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事件や戦争、あるいは事実を歪曲したプロパガンダで、巧みに他国を支配下に置くアメリカの戦略は、戦後の日本や朝鮮で、アメリカが何をしたかをふり返ればよくわかると思います。日本では、当初、連合国軍最高司令官総司令部の民政局(GovernmentSection、通称:GS)が日本の非軍事化・民主化を進めていました。しかしながら、共産主義的勢力圏が極東で拡大することを恐れたチャールズ・ウィロビー率いる参謀第2部が、その後GHQ内で主導権を握り、戦前復帰ともいえるいわゆる「逆コース」の政策を進めるようになりました。それは、1947年(昭和22年)、日本共産党主導の二・一ゼネストに対し、GHQが中止命令を出したのがきっかけだといいます。その「逆コース」の政策の象徴的ものは、戦犯の公職追放解除や、レッド・パージですが、そ...アメリカの謀略による日本支配や朝鮮支配
ウクライナ戦争が続き、台湾有事が心配される現在、私は、下山事件や帝銀事件、その他の事件を細部にわたって調査し、精密に論証した「日本の黒い霧」松本清張(文春文庫)は、極めて示唆に富むものであると思います。特に、”一つの大きな政策の転換は、それ自身だけでは容易に成し遂げられるものではない。それにはどうしてもそれにふさわしい雰囲気をあらかじめ作っておかなければならぬ。この雰囲気を作るための工作が、さまざまな一連の不思議な事件となって現れたのだと私は思う。”という指摘は見逃すことができません。アメリカは、戦後日本の事件のみならず、いろいろな戦争で、この”雰囲気を作るための工作”をしてきたと思います。ベトナム戦争では、ペンタゴン・ペーパーズの暴露で、トンキン湾事件の捏造が明らかになり、湾岸戦争では虚偽の「ナイラ証言...アメリカの謀略、日本の戦後三大事件とアメリカの戦争
「日本の黒い霧」(文春文庫)の著者松本清張は、同書で下山事件に関する様々な情報から、下山国鉄総裁が、GHQの組織、参謀第二部(G2)の謀略によって殺害されたことを論証しています。GHQ民政局(GS)の民主化政策で、”強大となった日本の急進労働運動もなんとかして食い止めなければならない”ということで、G2が下山総裁を拉致し殺害した上、その死体を線路上に横たえたという事実を、さまざまな証拠をあげて明らかにしたのです。下記に抜萃したのは、「下山国鉄総裁謀殺論」で、下山事件の背景や殺害の動機を中心に論じています。下山総裁が行方不明になった経緯、轢死体や身に着けていたものの状況、また、列車の運行状況、下山事件の不自然な捜査の打ち切りなどを、下記のような背景や動機と考え合わせると、下山事件がG2による謀略であったこと...謀略をくり返すアメリカ、下山事件で
8月17日付朝日新聞「核に脅かされる世界に被爆国から2022」に「まず米国が謝らないと」と題する元広島市長の平岡敬氏の文章が掲載されていました。そのなかで、”冷戦が終わった時、これで核兵器の恐怖はなくなったと私たちは思いました。だけど米国は冷戦に「勝った」と考え、ロシアを弱体化させようとする基本政策をずっと続けてきました。”と書いていました。私も、核兵器を「非人道兵器」として、その使用はもちろん、使用の威嚇、また、開発や保有も例外なく禁止する核兵器禁止条約を最も重要な国際条約として成立させるためには、まず、日本に2発の原爆を投下したアメリカが、その過ちを認め、謝罪することが必要だと思います。当時すでに、ハーグ条約やジュネーブ条約があり、民間人の殺害はもちろん、”無防備都市、集落、住宅、建物はいかなる手段を...キプロス紛争に対するアメリカの関与と国際法、国際条約
ウクライナ戦争が始まるまでは、私は、日本の戦後の歴史、特に明治維新以後の「薩長史観」といわれる歴史の諸問題や、「逆コース」と言われるGHQの方針転換後の日本の歴史の諸問題を中心に、歴史の学び直しをしてきました。当初GHQは、日本の実態を踏まえ、丁寧に「日本の民主化・非軍事化」に取り組んでいたと思います。でも、よく知られているように、日本共産党主導の二・一ゼネスト(1947年)をきっかけとして、GHQは対日占領政策を根本的に転換したのです。そして、「公職追放令」や「団体等規正令」などによる戦争指導層排除の方針を、労働運動や社会主義運動を取り締まる法律に変え、戦争指導層と手を組むことにしたのだと思います。だから、それを正当化するためと思われる諸事件が頻発することになったのではないでしょうか。「レッドパージ」開...アメリカのエルサルバドル寡頭制支配体制支援とウクライナ戦争