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megの創作スタイルはスターシステム手塚治虫先生が使っていた漫画技法です 漫画にも描いていますが無意識か、はたまた他の人格か…スターシステムから、「僕らの、」…
赤い糸。 絡まっちゃってこんがらがっちゃってさ。それでも、 もうひとつの端は、運命の相手に結ばれているのかなぁ。 ねぇ? 運命の相手って誰れが決めてるのかな? カミサマ? ねぇ? じゃあ、 いまこの手首に巻いた、紅い、布。 かなしい。 うれしい、 ふたりを繋いだこの。紅い布。 解けることのないように、きつくキツク縛った。 知らないカミサマが勝手に繋げた細い見えない糸なんかより、ほら、 ふたりで互いに結んだこの布の方が確実だよね。愛なんて恋なんてそんなモノ知らないけどさぁ。 夜の海は静かで黒くてうつくしい。
遅くなりましたが『佐藤は汐見と番いたい〜』でご報告があります!💦
お疲れ様です! 有島です!! だいぶご遅くなってしまいましたが、とりあえずご報告をば…… Xでは色々とリアタイで投稿していたんですが、こちら(サイト内お知らせ)では未報告だったので...
megとRinaくんは創作うちよそで出会ったのでその関わりは今でも続いています。下にRinaとmegの簡単な馴れ初めを書きました。(BL表現あります) リー…
時間が、朝と夜のすきまに見せる色が好きだ。夜が明けきるまえの薄い青、陽が沈んで闇に覆われるまえのはかない橙。まぶしい朝、てらされる昼、真っ暗な夜、雨音(あまね)は地軸が揺らぐように自分の居場所を見失うから。ベッドのなかで青がだんだんと光に浸食される時間、雨音の肺はしだいに金属でできているかのように呼吸がむずかしくなる。このまま光に溶けてしまいたい、という物思いすら容赦なく照らされて消えてはくれな...
僕が「薄荷」と呼ぶものを、彼は「ミント」と呼ぶ。犬派の僕と愛猫家の彼。なにもかも相容れないのに、接点が恋心だというのはいったいどうしたことだろう。作哉が一億万回は考えたことをまた脳内でこねくりまわしていると、ミントで猫派の作哉の彼氏、学人が本屋の紙袋(いちばんサイズがでかいやつだ)を提げて休日昼間のごった返したフードコートに戻ってきた。「また本を増やす……」 作哉の視線に学人はうへへと笑った。「学...
「よう、」 一応ドアをノックして、だけど返事を待たずに部屋に入る。鍵はかかっていない。そもそも鍵なんてついてすらいない。「けーとさん、」 俺の姿を認めて、 室内にいた男は、ふわりと笑う。見慣れた笑顔。曇りのない、表情。どうしてなのか、驚いた様子は無い。連絡もしないで訪問したのにな。 窓辺の空気が僅かに揺れた。思わず向けてしまった視線をそこからずらす為に「最近肩凝るんだよなぁ」と独りごちながらそのまま首を左右に動かす俺。不自然じゃないよな。 その奥にある大きな窓から入ってくる柔らかな陽の光で室内は明るい。バルコニーがついているんだっけ? 室内はパイン材の白いフローリング。全体的に新しい匂いがする…
首都カリアリから国道で北へ約1時間。古代の火山地帯であるモンテ・アラジン自然保護区の看板が見えてくる。ハイキングや自然観察が楽しめるスポットであり、決して大きな町ではないが観光地としての人気は高い。だが、まだ時刻は商店やカフェがオープンする前で。人通りの少ない町の景観だけを楽しみ、ハインリヒが運転する車はさらに北上する。そうして直線が続く国道を20分ほど走った頃。オレンジ色の屋根の家々が見えてきた。...
「あぁ、天使か…」ぽつり、と。欠伸交じりの声が聞こえ、夢現の場所を彷徨っていたアルフレードはまだ重たい瞼を押し上げた。ふわり、と舞う白いレースカーテンが視界の端に入る。と同時に見えたのは、半身を起こし、気だるげに前髪を掻き上げているハインリヒの横顔。くぁ、と狼や獅子のように大きく口を開けて欠伸をしている無防備な姿に思わず笑む。普段は気配に聡い人だが、見られていることに気付いていない。朝陽に促されて...
好奇心を選んだ猫はどうなったのか。9つある命を全て使い切ってしまったか、それとも、満足感に生き返ったか。前者が教訓として語られることが多い諺だが、どちらかと言えば後者の気分だなとアルフレードはそっと口端を緩めた。過ぎる快感は、身体にとっては負担にしかならない。そもそも受け入れる構造になっていない身体を開く行為なのだから、無理が生じるのは当然のこと。関節も腰も鈍く重たい。酷い熱を出したときのように全...
目覚める直前、意識が浮上しきるその前に髪を撫ぜられているのを感じた。心地よい。このまままぶたを落としていよう、と決めるその一瞬前に目を開けてしまう。青に染まった部屋に、目覚ましはまだなっていないことを悟る。「かず」 啓仁に名前を呼ばれる。この人は自分の恋人だと和沙が思う前に、鼓膜が恋人の声だと認識してしまうような声音で。身じろぎすると「どうしたの」と落ち着いた声で問われた。「うなされてたし……泣い...
地中海の中央部に位置する島、サルデーニャ島。現在はイタリア領となっているが、その何千年もの歴史は実に複雑だ。様々な勢力に支配されたことでこの島にしかない独自の伝統や習慣が今も根付いており、20世紀初頭のイギリス文化における重要な人物の1人に数えられているD.H.ローレンスはこう言い表した。「この地は他のどこにも似ているところがない」、と。彼のその言葉はサルデーニャ島を世の中に広く知らしめるきっかけとなり...
波の音。それは、幼い頃を過ごしたあの美しい港町の音。朝の爽やかな潮風は遠い記憶を引き寄せる。瞼の裏に感じる陽光の気配は、「おはよう」と髪を撫でてくれた母の手の温もりを、「よく眠れたようだね」と抱き上げてくれた父の腕の優しさを呼び起こした。まだ眠気はあるが、睡魔にしがみつきたいほどのものではなく。アルフレードはぬくく柔らかな記憶に包まれた多幸感の中で、手足を伸ばした。全身に感じる微かな倦怠感は、情交...
空腹、とは違う。だが、限りなくそれに近い感覚が消えない。胃よりももっと、ずっと下。そして、もっと奥。そこが、足りない。胃が固形物を求めているせいだと言い聞かせて果物を食べたが、一度自覚してしまったそれはなかなか頑固で。身体の奥にじわじわと熱が溜まっていき、同時に不足感が募っていく。臍の下辺りを掌で摩りながら、アルフレードはプールサイドに置かれている椅子に腰掛けて空を仰いだ。そこには雲ひとつない突き...
ローテーブルに整然と並べられた白い封筒が10枚。宛名も封蝋もされていない、無地のそれ。一体これは何だろう、と首を傾げながらアルフレードはコーヒーカップを両手に持ったままハインリヒの姿を探した。と、バルコニーへ続く窓が開いていることに気付く。風が吹き込み、カーテンがふわりと揺れる。その拍子にハインリヒの後ろ姿が見え、風に乗って彼の声が聞こえてきた。話している内容までは聞き取れなかったが、口調と声音は穏...
「次の休日は朝から遊びに行こうか」アルフレードがハインリヒにそう誘われたのが先週のこと。いよいよ明日がその日だ、といつもよりも早い時間に鳴るようにアラームをセットして。気分が高揚して寝付けないなんて子供のようだ、と笑って。それでもいつもより早い時間に眠りについた。そして、朝。身支度を済ませて早々に家を出た2人は市内のカフェで軽い朝食をとり、「どこに行くの?」「まだ秘密だ」というやり取りを何度か繰り...
タクシーの後部座席におさまった恋人を眺めながら、助手席の夏生(なつき)はさっきから「ひとり多い」話を思い出している。 遠足の引率をしていた小学校教師が行きかえりの点呼で人数が違うことに気がつくとか、山で遭難した四人組が肩たたきゲームをしてからくも難を逃れるが、のちになってそのゲームが四人では成り立たないことに気がつくとか、そういった類の怪談話だ。小さなころに好きでよく読んでいた怖い話ばかりを集め...