見えた、と老人は言った。久しぶりに来社した老人はお茶を啜りながら昔話をする。老人は病気の話と昔話が得意である。今時期には事務所の窓からキレイに見えた富士山は向かいのマンションに完全に遮られ空が狭くなり、一昨日上空を通過した国際宇宙ステーションのきぼうも僅かな時間しか見る事ができなかった。老人は8歳で終戦を迎え、疎開先から戻ってきた目黒区武蔵小山は焼け野原だったと言った。自宅も勿論焼けてしまい、父親と敷地にあった材料をかき集めてバラック小屋を建てて住んでいた。そしてその小さくて低いバラック小屋の窓からは富士山がキレイに裾野まで見えたと言った。そこは目黒区である。 日本の象徴の…