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(本話の分量は、文庫本換算5P程です。)深夜2時。俺(米津秀行・よねづひでゆき・29歳)は、仕事机兼食事テーブルに立ち並ぶ空き缶たちを眺めた。ビール6缶。ワインの時は720mlボトルを赤・白1本ずつ。焼酎なら900mlを3分の2くらい。ウイスキーなら200ml角瓶1本にビールや酎ハイを2缶つける。このようなアルコール生活を、大学卒業後から続けている。今のところ身体に異常はないものの、こんなアルコール生活を今後ずっと続けられると...
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)日も正午に向かって高くなっている頃、俺は起きた。本日は、フリーライターの日。ストレッチだのコーヒーだの歯磨きだの、準備して後に仕事を開始。予備校仕事と違って、時間を気にすることはない。仕事をしていると、母から連絡は有った。97歳の祖母のことでだ。高齢の祖母は、座ってTVを見ていると思ったら寝ていたり、会話途中に寝はじめたり、一日の内何時間はっきりした頭でいるのかわか...
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)場所は田畑ではなくて、広い畳の部屋。たくさんの人たちが二列に並んで向かい合って座っている。各々の前に膳が据えられている。上座に、いつもの夢のごとく「俺と同じ顔をした農民」を見つけた。ただ、ひどく年をとっている。白髪頭だし、顔中しわくちゃだし、背筋はぐにゃりと曲がっている。そんな風景を宙に浮いて眺めていると、襖が開いて、給仕のような役割の若い女性数人、とっくりをお...
5-3俺は夢の中で俺に会う?|或る農村を夢に見る【短編怪奇小説】
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)ふと気が付くと、俺は江戸時代の或る農村を、空中に浮かんで眺めている。(なぜ江戸時代と言い切れるのか?それは夢の中でそう思ったからであって合理的理由は無い。)あの田んぼやこの田んぼで、夏の炎天下、たくさんの農民たちが汗水を流して作業している。暑そうだ。宙に浮かぶ俺もまた、降り注ぐ日光が痛いほどだった。どの農民も、宙に浮かぶ俺に気が付いていない。見えないのかもしれない...
5-2禁酒成功?ではじまる夢|或る農村を夢に見る【短編怪奇小説】
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)翌日。風呂上り。俺は、渇きを感じながら冷蔵庫の前に立ち尽くしていた。従来、仕事の終わる一時間前程前から渇きを感じつつ23時程に帰宅して、風呂上がりに冷えたお酒を一気飲みで癒していた。生活における楽しみの一つでもあった。(俺の仕事は、予備校講師兼フリーライター。儲かってはいないものの、朝昼は食事を抜いて夕食は卵かけ納豆ご飯3食分にすれば、毎日たっぷりと飲め上に、休日は...
(本話の分量は、文庫本換算5P程です。)深夜2時。俺(米津秀行・よねづひでゆき・29歳)は、仕事机兼食事テーブルに立ち並ぶ空き缶たちを眺めた。ビール6缶。ワインの時は720mlボトルを赤・白1本ずつ。焼酎なら900mlを3分の2くらい。ウイスキーなら200ml角瓶1本にビールや酎ハイを2缶つける。このようなアルコール生活を、大学卒業後から続けている。今のところ身体に異常はないものの、こんなアルコール生活を今後ずっと続けられると...
(本話の分量は文庫本換算5P程)或る秋の深夜、俺(麦倉行・警察官・29歳)は、同僚と自転車パトロールをしていた。多摩地方の一大都市の一つで繁華街のはずれ、一車線の道路に古いビルが向かい合って並ぶ飲み屋の通りを走っている。店は大抵閉店しているが、深夜営業をする店が何軒か有って、通りをポツンポツンと明るくしている。動いていると暑いものの、そよぐ風は涼しい。夏から季節が移ろうとしているのを感じる。と思っていると...
自転車を停めて、男の登録していると言う、会社に電話をしてみた。男は、少し離れたところで、同僚としゃべっている。しばらくして、女性担当者が出て来た。俺は自身の名と所属を言って後に、男について状況説明する。担当者は不審感を抱いているような低いトーンで応える。それから男に交代して、事情を説明してもらった。しばらくして、男から俺に電話が戻ってくると、担当者の口調は変わっていて、明るく協力的だった。さまざま...
4-2なぜ?時間を気にする|通称ナンバーマン【短編怪奇小説】
俺は、男に職業を質問した。男は、眠気を吹っ飛ばすためか、強い口調で「日雇いだよ」言う。失礼だが、日雇い仕事だけで生計を立てているなら、全身をブランドで着飾るよりも他のことにお金を用いたいのでは?多額の不労所得でも有るのか?それならいいが、盗品だったりお金を脅し取っていたりなんて可能性はないか?疑うのも仕事。仕方ない。俺は「良い時計ですねそれ、随分儲かる日雇いもあるんですね、俺も転職しようかな」と尋...
(本話の分量は文庫本換算5P程)或る秋の深夜、俺(麦倉行・警察官・29歳)は、同僚と自転車パトロールをしていた。多摩地方の一大都市の一つで繁華街のはずれ、一車線の道路に古いビルが向かい合って並ぶ飲み屋の通りを走っている。店は大抵閉店しているが、深夜営業をする店が何軒か有って、通りをポツンポツンと明るくしている。動いていると暑いものの、そよぐ風は涼しい。夏から季節が移ろうとしているのを感じる。と思っていると...