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「嫌われ者の転移者は、出戻った異世界で溺愛される」[著]てんつぶ [イラスト]白崎小夜
あらすじ一度目の転移は十三歳の時、厨二病全開で我が儘で嫌われ者だった。好きだった人に「嫌い」と言われた挙句、何者かに殺され日本に戻って十五年。サラリーマンになっていた俺はまた異世界へと舞い戻った。今度こそ目立たず平凡に暮らすつもりだったのに
ひとりでいいから。ちいさなうそをつくたびに、すこしずつ孤独に鈍くなった。 だれでもいいから。これまたうそを口にすれば、すこしずつ夜を乗り越えるのがじょうずになった。 ほんとうは、たったひとりがほしい。ずっと。ずっと前から。 すこしずつ、それを声に出せなくなるのは、なぜ。 部屋を出ようとすると、夜のなかに雨が降りしきっていた。一瞬、ごくわずかに躊躇した椎菜の背中に声があたって、転がる。「傘持ってん...
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に93 BL小説 プロ野球のペナントレースも終盤に差し掛かり、今年も関西タイガースはセリーグの首位と二位を行ったり来たりしている。 それだけでなく、Aクラスどころか三位以下も今年は混戦状態がまだ続いており、下手をすると終わったらガラリと順位が変わっていたなどということもあり得そう
身じろぎひとつしないで眠り続けているハインリヒの髪を梳き、アルフレードはその手で前髪を払って彼の額に触れた。まだ目の下に隈はあるが、熱はないな、とほっと安堵の息を吐いてから少し伸びてきた襟足を指に絡める。その拍子に、項にある小さなホクロが見えた。普段は髪に隠され、近付いただけでは見ることができないもので。無防備な彼の姿に独占欲と優越感が充たされていることに気付いてしまい、オレも大概だなと小さく肩を...
ミュンヘン北部に位置する、オーバーシュライスハイム。自然豊かな小さな町で、歴史的な建造物や観光名所も数多い。1912年に設立された国内最古の現存する飛行場は今でも現役で、その敷地内にはドイツ博物館の分館にあたる航空宇宙博物館がある。展示場はコンパクトだが、第二次世界大戦に実際に使用された戦闘機や近代の航空機やロケットが展示されていることで有名だ。この博物館の隣にはバイエルン公ヴィルヘルム5世の隠遁の場...
熱を奪い合うように。一方で与え合うように。そして、共有するように。体温も鼓動もどちらのものか分からなくなるまで重なり、心の充足感がもたらした優しい微睡みに身を委ねて。睡眠時間は到底足りていないが、軽やかな気持ちで目覚めて。そうして、ベッドの上から見送ったハインリヒを玄関で出迎えたアルフレードはその早過ぎる帰宅に目を丸くした。彼を送り出してから、時計の針はまだ2周しかしていないのだ。そして、彼の後ろ...
いきなり嬉しそうな声が聞こえてきた。「ほんと? 嬉しいな、ありがとネイサン!」「え、なにが?」「今、はっきり言ってたよね? 僕を愛してるって」「そうだっけ?」いつから聞いていたのだろう。もしかして、さっきのは寝言ではなかったのだろうか。ニールは、こんなことを言ってくる。「ネイサン、神父の前で誓ったよね。病めるときも健やかなときも、って」「そうだな」「僕、嬉しかったんだよ」「皆が祝ってくれたしな」「...
読書記録:■聖女の兄は傭兵王の腕の中。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/17703539/386556510土建屋の社長を父に持つ少年、桜木薫はその日も従業員寮で、腹をすかせた野郎どもに飯を食わせる役目を仰せつかっ..