メインカテゴリーを選択しなおす
戦後、アメリカが韓国や日本を「共産主義の蔓延を食い止めるための防波堤」にするという反共政策を進めたということは、孫栄健氏やブルース・カミングス氏がそう思ったり、考えたりしたということではなく、第一次史料が示す事実です。そして、現実にその政策が進められたことを、「韓日条約締結秘話」李東元著:崔雲祥監訳(PHP)が、はっきり示していると思います。李東元氏が、同書の「日本の読者の皆様へ」で褒めたたえ、感謝している日本人は、下記の抜粋文にあるように、東条戦時内閣の元閣僚、岸信介氏や賀屋興宣氏に代表されるように、「鬼畜米英」の戦争の指導的立場にあった人たちです。また、監訳者、崔雲祥氏は、「本書出版の意義」のなかの「アメリカの評価」で、”李長官は1966年国連総会出席中に、統一政策に関する意見の差異のため長官職を辞任...李東元著「韓日条約締結秘話」が明かす真実
昨年の韓国総選挙では、革新系最大野党が、保守系の尹錫悦政権や与党側を「親日」と攻撃する主張を展開し、与党は野党側を北朝鮮に追従する「従北勢力」と主張して、互いに非難し合う選挙戦でした。日本やアメリカの政権は、尹錫悦政権が親日的であり、親米的なので、いろいろなかたちで支援したのではないかと想像します。だから、日本の報道も、尹政権が日韓関係の改善に強い意欲を持ち、「自由、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国」ということで、関係を深めるべきであるというような内容のものばかりだったと思います。特に尹政権が、北朝鮮による核・ミサイルの脅威に対抗するため、アメリカや日本との連携強化を重視していることを評価する姿勢が鮮明だったと思います。だから先日、尹大統領が、国会の議決を尊重せず「非常戒厳」を宣布し、軍を動員...日韓関係改善の本質は、
アメリカは、南朝鮮に反共主義の傀儡政権を誕生させ、支配下に置くために、警察や警察隊(軍予備組織)、右翼青年団などに、左翼狩りを行なわせながら、国連でアメリカ決議案を通し、南朝鮮単独選挙を強行させました。その過程で、下記に抜萃したような「済州島事件(四・三事件)」や「麗水・順天の軍隊叛乱事件」など、さまざまな悲劇が起りました。南朝鮮単独選挙に基く、大韓民国の樹立は、明らかに南北朝鮮一般市民の思いに反するものであったと思います。だから、左派や共商派のみならず、一般市民を巻き込む激しい抵抗がくり広げられることになったのであり、朝鮮の人たちにとっては、当然の抵抗だったように思います。でも、李承晩を中心とする右翼勢力は、軍政庁の支援を得つつ、建国準備委員会の呼びかけに応じて活動をしていた人民委員会の関係者や同調する...アメリカの関わる済州島四・三事件と麗水・順天の軍隊叛乱事件
ロシア本土とクリミア半島を結ぶ橋の爆破によて、ウクライナ戦争が一段とエスカレートし、死傷者が一層増えています。にもかかわらず、ゼレンスキー大統領は、”ウクライナを脅すことはできない。代わりにさらに団結した”と述べ、徹底抗戦の決意を示したといいます。全く報道されませんが、ウクライナの人たちは、そうした主張をどのように受け止めているのか、気になります。また、バイデン大統領は、CNNのインタビューで、”ロシアのプーチン大統領が核兵器を使用するとは思わない”と述べたといいます。プーチン大統領は、”予備兵や軍事的な専門性を持つ一部のロシア国民を動員する”と発表したとき、”欧米諸国が核の脅威をちらつかせている”と訴え、”ロシア本土とウクライナの親ロシア派地域の安全が脅かされた場合は、ロシアが持つすべての武器の使用も辞...アメリカによる朝鮮分断支配とウクライナ戦争
第二次世界大戦末期の1945年8月8日、ソ連が対日宣戦を布告し急速に南下して来て、朝鮮全土を占領しつつあることに驚いたアメリカ政府は、ソ連と戦うことなくそれを阻止するため、急遽、政府内で38度線を設定し、ソ連に分割占領を提案して了承を得たことは既に確認しました。また、それが「一般命令第一号」としてアメリカ軍によって起草され、発令者は日本国大本営のスタイルをとったことや、それが、朝鮮の人たちの思いなど全く考慮していなかったことも確認しました。そしてホッジ中将率いる第24軍団が、占領軍として朝鮮に入り、在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁を設置します。アーノルド少将が軍政長官をつとめたということですが、この軍政がまた、きわめて問題のある動きを展開します。なぜなら、当時朝鮮の人たちは、日本の降伏が発表されるや否や、建...アメリカによる38度線分断支配とウクライナ戦争