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ブザーも鳴らず、ドアが「バタン!」と開いた音がする。同時に声がする。「アサミ! アサミ、どこだ?」その声を聞き誰なのかは分からず、心の声が口に出ていた。「この声、誰だろう」ベッドを置いているドアが開く。「アサミ!」その声に応じたのは、目の前に居る奴だ。『勝手に人の所に入ってくるなっ!』そう叫ぶと、やっと退いてくれた。だけど、そいつは勝手に入ってきた人に掴みかかろうとしているが避けられ床に倒れた。誰...
月夜の猫-BL小説です 残月4 BL小説 「何なら、チケット用意しとくよ。綾小路一族と一緒に」 「綾小路一族ぅ?」 良太は檜山に聞き返した。 「紫紀と小夜子と大、千雪と京助、それから彼らの両親」 「いや、観たいのは山々だけど、工藤も俺も時間が取れるかどうか。工藤にも聞いておくけど」 一族と一緒にって、ほんとに
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!41 BL小説 「佐々木ちゃん、外寒いから、ちゃんと髪乾かさなきゃだめだよぉ?」 直子は佐々木の相手が例え男だったとしても、そうなんだ、で納得してしまうかもしれない。 ただ二人の関係をどう説明すればいいのかわからない。 とにかく、今夜はトモに会えるのだ。 師走を吹き抜
月夜の猫-BL小説です Tea Time17 BL小説 「いや、どういうわけか面白い具合にいろいろ絡んでいるんだよな~。な、撮影前に明日か明後日、時間取れる?」 『明後日八時頃なら大丈夫っすよ』 武人の思わせぶりな発言に、七海は即答した。 「よっしゃ、わかった。まあ、ここはじっくり策を弄するとしましょ」 とい
月夜の猫-BL小説です 残月3 BL小説 「はい。次はきっと頑張れますよ」 「わかりました! 頑張ります!」 二村も笑った。 良太は志村や桧山にもサンドイッチを持って行った。 「良太ってさ、時々、工藤さんより怖って思うわ」 ボソリ、と志村が言った。 「何ですか、それ」 心外なと良太が眉を顰める。 「二村さん
2023-10-28更新安西リカさん作のBL小説 「王様に捧げる千夜一夜」の感想です。 2022.12月発売 (新書館 ディアプラス文庫) ~~王様と側仕えの少年の 溺愛アラビアン・ロマンス♡~~ 今月でめでたくもBL歴丸8年、 いよいよ二桁目前の9年目に入りました。 そんな私の初アラビアンロマンス物です。 避けて通っていたわけでもないのですが 強く惹かれる設定でもないので いままで縁がなかったんです。 安西リカさんなら間違いはず、と 挑戦してみました(*´ω`*) 世継ぎこそいまだいないものの 美丈夫で賢王と名高いラシード王。 その後宮で下働きをするアーシェは ある日、王の気まぐれで閨に伽として呼ばれ そこで得意の物語りを披露すると 以来すっかり王のお気に入りになって… という始まり。 貧困な暮らしから栄養不足..
思わず言っていた。『私は、相手が誰であろうと大切にしたい人はいる。それは友であり仲間だ。ニールは私にとってかげがえのない友だ。だから頬と額にキスをしたんだ。だけど、あんたは対象外だ! そもそも私は腐男子だ。こういう事をするのなら他の奴とやれ。その図を見て妄想に浸ったりニヤついているのが私だ。でも、私の対象は高校生だけどな! あんたは論外だ』相手はウロウロしている。「え、なになに。今、なんて言ったの...
月夜の猫-BL小説です 残月2 BL小説 そもそもが以前は母校の大学にも新入社員の募集をかけたりしていたものの、面接の最後に、俺の伯父は云々とどすをきかせた声で言い放つため、ほぼ全員が回れ右で帰って行き、万年人手不足に悩まされている青山プロダクションだったのが、ただ一人、出て行かずにめでたく新入社員として残っ
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!39 BL小説 オフィスに二日ほど居座った下柳と一緒に試行錯誤の末、超特急で上げたデータをスタジオに持って行くという強行軍で、CMが無事オンエアとなった十二月初頭から、佐々木のスケジュールは密になった。 週二日の茶道の稽古日にも久々母屋に顔を出し、佐々木自らも着物を着
月夜の猫-BL小説です Tea Time15 BL小説 出版社の取締役となっていた武人の父のつてで料理本を出してからというもの、奈央のその美貌も手伝ってあっという間にファンが増えた。 テレビにもちょくちょく顔を見せるようになると、今度は広尾の教室とは別に用賀にこのイギリス風な家を建てて住み、撮影などに使うように
月夜の猫-BL小説です 残月1 BL小説 高い空、葉も色づいた街路樹が秋の訪れを告げている早朝のオフィス街。 やがてビジネスマンが行きかうだろう通りには、先ほどから似つかわしくない怒号が度々飛んでいる。 「志村、遅い! 檜山、お前はもっとそっと出て来い! 二村、トロ過ぎる!」 ライトがたかれ、カメラセットを積
月夜の猫-BL小説です 残月(工藤×良太) BL小説 「幻月」「秋の陽」のあとのお話です。 青山プロ所属俳優志村義人主演映画「大いなる旅人」には能楽師、檜山が出演しているのだが、檜山の家で撮影をすることになり、檜山と話していた良太は、工藤の話をすると嬉しそうな顔をする檜山に、本谷が工藤を好きになったように、ま
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!38 BL小説 重い灰色の空が十一月の終わりを告げていた。 「どうしたの?」 落ち葉が敷き詰められた箱根にある美術館への道を、何かに追い立てられるように歩く佐々木に、後ろから追いついたトモが聞いた。 「いや……別に……ただ、不安なんや。仕事にしたっていつも……これでええ
月夜の猫-BL小説です Tea Time14 BL小説 秋晴れのある朝、といってももう十一時に近くなっているが。 武人が歩いていたのは、世田谷は用賀の閑静なたたずまいである。 その一角にある門には花で飾られた『Nao Cake House』という木彫りのプレートがかかっている。 チャイムを押して門を一歩踏み入れ
ニールはクスクスと笑いながら言ってくる。「分かってるよ。でも、1回だけでいい。お願いだ。僕に触れて」「ニール……」「アサミ、お願い」その時、ニールの目には涙が出て頬を伝っていた。まるで、ドラキュラが人間になっていきそうな感じがしたものだ。そのウルウル瞳にやられて頬にキスをしていた。「アサミ……」「これで許して欲しい」次はニールの前髪を上げて額にもキスをする。「アサミ、サンクス!」思いっきり抱きしめられ...
月夜の猫-BL小説です 幻月59 BL小説 おそらく表面上は会社を守らねばとか強がって一人前の振りをして、歯を食いしばっていてもどうせ、一人の時には猫を抱いてメソメソしているだろう良太を抱きしめたかった。 やっぱり少し痩せてしまった身体の首筋や胸や背中をさすりながらしばらく煽ってやれば、良太は色づいた声をあげな
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!37 BL小説 「佐々木さん、『桜プロ』さん、北海道ロケからさっき戻ったって」 浩輔が携帯を切って、佐々木に告げた。 「そうか。楽しみやな。ええもん、できるで、きっと」 雪はホンモノが撮りたいと言ったのは佐々木だ。 これで自分のギャラはなしになったとしても、思ったもの
月夜の猫-BL小説です Tea Time13 BL小説 「……………………だめだ」 やっぱり…………あの人と俺じゃだめだったんだ。 うまくいくはずなんか、なかったんだ。 「ほんとに、バカだよな、俺」 ため息とともに自嘲しながら、勝浩は溢れ出る涙を拳で拭う。 所在無く動かした指は、見慣れた番号を押していた。 『よ
2023-10-24更新かわい有美子さん作のBL小説 「墨と雪」「墨と雪2(上)(下)」のまとめて感想です。 墨と雪 2015.12月発売 墨と雪2 2022.2月発売 警察独身寮「平河寮シリーズ」 円陣闇丸さんの絵、めちゃきれいで素敵♡ ★これまでの平河寮シリーズの感想は 以下のリンクから★ 天使のささやき 甘い水①② Zwei これまでシリーズのあちこちに 思わせぶりに登場してきていた 謎の色男 公安の黒澤 ✕ SIT所属で「甘い水」で主役だった遠藤に 思いを寄せていた(?)篠口 セフレ関係にある二人の 一筋縄ではいかないオトナの恋のお話ですが シリーズ中でも最も読み応えがありました。 「墨と雪」は 身体だけの関係を続ける中 サイコパスに付け狙われ 心身ともにひどいダメージを受けた篠..
月夜の猫-BL小説です 幻月58 BL小説 「それ、佐々木さんには言わないでくださいよ。直ちゃん、たまたま会社に来てあら捜ししてった刑事見て許せないって、藤堂さんも巻き込んで、『ベア』にアンダーカバー、自分でも反省してるって」 「ったく、藤堂のやつ、何やってたんだ」 工藤は苦々し気に言い放った。 「いや、藤堂さ
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!36 BL小説 「こらぁ、小笠原、身ぃ入ってねぇぞ! 腹だ、腹にぐっと力入れて歩け!」 四谷のYスタジオでは、朝からディレクター下柳の怒号が飛んでいた。 「そうだ、もっと色っぽくだ」 「色っぽくって、どう色っぽくだよ、充分俺色っぽいぜ、いつも」 着流し姿の小笠原祐二が文
月夜の猫-BL小説です Tea Time12 BL小説 『だから何で、俺に言わないんだよ。ミニなんか、ユウだけでいっぱいになっちまうぞ。わかった、アウディだったらいいだろ? お前、運転したことあるし。わざわざ買うことなんかない』 なんとなく幸也の声に険が混じっている。 「あ、ちょ、待ってくださいよ、だってタケさ
社員研修は腐の宝庫 #31 時はハロウィーン・・・軽く性描写あります
その日は、ハロウィーンという時期で皆が浮かれまくっていた時だった。いつもの溜まり場にニールといて、普通に話をしていた。ニールは可愛いドラキュラ姿で、私はマジシャンに扮装していた。「Asami Love you」Likeの聞き間違いかと思って聞き直したほどだ。「ニール。私達は友だちだよ。そういう場合はLike youだよ」「僕の恋人になって」「ニール?」なんて言えば良いのか分からず黙っていた。その沈黙をニールはどう思ったのか...
【いいねの数だけ自分の作品の名言を言え】華KAGEROU本編
ツイッターでのタグ遊び。自作のお気に入りのセリフや場面を抜き出してみました!ネタばれあります。未読の方はご注意下さい。●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●華KAGEROU1巻 専制君主の無茶ぶり💖=・=・=・=・=・=・=・=・=紙本を適当に開いたところで目についたセリフを選んでみたんですが、一発目はミシェルだったー(笑)プライム・レジェクトの絶対君主として君臨するオーナーのミシェル。セ...
【いいねの数だけ自分の作品の名言を言え】君は天からの贈り物編(華続編)
ツイッターでのタグ遊び。自作のお気に入りのセリフや場面を抜き出してみました!ネタばれあります。未読の方はご注意下さい。●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●君は天からの贈り物1巻 友情と恋の狭間で=・=・=・=・=・=・=・=・=悪漢たちに襲われて、危機一髪のところで救出されたアスラン。そのショックでアスランは寮から自宅に戻って引き籠ってしまう。そのアスランの実家に訪ねてきたルーク...
月夜の猫-BL小説です 幻月57 BL小説 良太は留置場など居心地悪いだろうし、風呂とかトイレとかどうすんだろう、と考えて、オフィスにたまたまやってきた平造に聞いたことがある。 「トイレは中にあるが、他に人がいりゃ使いづらいな。風呂も三日にいっぺんくらいだ」 それを聞いていたので、工藤もかなりうらぶれているので
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!35 BL小説 「佐々木さん、高橋って金持ちのボンボンで、五十嵐くんに言わせるといけ好かないやつかもしれないが、なかなか物を見る目はあるんですよ」 浩輔と佐々木の会話を聞いていたらしく、藤堂が近づいてきて口を挟んだ。 「……へえ、そうなんですか」 「もともとオヤジさん
月夜の猫-BL小説です Tea Time11 BL小説 「やだー、堺くん、ミニなんだ?」 「かっわいい! 堺くんにピッタシって感じ~」 先輩に借りたのだという勝浩の説明などなんのその、一人二年生の勝浩はゼミの女子学生の間ではマスコット扱いされていて、軽井沢の合宿所となっているホテルのログコテージに着く早々、先輩
月夜の猫-BL小説です 幻月56 BL小説 「いや、ちっさいが畑もありますしな、吉川に任せっぱなしだし、あいつも自分の店がありますからな」 馴染みのリストランテのオーナーシェフ、吉川と平造は案外長い付き合いで、料理や野菜のことで話が合うようで、平造がぎっくり腰をやった時にも世話を焼いてくれた。 「着いたら電話し
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!34 BL小説 彼女が本来の自分に戻り、そして飛躍を遂げたということは、少なくとも彼女にとっては佐々木と別れたことが吉と出たのだろう。 今となっては、彼女と過ごした時は佐々木にとって切ないけれども既に過去の日々だ。 浩輔と出会ったことでそう思えるようになった。 そして今
月夜の猫-BL小説です Tea Time10 BL小説 ゼミのレジュメはやらなくてはならなかったにせよ、それを理由に幸也を帰したというのが本当のところだろう。 山から降りてきてみると、何だかあれは本当だったんだろうか、とさえ思ってしまった。 よくある夏のなんとか、とか、喉もと過ぎればとか、マイナス思考ばかりが頭
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月夜の猫-BL小説です BL小説 霞に月の(工藤×良太)88、幻月55、恋ってウソだろ?!33、Tea Time9、 までアップしました
月夜の猫-BL小説です 幻月55 BL小説 「しかし、小田弁護士から今回の事件の件で、スポンサーを降りた方がいいかも知れないと窺った時は驚きました」 良太は驚いた。 工藤はそんなことまで考えていたのだ。 他のスポンサーに対しても同じように対応したのだろうか。 「工藤さんを信頼してますから、そのような気遣いはご無
月夜の猫-BL小説です 恋ってウソだろ?!33 BL小説 藤堂が新しく入れてくれたお茶を飲んだあと、三人は上のギャラリーに向かった。 「あれ、藤堂、仕事はもういいのか?」 ギャラリーのドアを開けると、絵を見ていた少年があどけなさの残る笑顔で駆け寄ってきた。 「いや、お客さん。君の絵が見たいって」 少年と思ったの
月夜の猫-BL小説です Tea Time9 BL小説 午前一時を回った頃。 ゼミ合宿で発表に使うレジュメをやっと作り終え、勝浩がノートPCをパタンと閉じると、散歩を待ちかねたユウがパタパタと尻尾を振りながらクウンと鳴いた。 「お待たせ、ユウ!」 ドアに鍵をかけるや否や、ユウは勝浩を引っ張って小走りにいつもの散歩