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1件〜100件

  • バングラデシュの集団虐殺とアメリカ政府の道義心

    ウクライナ戦争に関わる新聞の記事を読むたびに、私は苛立ちを感じる毎日を送っています。大変な犠牲者を出し、日本が滅亡しかねないという悲惨な状況で降伏した日本は、戦後、二度と戦争をしないと決意して出発したはずだと思います。日本国憲法の平和主義の精神は、ごく一部の軍人や戦争指導者を除いて、ほとんどの日本人の思いを体現するものであったと思います。でも、ウクライナ戦争が続く現在、アメリカやウクライナからもたらされるプロパガンダによって、日本人の、その平和主義の精神があっけなく、日々崩れ去っていくのを感じます。以前取り上げましたが、東京大学の和田春樹名誉教授は、ロシア史研究仲間とともにウクライナ戦争の「即時停戦を求める声明」を発表しました。でも、ツイッター上で目立ったのは、賛同の声ではなかったといいます。「停戦ではな...バングラデシュの集団虐殺とアメリカ政府の道義心

  • インドネシア、スハルト政権の東チモール侵略とアメリカNO2

    私は、現在の人類が抱える諸問題は、アメリカが根本的に方針転換をして、常に法や国際条約、道義・道徳に基づく対外政策を進める国に変らなければ、解決しないように思います。ウクライナ戦争も、アメリカがゼレンスキー政権を背後から操っているように思います。なぜなら、他国の政権を背後から操り、社会主義政権や民族解放戦線などを潰しにかかったアメリカの対外政策の例は、あちこちにあり、東チモール問題もその一つだと思われるからです。前稿でふれましたが、インドネシアが東チモールに軍事介入し、ディリーを攻撃、全面侵攻した1975年12月7日の2日前、すなわち12月5日、アメリカのフォード大統領とキッシンジャー国務長官がインドネシアを公式訪問し、スハルト大統領に会っているのです。だから、フォード大統領がスハルト大統領に軍事援助を約束...インドネシア、スハルト政権の東チモール侵略とアメリカNO2

  • インドネシア、スハルト政権の東チモール侵略とアメリカ

    「悲劇の島・東チモール」(築地書館)の著者、島田昱郎教授は地質学者です。日本チモール協会の要請で訪れた東チモールで、その後クーデターが起き、インドネシアの軍事介入によって、悲劇の島となってしまったことに心を痛め、本書を執筆されたということに心を引かれました。地質学者が、”東チモールに自決権を!、東チモールに独立と平和を!”と、専門外の政治的訴えをされていることが、私には貴重に思えたのです。東チモールの理解に予断や偏見がないことは明らかであり、それは、東チモールに軍事介入したインドネシアやそのインドネシアのスハルト政権を支援したアメリカ、また、インドネシアを支持し、安保理の国連決議案に反対した日本が、国際法を尊重しない野蛮な国であることを示していると思います。インドネシア軍による東チモールの制圧は凄惨を極め...インドネシア、スハルト政権の東チモール侵略とアメリカ

  • アメリカCIAの内政干渉や法の無視

    先日、米中央情報局(CIA)は、アフガニスタンで、アルカイダの指導者であるアイマン・ザワヒリ容疑者をドローンで攻撃し殺害したと発表しました。それに関して、アフガニスタンで政権を掌握したタリバン暫定政権のザビフラ・ムジャヒド報道官は、攻撃があったことを認め、「国際的な原則」に違反していると強く非難したといいます。ムジャヒド報道官の非難の詳細はわかりませんが、私も、裁判なしに、それも他国の領土で人を殺すことは、許されないことではないかと思います。アルカイダで思い出すのは、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件です。アメリカは、それがアルカイダによるテロであるとして、対テロ戦争を宣言しました。そして、アフガニスタンからのアルカイダの追放と、指導者であるウサマ・ビン・ラディンの引き渡しに応じないと...アメリカCIAの内政干渉や法の無視

  • アメリカのプラット修正条項とキューバ革命、そしてウクライナ戦争

    日本で、ウクライナ戦争の停戦・和解の話がほとんど進んでいないことに、私は苛立ちを感じます。朝日新聞のオピニオン&フォーラムの声欄に、”「戦争反対」だけで本当にいいのか”と題する自営業の方(埼玉県67)の文章が出ていました。下記のような内容です。”「戦争反対」。この一般的な言葉がウクライナについても使われているが、違和感がある。「プーチン政権によるウクライナへの軍事侵攻反対」と明確に言うべきだ。「戦争反対」というだけなら、ウクライナが抵抗をやめれば戦争は終わり、プーチン政権の支配下に入る。それでもいいのか。識者や評論家の中にもそうした考えを述べる人がいるが、ウクライナはロシア国内へは攻撃していない。防戦だけである。それも「戦争」だからやめるべきなのだろうか。ロシアと隣接する日本は、防衛のあり方について再考を...アメリカのプラット修正条項とキューバ革命、そしてウクライナ戦争

  • ウクライナ戦争、「オデッサ旅団」結成の真実を知りたい

    かつて日本は、大本営発表に導かれて、悲惨な戦争を続けました。でも、その大本営発表は、戦後、「嘘の代名詞」と言われるような発表でした。例えば、「台湾沖航空戦」における戦果の発表があります。実際は、撃沈した敵艦は一隻もなく、空母二隻にかすり傷らしきものを与え、巡洋艦二隻を大破させたにすぎなかっただけなのに、”撃沈撃破したものは、航空母艦(空母)が十九隻、戦艦が四隻、その他が二十二隻、合計四十五隻”などと、アメリカ海軍の主力を全滅させたかのようなでたらめな大戦果が発表されたりしたのです。現在私は、ウクライナ戦争に関する報道が、それに似た状況になっているように思います。大本営にあたるのが、アメリカのバイデン政権であり、ウクライナのゼレンスキー政権です。いつもは自民党政権に批判的な朝日新聞でさえも、アメリカやウクラ...ウクライナ戦争、「オデッサ旅団」結成の真実を知りたい

  • アメリカの過去の所業をふり返りつつ、ウクライナ戦争を見る

    1973年9月11日、社会主義政権としては史上初めて自由選挙によって樹立されたサルバドール・アジェンデ政権をクーデターで転覆し、議会制民主主義を否定して、軍事政権を率いたのは、ピノチェトでした。下記資料1は、「燃える中南米特派員報告」伊藤千尋(岩波新書)から、その一部を抜粋したものですが、著者の伊藤千尋氏は、ピノチェトの軍政に抵抗を続けるチリ国民に寄り添い、その内面にも踏み込んで、抵抗の実態を詳細に語っています。一方、資料2は、「収奪された大地ラテンアメリカ五百年」E・ガレアーノ:大久保光夫訳(藤原書店)からの抜萃ですが、著者ガレアーノは、チリの政権転覆が、アメリカの主導したものであったことを明らかにしています。政権転覆の戦略はワシントンで作成されたというのです。そして、それを準備したのが、キッシンジャー...アメリカの過去の所業をふり返りつつ、ウクライナ戦争を見る

  • スノーデンのリークした機密文書とアメリカのグラデーション民主主義

    7月20日、ゼレンスキー大統領のオレナ夫人が、米議会で演説し、「大統領夫人としてではなく、一人の娘、一人の母親として演説したい」と語り、「ロシアは人々を殺し、米国は救っている。我々は感謝しているが、残念なことに戦争は終わっていない」と述べ、市民の犠牲を防ぐために武器や防空システムの供与など、さらなる軍事支援の提供を訴えたといいます。でも、子どもたちに「もう空爆もミサイル攻撃もないから、安心して眠りなさいと言ってあげられるように」するためには、停戦・和解を実現し、戦争を終わらせることではないのか、と私は思います。アメリカが合意すれば、停戦・和解が可能なのに、なぜ武器や防空システムなどの軍事支援の提供を呼び掛けるのか、と思うのです。ウクライナの人たちはもちろんですが、世界中の人々が、ウクライナ戦争のために、食...スノーデンのリークした機密文書とアメリカのグラデーション民主主義

  • スノーデンのメッセージとアメリカのグラデーション民主主義

    アメリカが民主主義国家であることを否定する人はいないと思います。しかしながら、第二次世界大戦後にアメリカが関わった戦争、また、アフリカやラテンアメリカなどの国々に対する軍事侵攻をふり返れば、アメリカの外交は決して民主的なものではなく、専制的で、武力主義的であったことは否定できないと思います。だから、リンカーンの名言を借りれば、アメリカの民主主義は、アメリカ人の、アメリカ人による、アメリカ人のための民主主義であり、アメリカ国内だけの民主主義だと言えるように思います。世界中から吸い上げた利益に基づく、華やかな文化と、そのアメリカ国内の民主主義を、世界の人々に見せつけつつ、国際社会では、およそ民主主義国家とは言えない振る舞いを続けてきたのが、アメリカだということです。今回は、「スノーデン監視大国日本を語る」エド...スノーデンのメッセージとアメリカのグラデーション民主主義

  • 国際戦争犯罪法廷の最終判決とアメリカのグラーデーション民主主義

    今まで、4回にわたって取り上げてきた、湾岸戦争の「告発状」と今回の最終判決を読めば、湾岸戦争におけるアメリカの戦争犯罪は明らかではないかと思います。1990年、イラク軍が隣国クウェートへ侵攻し、クウェート併合を発表するや、アメリカはイラクに即時撤退を求めるにとどまらず、国連で、武力行使容認決議を可決させ、アメリカ軍部隊をサウジアラビアへ派遣するとともに、同地域への自国軍派遣を他国へも呼びかけました。そして、寄ってたかってイラクを徹底的に破壊したのです。それは、アメリカがアラビア半島での石油およびその他の権益に対する支配力を確保するため、湾岸地域内における軍事的支配を目的としていたからだと言われています。また、同じころ、アメリカ自身が国際法に違反して他国へ軍を侵攻させていたことは、見逃されているように思いま...国際戦争犯罪法廷の最終判決とアメリカのグラーデーション民主主義

  • 湾岸戦争の実態とウクライナ戦争とメディアコントロール

    私は、ウクライナ戦争の報道を通じて、湾岸戦争の告発状に記された内容を、実感として、自ら味わうことになったように思います。また、参院選街頭演説中に撃たれ死亡した安倍元首相に関する報道にも、似たような違和感を感じました。7月9日の朝日新聞は、容疑者が特定の宗教団体の名称を挙げて「恨む気持ちがあった」と供述し、「(安倍氏の)政治信条には恨みはない」とも供述しているという事実を取り上げながら、社説には「民主主義の破壊許さぬ」と掲げ、「銃弾が打ち砕いたのは民主主義の根幹である」と書いています。そして、いたるところに、「民主主義に銃口」とか、「言論への暴力」とか、「民主主義への最大の冒涜」というような見出しが躍っていました。なぜ恨みによる殺人が民主主義の破壊なのか、と違和感を感じたのです。武装した青年将校たちが内閣総...湾岸戦争の実態とウクライナ戦争とメディアコントロール

  • アメリカの戦争犯罪に目をつぶり、プーチンを悪魔に仕立て上げる人たち

    7月5日、朝日新聞のオピニオン&フォーラム欄に、「プーチンは皇帝か」と題する、作家ミハイル・シーシキン氏の寄稿文が掲載されました。ウクライナ戦争を主導するアメリカの関係者が、大喜びするような内容です。朝日新聞は、別のところで、ウクライナ戦争に関して、”消耗戦の末東部一州制圧ロシア予想以上に時間・戦力消耗ウクライナは「戦略的撤退」”などと、アメリカからもたらされた情報と思われる記事も掲載していたのですが、その脇に”ロシア人であることに苦痛を覚える”と題して、そのミハイル・シーシキン氏を紹介する文章も掲載しているのです。そこには、”ロシアを代表する作家”とあり、”ロシアの主要な文学賞を全て受賞”した作家という誉め言葉も添えられ、シーシキン氏のウクライナ戦争に関する考え方を称賛する姿勢が読み取れました。でも、そ...アメリカの戦争犯罪に目をつぶり、プーチンを悪魔に仕立て上げる人たち

  • 「ならずもの国家」アメリカの戦争犯罪に目をつぶるのはなぜ?

    この頃、朝日新聞の社説にとても抵抗を感じています。7月2日の社説には、「日韓首脳外交打開探る実質対話こそ」と題して、”国と国との間で長引く懸案があるからこそ、指導者は時間をかけて対面すべきではないのか”とありました。その通りだと思います。では、なぜウクライナ戦争で、日々人が死んでいるというのに、また、世界中の人々が食糧問題やエネルギー問題で苦しんでいるというのに、停戦や和解のための対話を呼び掛けないのでしょうか。なぜ、ウクライナ戦争を主導するアメリカに、対話を求めないのでしょうか。ノルドストリームプロジェクトは、ヨーロッパに対するロシアの影響力を強め、アメリカの覇権の凋落を加速させることは、明らかだったと思います。でも、第二次世界大戦後、西側諸国の頂点に立ってきたアメリカは、国際社会の多極化や多中心化とよ...「ならずもの国家」アメリカの戦争犯罪に目をつぶるのはなぜ?

  • 「世界一のならずもの国家」アメリカによる世界支配を終わらせて

    ウクライナ戦争の報道によって、私は、日本の主要メディアが、少しも真実の報道を心がけていないということを知ることになりました。また、国連憲章やユネスコ憲章、その他の国際条約や日本憲法の精神を尊重しようとしていないこともわかったように思います。6月22日、沖縄慰霊の日の朝日新聞天声人語に”…きょうは沖縄慰霊の日、始めてしまった無謀な戦争を終わらせることができず、日本は本土決戦の時間稼ぎに沖縄を使った。失われた命にはそれぞれに名前があり、全うすべき人生があった。いかなる戦争でも同じである。”とありました。その通りだと思います。だから、ウクライナの戦争を止め、和解をもたらすために、あらゆる努力をしなければいけないのではないかと思います。でも残念ながら、日本の政治団体や主要メディアは、戦争を止めるための努力を、ほと...「世界一のならずもの国家」アメリカによる世界支配を終わらせて

  • 世界一のならずもの国家、アメリカによる世界支配を終わらせて

    ウクライナ戦争の報道によって、私は、日本のメディアが、少しも真実の報道を心がけていないということを知ることになりました。また、国連憲章やユネスコ憲章、その他の国際条約や日本憲法の精神を尊重しようとしていないこともわかったように思います。6月22日、沖縄慰霊の日の朝日新聞天声人語に”…きょうは沖縄慰霊の日、始めてしまった無謀な戦争を終わらせることができず、日本は本土決戦の時間稼ぎに沖縄を使った。失われた命にはそれぞれに名前があり、全うすべき人生があった。いかなる戦争でも同じである。”とありました。その通りだと思います。だから、ウクライナの戦争を止め、和解をもたらすために、あらゆる努力をしなければいけないのではないかと思います。でも残念ながら、戦争を止めるための努力は、ほとんどなされていないと思います。他の記...世界一のならずもの国家、アメリカによる世界支配を終わらせて

  • チョムスキーが語るウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞

    “知の巨人、ノーム・チョムスキー!「ウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞」”と題された動画中で、チョムスキーが語っていることは、ウクライナ戦争の解決のためだけではなく、現在世界が直面している諸問題にも関連することだと思います。だから、その内容を私なりに文章化し、まとめました。チョムスキーが語っていることは、概略下記のような内容です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーニカラグアに対するアメリカの軍事介入のケースでは、アメリカは世界裁判所に提訴され、不法な武力行使の停止や、賠償金の支払いを命じられた。でも、アメリカは紛争をエスカレートさせる対応しかしなかった。ウクライナ戦争に関しては、支援を強化すればよいというものではない。交渉による解決に向かうことが最善だと...チョムスキーが語るウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞

  • アメリカのエルサルバドル寡頭制支配体制支援とウクライナ戦争

    ウクライナ戦争が始まるまでは、私は、日本の戦後の歴史、特に明治維新以後の「薩長史観」といわれる歴史の諸問題や、「逆コース」と言われるGHQの方針転換後の日本の歴史の諸問題を中心に、歴史の学び直しをしてきました。当初GHQは、日本の実態を踏まえ、丁寧に「日本の民主化・非軍事化」に取り組んでいたと思います。でも、よく知られているように、日本共産党主導の二・一ゼネスト(1947年)をきっかけとして、GHQは対日占領政策を根本的に転換したのです。そして、「公職追放令」や「団体等規正令」などによる戦争指導層排除の方針を、労働運動や社会主義運動を取り締まる法律に変え、戦争指導層と手を組むことにしたのだと思います。だから、それを正当化するためと思われる諸事件が頻発することになったのではないでしょうか。「レッドパージ」開...アメリカのエルサルバドル寡頭制支配体制支援とウクライナ戦争

  • アメリカのニカラグア反政府勢力支援とウクライナ戦争

    先日、朝日新聞は、中国の3隻目となる空母「福建」が進水し、自衛隊関係者が「極めて大きな脅威だ」と危機感を募らせているということを報じました。であれば日本は、ロシアがNATO(北大西洋条約機構)の拡大やNATO諸国の軍事演習、またウクライナへの武器の配備に、脅威を感じ危機感を募らせていたことを理解し、対応すべきだったのではないでしょうか。ロシアが、ウクライナとの国境付近に軍部隊や戦車などを終結させている時に、なぜ、話し合いを求め、侵攻を食い止める努力をしなかったのでしょうか。また、4月22日、アメリカの国家安全保障会議インド・太平洋調整官のキャンベル氏は、南太平洋の島国ソロモン諸島を訪れ、ソガバレ首相に対し、”ソロモンと中国が署名した安全保障協定について、中国軍がソロモンに常駐した場合は、対抗措置を取ると警...アメリカのニカラグア反政府勢力支援とウクライナ戦争

  • ロシアの軍事的敗北による問題解決を期待してるのですか?

    6月15日朝日新聞「時事小言」に、東京大名誉教授の政治学者・藤原帰一氏が、下記のようなことを書いています。”・・・東部地域に主力を集めたロシア軍は開戦時の劣勢をはね返し、ルハンスク州を制圧する勢いだ。短期戦による戦勝に失敗したロシアは、戦争の長期化を想定した巻き返しに転じ、成果を上げようとしている。だがウクライナが負けたわけではない。そもそもロシアは戦争の行方を定めるような戦果はまだ手にしていない。時間が経過すれば北大西洋条約機構(NATO)諸国の提供する高性能兵器によってウクライナがロシア軍に対して優位となることも期待できるだけに、侵略者への屈服ではなく侵略に持ちこたえることがウクライナ側の目標になるだろう。将来の戦況が有利だと双方が考えるとき、戦争終結の展望はない。今後ドイツやフランスなどの諸国は欧州...ロシアの軍事的敗北による問題解決を期待してるのですか?

  • 死体で埋めつくされたブチャの通りの画像が訴えることは?

    ウクライナにおける「ブチャの虐殺」は、プーチン大統領を悪魔の如き侵略者とし、ウクライナ軍を支援することによって、ロシアを武力で屈服させようとする動きに、大きな力を与えたと思います。でも、ウクライナの政権転覆(マイダン革命)と同様、その「ブチャの虐殺」に関しても、kla.TVが、スイスのガンザー博士の主張をもとに、重大な疑問を投げかける動画を公開しています。先日、朝日新聞は、山口真一・国際大学GLOCOM准教授の、「偽・誤情報の速い拡散ファクトチェック充実へメディア連係急務」と題する文章を掲載しました。そのなかで、山口准教授は、”今年の2月、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した。いまだ終わりの見えない戦いの中、問題視されていることの一つに、偽・誤情報の拡散がある。日本語でもSNSを中心に様々な情報が広まって...死体で埋めつくされたブチャの通りの画像が訴えることは?

  • ガンザー博士が語るマイダン革命の真相とウクライナ戦争

    中国問題グローバル研究所所長で理学博士の遠藤誉・筑波大学名誉教授が、”スイスのガンザー博士が、ウクライナ戦争に関してアメリカが国際法違反をしていることを証明している。日本はこれを完全に無視し事実の半分の側面だけしか見ていない。戦争はこうして起こる。犠牲になるのは日本だ”と語っています。そのガンザー博士の主張を、スイスやドイツに本拠をおく独立系メディア、kla.TVが取り上げています。kla.TVは、世界中70か国以上の国々の2000人以上のボランティアスタッフによって運営されているということですが、やはり、こうした報道は、独立系メディアでないと難しいのだろうと考えさせられながら、ガンザー博士の主張を解説する動画を見ました。動画は、概略、下記のような内容でした。欧米や日本のような、かつて植民地支配で利益を得...ガンザー博士が語るマイダン革命の真相とウクライナ戦争

  • 真実を知らないのか、知らないふりか、それとも隠蔽しようということか

    私は、ウクライナで、武器を使って人が殺し合う戦争が続いていること、また、そのあおりで、エネルギー問題や食糧問題が、世界的規模で深刻になっていることが、納得できません。戦争も、制裁も直ちにやめてほしいと思います。だから、ロシアのウクライナ侵攻以上に、アメリカの対応に問題があると思います。国連憲章その他の法の精神に反していると思います。また、朝日新聞が、ロシアを「悪」とし、欧米日を「善」とするアメリカの戦略に乗って、ロシアを力で屈服させようとする記事を、連日掲載していることも、受け入れることができません。「世界はどこへウクライナ侵攻100日」欄に国末憲人氏が書いています。”…ロシアの支配下の停戦は、犠牲を重ねる結果となりかねない。加えて、ロシアとの安易な妥協は戦略戦争の容認であり、国際秩序の崩壊を招く恐れが否...真実を知らないのか、知らないふりか、それとも隠蔽しようということか

  • プロパガンダ、プーチンの演説とオリバー・ストーンの主張

    バイデン大統領が、”ウクライナはロシアに領土を渡さなくてはいけないかもしれない(BidensaysUkrainemighthavetogiveRussialandin'negotiatedsettlement’)”と発言したことを、アメリカの日刊タブロイド紙「ニューヨーク・ポスト」が報じました。先日の朝日新聞には、バイデン大統領が、”ロシアに苦痛を与えるためだけに戦争を長引かせることはしない”と明言したという記事や、”停戦交渉か対決か割れる欧州”と題した記事、また、”ロシア軍はウクライナ東部で、ゆっくりながらじわじわと前進している。軍事の専門家たちは、長く続く消耗戦を口にし始めている。こうした中、ウクライナ支援で連帯してきた西側諸国の一致団結に、ひびが入りつつあるのだろうか。”という記事が出ていました。何...プロパガンダ、プーチンの演説とオリバー・ストーンの主張

  • プロパガンダ

    先日、衆議院予算委員会の集中審議で、れいわ新選組の大石晃子議員が、岸田総理を「鬼」などとののしり、委員長に注意されたという報道がありました。ののしった言葉のなかに、「資本家の犬」という言葉もあったようですが、これは多くの国で見られる政権与党の共通の問題なのではないかと思います。共産主義革命や民族解放闘争によって生まれた国家でない限り、政権与党の政治家は、ほとんどの国で資本家や経営者の求める政策を掲げ、資本家や経営者はそうした政策を掲げる政治家を支援するという「持ちつ持たれつの関係」にあるということです。その結果、世界中で経済格差が拡大し、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンにマイクロソフトを加えたアメリカのGAFAM、5社の時価総額がおよそ560兆円に達し、東証1部約2170社の合計を上回わるとい...プロパガンダ

  • 報道の歪み

    最近、ロシアの沿海地方の議会で、野党・共産党のレオニード・ワシュケービッチ議員が、議案審議中に発言を求め、ロシア軍のウクライナ侵攻について、”軍事的手段での成功はあり得ない。作戦を続ければ、軍人の死者や負傷者が増えるのは避けられない”と訴えたという報道がありました(プーチン大統領の政権与党は統一ロシア)。また、”軍事作戦をやめなければ、孤児がさらに増える。国に大きく貢献できたはずの若者たちが軍事作戦(への参加)によって体が不自由になった”と指摘し、「軍の即時撤退」を要求したといいます。そういう考え方は、きっと広く存在すると思います。だから、時々表に出てくるのだと思います。先だっては、ロシア国営放送生放送中に、キャスターの後ろで「NOWAR(戦争反対)」「プロパガンダを信じないで」と書かれた紙を掲げた女性(マリー...報道の歪み

  • 湾岸戦争の真相

    ノーム・チョムスキーの「メディア・コントロール正義なき民主主義と国際社会」鈴木主税訳(集英社新書)の、下記のような文章を読むと、ウクライナ戦争に関わる欧米日の現状は、湾岸戦争当時の状況と同じような気がします。湾岸戦争当時、イラク人民主主義者の声が封じられたのと同じように、今、ウクライナ戦争に反対し、停戦を求める人々の声が、ほとんど封じられているように思うのです。そして、ウクライナ戦争に関わる重要な情報が、きわめて巧みにコントロールされ、事が進んでいるように思います。前稿で取り上げましたが、十年近く前に、チョムスキーは、NATOの存在について重大な指摘をしていました。ベルリンの壁が崩れ、ロシアの脅威がなくなっても、NATOを解体せず、逆に拡大したのは、”米国の政策立案者たちはヨーロッパが当時の言い方で第三勢力にな...湾岸戦争の真相

  • 平和的、自主的外交

    知らないのか、知らないふりか、それとも意図的に隠蔽しようということか。朝日新聞の「考/論」欄に、バイデン大統領の日韓訪問に関して、梨花女子大の朴元坤(パクウォンゴン)教授の下記の指摘が出ていました。見逃すことのできない重要な指摘であると思います。”韓国と日本を訪れる米バイデン大統領の目的は、中国への牽制にほかならない。米国にも投資している韓国のサムスン電子の半導体工場への視察は象徴的だ。新たに発足する米国主導の「インド太平洋経済枠組(IPEF)」において第一の問題は(部品などの)供給網の再編だ。韓国の半導体が組み込まれれば、中国も困ることになる。一方、韓国の尹錫悦政権は米国と行動を共にしていく考えだが、米中の対立が他国に「選択」を強いている現状がある。IPEFも参加すれば中国の反発を受けるが、参加しなければ...平和的、自主的外交

  • ウウライナ戦争、アメリカによる「メディア・コントロール」を考える

    知らないのか、知らないふりか、それとも意図的に隠蔽しようということか。朝日新聞、「日曜に想う」欄に、ヨーロッパ総局長・国末慶人氏の文章があり、はじめて、今までにない情報に接しました。首都キーウ(キエフ)の北約80キロの田舎町、イワンキウからのものでした。侵攻翌日にミサイル攻撃を受け、住宅街に大穴が開いており、半壊した住宅で主婦タチアナ・オサチャさんが語ったといいます。”占領中のロシアの兵は怖かったけど、何もしなかった。子どもたちにクッキーをくれた”と。また、もう一つの半壊住宅のイワン・ダリニチェンコさんも、”戦闘はあったが、暴力はなかったね”と。やはり、ロシア兵もさまざまなのだと思います。でも、今まで見聞きしたメディアの報道は、「ロシア兵は残虐」というようなものばかりでした。そういう情報ばかりが伝えられてきたと...ウウライナ戦争、アメリカによる「メディア・コントロール」を考える

  • ウクライナ戦争、話し合いをしない理由は?

    知らないのか、知らないふりか、それとも意図的に隠蔽しようということか。ウクライナ国防省のブダノフ情報局長が、ウクライナ戦争について、”ターニングポイントは8月後半になります。年内にはロシア軍との戦闘の大部分が終結する。その結果、ロシアの政治情勢がすべて変わります”などと述べたことが伝えられています。また、”プーチン大統領は精神的、肉体的に非常に悪い状態にあると分かります。彼は重い病気です。同様に様々な病気を患っていて、そのひとつが、がんです”などと語ったと言われています。さらに、ウクライナ国防省の諜報部門トップ、ブダノフ准将が、プーチン大統領に対する”クーデター計画”が進行しているとの見方を示し、それが、ウクライナに侵攻したロシア軍の劣勢が引き金になっていると分析するとともに、”計画は止められない”状況にあると...ウクライナ戦争、話し合いをしない理由は?

  • アメリカのやりたい放題

    知らないのか、知らないふりか、それとも意図的に隠蔽しようということか。最近、新聞を読むと悲しくなります。先日の朝日新聞「社説」には”演説でプーチン氏は、侵攻の正当化に終始した。ウクライナによる核開発といった根拠のない脅威論を並べ、「先制攻撃するしかなかった」と述べた。念頭にある主敵は、米国であることも言明した。米国に抗して「独自の価値観」を守るという主張には、欧米流の民主主義を拒み、自らの強権統治を貫く決意があるのだろう。「世界大戦の惨禍を繰り返させない」。プーチン氏のそんな誓いは空虚に響く。この記念日に向けて、核戦力による脅しを強めたことは国際安全保障への挑戦というべきだ。”などとありました。NATO東方拡大も度重なる軍事訓練も、ウクライナへの武器の配備も、バイデン親子のウクライナ政権や企業との関わりも、すべ...アメリカのやりたい放題

  • 「アラブの春」のチョムスキーの考察とウクライナ戦争

    知らないのか、知らないふりか、それとも意図的に隠蔽しようということか。先だって、ウクライナのゼレンスキー大統領が、演説で、”ロシアの侵略はウクライナだけにとどまらず、欧州全域が標的だと指摘、西側諸国にロシア産エネルギーの完全輸入禁止とウクライナへの武器供与拡大を求めた”と述べたという報道記事を取り上げました。その内容が、ロシアを屈服させ、弱体化させようとするバイデン政権の方針をそのものだと思ったからでした。また、ウクライナのポドリャク大統領府顧問が”東部でロシアが敗北するまでロシアとの首脳会談は行われない”と述べたという記事も、取り上げました。ミンスク合意をもとに、話し合いで解決しようとしてはいないと思ったからでした。それは、ウクライナを支えるアメリカが、自らの利益のためには戦争することを厭わない国であることを...「アラブの春」のチョムスキーの考察とウクライナ戦争

  • 自らの都合で、他国の政権を転覆してきたのは?

    知らないのか、知らないふりか、それとも意図的に隠蔽しようということか私は、ずっと朝日新聞を読んできました。教えられることや考えさせられることが多くありました。でも、ウクライナ戦争の報道に関する限り、朝日新聞も明らかにおかしいと思います。もちろんそれは朝日新聞だけではないのですが、ロシアのウクライナ侵攻を非難するだけで、武力衝突を避けて、問題を解決しようとする姿勢がほとんどないように思います。また、毎日毎日、戦争当事国のウクライナやアメリカ側の情報をそのまま事実として報道し、ロシア側の情報は極めて断片的に、疑いの眼差しをもって報じています。それが結果として、ロシアは悪、ウクライナ軍の支援は当然というアメリカ支持の流れに乗っているように思います。先日、”「虐殺したのは」元大使が自説”と題する記事が掲載されました。そ...自らの都合で、他国の政権を転覆してきたのは?

  • チョムスキーが語るウクライナ戦争の真相と西側諸国の偏向報道

    朝日新聞社説「余滴」に古谷浩一氏が、下記のような文章を書いています。私は残念でなりません。なぜ、ウクライナ軍を支援して、ロシアを屈服させようとするアメリカを後押しするようなことを書くのか、と残念に思うのです。本来メディアには、なぜ停戦協議が進まないのかを追究し、話し合いによって決着させることができるように、世論を喚起する責任があるのではないでしょうか。”時代遅れだと言われてしまいそうだが、私はジョン・F・ケネディの言葉が好きで、いろいろな原稿に引用してきた。今回のウクライナ戦争で頭に浮かんだのも、キューバ危機で語られた「われわれの目標は、力の勝利ではなく、正義の擁護である」との一言だった。プーチン大統領にも彼なりの正義があるだろうが、核で脅して他国を侵略し、多くの市民を殺害したロシアの暴力を、歴史は正義と認めま...チョムスキーが語るウクライナ戦争の真相と西側諸国の偏向報道

  • 北方領土問題、ダレスの「脅し」とウクライナ戦争

    先週、アメリカ米国家安全保障会議(NSC)でアジア政策を統括するキャンベル・インド太平洋調整官がソロモン諸島のソガバレ首相と会談したことが報じられました。ソロモンと中国が署名した安全保障協定について、アメリカの懸念を伝えるためでした。そして、中国軍がソロモンに常駐した場合は対抗措置を取ると警告したといいます。この訪問に、クリテンブリンク米国務次官補や米インド・太平洋軍スクレンカ副司令官も同行したということに、アメリカが相当の覚悟をもって臨んだことが窺われると思います。だから警告は、ソガバレ首相にとって、事実上「脅し」に等しいものだったのではないかと思います。逆に、ロシアがNATOの東方拡大やウクライナのNATO加盟に懸念を示し、軍事訓練や武器の配備に抵抗しても、アメリカは受けつけず、戦争に至りました。そして、バ...北方領土問題、ダレスの「脅し」とウクライナ戦争

  • ウクライナ戦争とイラク戦争 2

    4月25日付朝日新聞朝刊の一面に、「米二長官キーウ訪問へ」と題する記事があり、その中に、ゼレンスキー大統領の、下記のような言葉が出ていました。その言葉には、日本兵に玉砕戦や特攻戦を強いた司令官と同じような人命軽視を感じます。”手ぶらでウクライナ訪問はできない。ケーキやスイーツの土産も求めていない。欲しいのは武器”また、モスクワを訪問する国連のグレーテス事務総長に対し、”ウクライナとロシアの関係でバランスをとることなどするべきでないし、できないと(グレーテス氏に)既に伝えた。領土に侵攻を受けているのはウクライナであり、事務総長から100%の支持を期待する”さらに、記者から「市民を守るために降伏するべきだ」と主張する人に何を言いたいかと問われて、”ウクライナ人は降伏しない。これは単なる口先の言葉ではなく我々が日々証...ウクライナ戦争とイラク戦争2

  • ウクライナ戦争とイラク戦争、その扱いのあまりの違いに驚く

    日本は、すっかり武力主義、制裁主義の国に変わってしまったのでしょうか?朝日新聞も、このところ、すっかり世の流れ迎合しているように思えます。下記のような考え方が、国連憲章や日本国憲法から出てくるでしょうか。私は、武器その他の供与も、日々強化されているロシアに対する制裁も、力によって相手を屈服させようとするもので、平和的な紛争解決の方法とは言えないと思います。恐ろしい考え方だと思います。対話もう打切るべき時(元仏大使ミシェル・デュクロ氏)”・・・米国の核抑止力を欧州で維持してもらいたいなら、欧州は(米国が重視する)インド太平洋地域で、たとえ、象徴的な役割に過ぎないとしても、米国とともに血を流すことができると示さなければならない。”ジェノサイドの「意図」明確(ユージーン・フィンケル・米ジョンズポプキンス大準教授)”・...ウクライナ戦争とイラク戦争、その扱いのあまりの違いに驚く

  • ユネスコ憲章・国連憲章とウクライナ戦争

    戦時中、塗炭の苦しみを味わった父母から、「戦争だけは絶対にしてはいけない」「戦争は最悪だ」と、しばしば聞いて育った私は、ウクライナの戦争報道に、日々つらい思いをしています。その一つは、もちろん戦場から伝えられる悲惨な映像や訴えです。でも、それだけではないのです。その悲惨な映像や訴えが、平和的な手段に基づく解決の取り組みに結びつけられず、ウクライナ軍を支援して、ウクライナに侵攻したロシアを打ち負かそうとする、軍事的勝利の方向に結びつけられていることがつらいのです。先日、政府がウクライナへの追加支援で、自衛隊が保有するドローンと化学兵器対応の防護マスク、防護衣の供与を決めたことが報じらました。すでに供与されたというヘルメットや防弾チョッキも、戦争を止めるためのものではない、と私は思います。戦争の一方の当事国に、そう...ユネスコ憲章・国連憲章とウクライナ戦争

  • ウクライナ戦争、ロシアの立場を考える(河瀬監督の東大入学式祝辞やコンチャロフスキー監督の言葉を踏まえて)

    先日の朝日新聞に、東大入学式における映画監督・河瀨直美さんの、祝辞が取り上げられていました。祝辞の中の言葉、「自らの中に自制心を持って」を題とし、下記のように簡単にまとめられたものでした。”来賓の映画監督、河瀨直美さんは祝辞でウクライナ侵攻に言及。「ロシアを悪者にすることは簡単」としたうえで、「なぜこのようなことが起こっているのか。一方的な側からの意見に左右されてものの本質を見誤ってはいないか。誤解を恐れずに言うと『悪』を存在させることで私は安心していないか」と述べた。そのうえで「自分たちの国がどこかの国に侵攻する可能性があるということを自覚しておく必要がある。そうすることで自らの中に自制心を持って、それを拒否することを選択したい」と語りかけた。”私は、ウクライナの戦争で、公平な判断がとてもできないようなアメリ...ウクライナ戦争、ロシアの立場を考える(河瀬監督の東大入学式祝辞やコンチャロフスキー監督の言葉を踏まえて)

  • ウクライナ戦争とベトナム戦争

    ウクライナのゼレンスキー大統領は9日演説し、「ロシアの侵略はウクライナだけにとどまらず、欧州全域が標的だと指摘、西側諸国にロシア産エネルギーの完全輸入禁止とウクライナへの武器供与拡大を求めた」[キーウ・10日・ロイター]といいます。でも、”欧州全域が標的だ”という根拠は何も示されていません。私は、根拠のない妄言だろうと思います。また、ゼレンスキー大統領は「厳しい戦いになるだろう。われわれがこの戦いに勝つと信じている。戦うと同時に、この戦争を終結させるため、外交的な手段も模索する用意がある」と述べたともいいます。でも、その外交的な手段を模索しようとする具体的な論述はありません。ロシアが屈服するまで、戦争を続けるつもりなのではないかと思います。それは、ウクライナ側の交渉官であるポドリャク大統領府顧問が「東部でロシア...ウクライナ戦争とベトナム戦争

  • ウクライナでの戦争 素朴な疑問にこたえてほしい

    私は、ウクライナでの戦争が一日も早く停戦に至るように願う一人として、この戦争について、自分なりに公平な判断をしたいと思っているのですが、ロシアからの情報が圧倒的に不足していて、判断ができません。そこで、すでに書いたことも含めて、いくつか疑問に思うことを列挙したいと思いました。こたえていただけるとありがたいです。1、ウクライナのゼレンスキー大統領が語りかける映像は、日々更新され、字幕付きで報道されているのに、ロシアのプーチン大統領が語りかける映像は、字幕がなく、何を語っているのかわからない古い映像が、くり返し流されています。なぜでしょうか。私は、公平ではないと思います。2、最近、プーチン大統領の支持率が83%であるという報道を見ました。また、「プーチン大統領は真の愛国者だ」と語っている男性の映像を見ました。でも、...ウクライナでの戦争素朴な疑問にこたえてほしい

  • ゼレンスキー大統領、アメリカの意図を代弁?

    先日、死体が散乱するウクライナの惨状を中継していると思われる動画で、死体の脇を通り過ぎた車のサイドミラーに、その後、その死体が動いた様子が映り、「動いた」ということばが発せられたのを聞きました。情報戦では、そういうこともあり得るのかと愕然としました。であれば、破壊された住居の前で、泣き叫ぶ女性の映像も、もしかしたら、演技であるかもしれないと疑う必要がある、と思い知らされました。きちんと確認されるまで、何も信用できないように感じました。だから、やっぱり相互に情報を共有する方法を考え、話し合いによる平和的な解決を目指す必要があると思います。でも、ゼレンスキー大統領は、7日の国連安全保障理事会でオンライン演説を行い、ブチャの惨状をかたりつつ、それが、「第2次世界大戦以来、最も凶悪な戦争犯罪だ」とロシア非難するとともに...ゼレンスキー大統領、アメリカの意図を代弁?

  • ウクライナ戦争、アメリカの意図と戦略 

    私は、ロシア侵攻後のウクライナに関わる日本の報道に問題があるように思っています。アメリカおよびウクライナからもたらされる情報は、検証することなくそのまま事実として報道し、逆に、ロシア側からもたらされる情報は、常に疑わしいものであるかのように扱っているように思うのです。最近、バイデン大統領は、ロシアのプーチン大統領が自ら孤立化し、顧問の一部を処分していることを示す情報があると明らかにしたり、プーチン大統領が、一部の顧問を自宅軟禁下に置いている可能性もあると述べたり、プーチン大統領のまわりにいる人たちが、大統領が恐くて何も言えないようだ、と言ったりしています。でも、それはプーチン大統領を孤立化させ、ロシアの弱体化を意図するための印象操作ではないかと思います。だから、そうした発言を検証することなく、そのまま報道するこ...ウクライナ戦争、アメリカの意図と戦略

  • ウクライナの戦争の背景と格差問題

    3月31日付朝日新聞で、また、気になる記事を見つけました。”賃金「年齢よりも職務で」”という記事です。年齢が上がるにしたがって給料の増える「年功序列型賃金」ではなく、職務に応じて賃金を決める「ジョブ型雇用」にしようという動きがあるというのです。私は、これは間違いなく、中間層をさらに衰退させ、格差の拡大をもたらす「働き方改革」であると思います。私は、小泉内閣の「働き方の構造改革」を思い出しました。竹中平蔵氏がメディアに盛んに登場し、「働き方の構造改革」を主張していたのです。そして、「新しい時代にふさわしい働き方が求められているのです」とか「いろいろな働き方ができるようにするのです」などといって、働き方の構造改革を強引に進めたのです。もちろん、いろいろな働き方ができるということを歓迎した人もいたと思いますが、その「...ウクライナの戦争の背景と格差問題

  • ウクライナ戦争の背景と人類の危機を乗り越えるシステムの確立

    バイデン大統領は、欧州訪問を締めくくる演説で、また、激しいプーチン大統領非難をくり返したようです。そして、「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」と言い放った言葉は、さすがにアメリカ側も、政権転覆の意図を表明したとされることを恐れて、ブリンケン国務長官が「吾々はロシアを体制転換させる戦略はもっていない」と釈明したようです。でも、「非難されるべきはウラジミール・プーチンだ」と言い、プーチン大統領を「虐殺者」、「真の悪党」「戦争犯罪人」「人殺しの独裁者」などいう言葉で、非難し続けてきたバイデン大統領の本心、また、アメリカ政府の本心は、政権転覆によって、ロシアを弱体化したり、アメリカに敵対しない政権にしようという意図があるのではないか、と私は疑います。なぜ、バイデン大統領が、各国の大統領や首相と個別に電話会談を...ウクライナ戦争の背景と人類の危機を乗り越えるシステムの確立

  • ウクライナの戦争は、本当は米ロの戦争?

    朝日新聞の「私の視点」に、ウクライナのキエフとドニプロで、国内避難民人道支援のために働いた元国連難民高等弁務官事務所職員、千田悦子氏の文章が出ていました。ロシア非難、プーチン非難一色のような欧米日に、警鐘を鳴らすものではないかと思いました。千田氏によると、ソ連崩壊以降、ロシアはNATO(北大西洋条約機構)拡大を防ぐために、モルドバやジョウジアに緩衝地帯を設けたといいます。ロシアのクリミア併合は、そうした流れに沿うものであるともいいます。2014年以降、ウクライナのルガンスク・ドネツク2州を併せたドンバス地域では、親露派によるロケット弾発射や発砲と、迎え撃つウクライナ軍の砲撃戦で、家や学校、病院、公共施設等が破壊されたということです。砲弾の音を聞きながら仕事をする日もあったという千田氏は、”日本はウクライナ難民の...ウクライナの戦争は、本当は米ロの戦争?

  • ウクライナの被害拡大を防ぐために

    3月23日、国会議員が見守る中、ウクライナのゼレンスキー大統領が、およそ12分間、画面越しに演説をしました。そして、その内容が公表されています。ゼレンスキー大統領の「ありがとう。ウクライナに栄光あれ、日本に栄光あれ」の終わりの言葉と同時に、国会議員は皆、起立して拍手を送っているように見えました。でも、私は、その演説内容に不満です。ウクライナの悲惨な実態はわかります。だから、ロシアの理不尽なウクライナ侵攻を非難するのも当然だと思います。一日も早く平和を回復したいという思いで、いろいろな事実を取り上げていたことも理解できます。ただ、私は、いかにして平和を回復しようとするのかという道筋が示されなかったことに不満なのです。ゼレンスキー大統領は、”これからも戦争をしたいという侵略者に対して、非常に強い注意が必要です。「平...ウクライナの被害拡大を防ぐために

  • 100%ロシアが悪で、アメリカ・ウクライナが善か

    先日のニュースのなかに、破壊された住居の前で、”戦争を止めて下さい”と泣き叫んでいる老女の映像がありました。私は、それが多くのウクライナ国民の気持だろうと思います。だから、それを最優先させて、話し合ってほしいと思います。ロシアと戦争をしても、NATOに加盟すべきだと考えている人は多くないのではないかと思います。でも、アメリカはウクライナに武器を供与し、あらゆる支援を約束して、ウクライナに非武装・中立の道ではなく、ロシアとの戦争を選択させたのではないかと思います。バイデン大統領は、プーチンを戦争犯罪人呼ばわりし、100%悪で、ゼレンスキー大統領が善であるかのような主張を続けているようですが、私にはとてもそうは思えません。話し合う余地があると思います。ロシアのウクライナ侵攻以来、毎日、あらゆるメディアが、ウクライナ...100%ロシアが悪で、アメリカ・ウクライナが善か

  • 明治維新、徳川慶喜の回想と会津、+ウクライナの戦争

    薩長を中心とする尊王攘夷急進派は、会津藩が恭順の意志を示し、”…宸襟を悩まし奉ったことは申し上げる言葉もなく、この上、城中に安居仕っては恐れ入ることであり、城外へ屏居(ヘイキョ)致し、ご沙汰を待つことに致した。何卒寛大のご沙汰を下されたく、家臣あげて嘆願致し、幾重にも厚くおくみ取りくださるよう嘆願仕る”というような会津嘆願書を差し出したにもかかわらず、それを受けつけず攻撃を続け、戦争終結後も、徹底的に差別し、いじめ抜きました。本来、徳川慶喜が江戸城を新政府に明け渡し、寛永寺で閉居を開始した時点で、幕府と討幕派の戦いは終わっているのだと思います。でも、そういう流れにならなかったので、奥州や羽州の諸藩は、京都を守った会津藩と江戸を守った庄内藩に同情し、会津や庄内を助けるために奥羽越列藩同盟を結成したということです。...明治維新、徳川慶喜の回想と会津、+ウクライナの戦争

  • 明治維新、会津は「朝敵」ではなく「長敵」

    とうとうウクライナで戦争が始まってしまいました。ロシアのウクライナ侵攻は非難されて当然だと思います。声をあげるべきだと思います。でも、私は、ロシアのウクライナ侵攻に反対することは、ウクライナに武器を供与したり、ロシアをあらゆる国際組織から排除したり、厳しい経済制裁を課したりすることとはイコールではないように思います。そこが曖昧なまま事態が深刻化していくようで心配しています。毎日のようにプーチン大統領の険しい顔、怖い目つき、怒りに満ちたしゃべり方を映像で見せられていますが、プーチン大統領を怒らせているのは何なのかをしっかり受けとめ、事態の悪化を、何とか防いでほしいと思います。プーチン大統領は、NATOの東方拡大を自国の命運がかかった重大問題だと訴えているようです。そして、1990年のドイツ統一交渉の過程で、欧米は...明治維新、会津は「朝敵」ではなく「長敵」

  • 偽勅、朝敵、毒殺と尊王攘夷急進派

    『会津藩はなぜ「朝敵」か幕末維新史最大の謎』星亮一(KKベスセラーズ)にも、薩長史観に基づいているといえる日本の歴史教科書では取り上げられていない様々な事実が書かれています。そしてそれは、著者の単なる憶測や思い込みではなく、多くの歴史学者や歴史家の研究の積み重ねに基づいて書かれていることが明らかです。京都が、長州を中心とする尊王攘夷急進派のテロによって荒らされていた1862年(文久二年)、藩兵およそ八百人とともに、京都東山の山麓に本陣を置いたのは、幕府から「京都守護職」に任ぜられた松平容保を中心とする会津藩でした。でも容保は病弱で、禁門の変の直前には寝込んでおり、会津の医師団や幕府の侍医に看病されるような状態でした。そんな容保を心配した孝明天皇は、「朕が最も信頼するのは容保である」というような「御宸翰」を、一度...偽勅、朝敵、毒殺と尊王攘夷急進派

  • 津田左右吉「明治維新の研究」王政の復古は、”実現せられず、また実現し得られることでもなかった”

    前稿で、尊王攘夷急進派を主導し、明治の元勲された木戸、大久保、岩倉らが、当時のヨーロッパにおける「民権論」を受け入れようとしなかったことを、津田左右吉の「明治維新の研究」で、確認しました。彼らは、国王が、国家統治の実権をもたないイギリスなどの制度は”学ぶべからず”とし、天皇を現人神(現御神)として、”天皇自ら政治の実務を執られることが国体の精神である”としたのです。そして、王政復古の目標であった「天皇親政」を装い、「大日本帝国憲法」や「軍人勅諭」、「教育勅語」などを発布するとともに、諸制度を整えて、自らに都合のよい国家主義的な日本を確立したということです。しかしながら、国王や天皇の”御一存”で、国家統治ができるものではないことは、津田左右吉のいう通りだと思います。そして何より、現実に、明治維新以後の日本の政治は...津田左右吉「明治維新の研究」王政の復古は、”実現せられず、また実現し得られることでもなかった”

  • 津田左右吉は、「明治維新の研究」 木戸、大久保、岩倉の立憲政体に関する意見

    津田左右吉は、「明治維新の研究」(毎日ワンズ)の、”はじめに──明治維新史の取扱いについて”で、”維新の変革は民衆の要望から出たことではなく、民衆の力なり行動なりによって実現せられたものでもなく、また民衆を背景にしたり基礎にしたりして行なわれたものでもない。一般の反幕府的空気が背景とも地盤ともなってはいるが、当面のしごとは、主として雄藩の諸侯の家臣のしわざであり、そうしてすべてが朝廷の政令の形において行なわれた。”と書いています。私自身は、津田左右吉のいう、この”雄藩の諸侯の家臣”を、当初から”尊王攘夷急進派”としていろいろ書いてきたように思います。今回は、同書の「第六章明治憲法の成立まで」のなかの、”キド、オオクボ、イワクラ、三人の立憲政体に関する意見”に関する文章の一部を抜萃しましたが、尊王攘夷急進派を主導...津田左右吉は、「明治維新の研究」木戸、大久保、岩倉の立憲政体に関する意見

  • 津田左右吉「明治維新の研究」、討幕の密勅は”真偽是非を転倒したもの”

    津田左右吉は、「明治維新の研究」において、1861年(文久元年)頃からの、薩長の策謀と討幕に至る経過をいろいろな角度から明らかにしていますが、それによると、薩長のかかげた「尊王」も、「攘夷」も、幕府を倒すための手段であり、口実であったことがよくわかります。またそれは、”彼らの幕府に対する憎悪の念から生れ出た”ものだとも指摘していますが、薩長が関が原の怨念を引きずっていたという話もあり、頷けます。だから、彼らが”幕府及びケイキ(徳川慶喜)を烈(ハゲ)しく非難し”、”そのいうところは甚だしく事実に背いたものであり、空漠たる方言に過ぎないものであったが、語調は極めて矯激であった。”ということなのだと思います。また、1862年(文久2年)の7月頃から、京都を中心に、尊王攘夷急進派による「テロの嵐」が吹き荒れたというこ...津田左右吉「明治維新の研究」、討幕の密勅は”真偽是非を転倒したもの”

  • 津田左右吉「明治維新の研究」孝明天皇は、”王政復古を欲せられなかった”

    私は、現在の日本の歴史教育には問題があると思っています。特に近現代の歴史、すなわち明治維新からアジア太平洋戦に至る歴史が、一部の勢力によって、歪められていると思うのです。学校で日本の歴史を学んだ人たちは、薩摩藩が1863年(文久3年)、イギリス艦隊と戦った薩英戦争で敗北し、また、1864年(元治元年)、長州藩が、イギリス、フランス、アメリカ、オランダの四国連合艦隊を砲撃した下関戦争で敗北し、欧米の軍事力を実感していたにもかかわらず、薩長が「攘夷」をかかげて幕府を倒したことを、そして権力を手にするや、直ぐに幕府の政策を引き継いで開国に転じたことを納得できているでしょうか。すでに、開国政策を進めていた幕府が「大政奉還」をし、諸侯会議で話し合いが進んでいたにもかかわらず、その諸侯会議の話合いを無視して、討幕の密勅(偽...津田左右吉「明治維新の研究」孝明天皇は、”王政復古を欲せられなかった”

  • 津田左右吉「明治維新の研究」 ”人を殺しても世を欺しても幕府を倒すためには… ”

    津田左右吉は「明治維新の研究」(毎日ワンズ)で、明治維新が、”種々の陰険なる権謀術数を弄することにより、または暴力をもって治安を撹乱することによって、断えず幕府の新国策の実行を妨害し”て、なされたものであることを明らかにしています。また、”維新の変革は民衆の要望から出たものではなく、民衆の力なり行動なりによって実現せられたものでもなく、また民衆を背景にしたり基礎にしたりして行われたものでもない。一般の反幕府的空気が背景とも地盤ともなってはいるが、当面のしごとは、主として雄藩の諸侯の家臣のしわざであり、そうしてすべてが朝廷の政令の形において行われた。そこでこの朝政の主動者となっていたものが、皇室をどいう風に盛り立ててゆこうとしたか、ということが、この朝政の性質を知るについて大切な問題となる”と、明治維新以降の日本...津田左右吉「明治維新の研究」”人を殺しても世を欺しても幕府を倒すためには…”

  • 倒幕の理由を示せない歴史教育

    津田左右吉は「明治維新の研究」(毎日ワンズ)の”はじめに──明治維新史の取扱いについて”で、”今日では維新を一種の社会革命と見なす考え方があって、それが明らかな事実のように思われているらしいが、こういう見方が正しいかどうかは、後にいうところによっておのずからわかろう”と自らの著書の内容を暗示しています。私は、「明治時代」は、確かに、それまでの封建的な幕藩体制を改め、私たちが暮らす「現代」の礎を築いた時代であるとは思います。現代の私たちにとって当たり前の「制度」や「生活」の多くは、明治時代から始まっているからです。でも、それを明治の元勲の功績によるとして、明治の時代を高く評価する一般的な歴史認識は誤りであると、私は思います。津田左右吉が、下記に明らかにしているように、幕府は「新国策」を定め、「開国」をはじめとする...倒幕の理由を示せない歴史教育

  • 天皇と天皇機関説と”天皇=現人神”信仰

    下記の文(「昭和天皇ご自身による「天皇論」半藤一利(講談社)より抜萃)にあるように、天皇は、「憲法学説として機関説は少しも不都合がないではないか」という考えでいました。でも、当時の政権は、議会の役割を重視した美濃部達吉の天皇機関説を受け入れることはありませんでした。逆に、美濃部を不敬罪の疑いにより取り調べるとともに、美濃部の著書を出版法違反として発禁処分にしたのです。そして、軍事的緊張の高まりとともに、統帥権の独立を主張し、議会の統制を受けない軍部が徐々に前面に出て来るようになると、天皇は、自らの思いと離れて行く日本の政治に様々な不満を抱き、それを周囲にもらしています。こうした憲法を遵守しようとする天皇に対して、当時の本庄武官長は、「恐れながら、軍においては陛下を現人神として信仰申上げております。これを機関説に...天皇と天皇機関説と”天皇=現人神”信仰

  • 玉座を以て胸壁となし、詔勅を以て弾丸に代へて…

    下記は、第三次桂内閣の不信任決議案に関する尾崎行雄の第三十議会(大正二年ニ月五日)における主張全文です。桂太郎自伝の解説で、宇野俊一教授も取り上げていますが、尾崎は”彼等は玉座を以て胸壁(キョウヘキ=とりで)となし、詔勅を以て弾丸に代へて、政敵を倒さんとするものではないか”ときびしく桂首相を指弾したといいます。護憲をスローガンとした桂内閣不信任決議案提案当日は、多くの民衆が早朝から衆議院を取巻き、議場も開会前から異常な緊張状態にあったということです。この時、尾崎の立憲主義の主張を受け入れていれば、日本は統帥権独立を盾にした軍部の暴走による戦争の大きな犠牲を払うことはなかったと思います。だから私は、王政復古のクーデターによって、日本を”大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス”という天皇制国家にしたことが、日本の敗戦...玉座を以て胸壁となし、詔勅を以て弾丸に代へて…

  • 統帥権の独立と薩長政権の策謀

    下記は、「木戸孝允文書二」日本史籍協会編(東京大学出版会)の「巻七慶応三年四十七品川弥二郎宛書簡慶応三年十一月二十二日」に書かれている文章です。私は、薩長など尊王攘夷急進派による明治維新との関わりで、この文章は、極めて重大だと思っています。これは、長州藩の木戸孝允が、同じ長州藩の品川弥二郎に宛てた書簡の文章ですが、尊王攘夷急進派の本音をうかがい知ることが出来る文章だと思うのです。それは「乱筆御免御熟読後御投火可然と奉存候」とあることからも察せられますが、熟読語は”火に投げて然(シカ)るべしと奉(タテマツ)り候(ソウロウ)”というのですから、他人に知られてはいけない内容であるということだと思います。次のような内容です。”…此度之御上京も兼て申承り候辺とは余程旁不平之次第に候呉々も御抜目なく御迫り立申も疎に御座候今...統帥権の独立と薩長政権の策謀

  • ”皇室ノ尊厳ヲ冒瀆スル”津田左右吉を、”禁固参月ニ処ス” NO2

    ”津田左右吉外一名に対する出版法違反事件”は、昭和十五年六月二十六日から、昭和十六年ニ月十八日まで、東京刑事地方裁判所において、二十九回にわたって予審が行われ、”本件ヲ東京刑事地方裁判所ノ公判ニ付ス”との決定で予審が終結し、その公判は、昭和十六年十一月一日から、翌年十七年一月十五日の結審まで、二十一回にわたって審理がつづいたといいます。津田はきちんと説明すればわかってもらえると考え、必死に努力したのでしょう、上申書4冊のほかに、自らの著書を中心に、膨大な参考資料を法廷に提出し、その説明は”委曲”を尽くしたものであったということです。にもかかわらず、東京刑事地方裁判所は、「国体の本義」などを根拠として、”畏クモ神武天皇ヨリ仲哀天皇ニ至ル御歴代ノ御存在ニ付疑惑ヲ抱カシムルノ虞アル構説ヲ敢テ”したという理由で、津田に...”皇室ノ尊厳ヲ冒瀆スル”津田左右吉を、”禁固参月ニ処ス”NO2

  • ”皇室ノ尊厳ヲ冒瀆スル”津田左右吉を”禁固参月ニ処ス”

    下記は、「現代史資料42思想統制」(みすず書房)から、”津田左右吉外一名に対する出版法違反事件”の裁判の予審終結決定に関する部分の一部を抜萃したものです。予審終結決定理由を読めば、津田左右吉の著書から、津田左右吉のいろいろな記紀に関する考察部分を長々とそのまま引用し、その内容の正否については、全く論ぜず、”皇室ノ尊厳ヲ冒瀆スル”ものであるとの理由だけで、「出版法違反」としていることがわかります。津田の研究は、天照大神が、”皇孫を降臨せしめられ、神勅を下し給うて君臣の大義を定め、我が国の祭祀と政治と教育との根本を確立し給うた”という神代史を問題とし、”皇室の尊厳”ということ自体の根拠を問うものであるにもかかわらず、その内容に立ち入らず、”皇室ノ尊厳ヲ冒瀆スル”として、「出版法違反」で、”禁固参月ニ処ス”というので...”皇室ノ尊厳ヲ冒瀆スル”津田左右吉を”禁固参月ニ処ス”

  • 「神道指令」はGHQの”誤解の産物”か?

    下記資料1は、1935年(昭和十年)一月二十四日、国体擁護聯合会が、各方面に発送した檄文です。また、資料2は、皇大日本社(スメラギオオヒノモトシャ)がニ月二十四日に頒布した宣伝はがきです。資料3は昭和義塾が発した檄文です。これらの資料で、当時の愛国団体が、天皇を現人神とする、明治維新以来の神話的国体観に基づいて、「天皇機関説」はもちろん、国際社会で一般的な民主主義や法治主義を唱える人達をも厳しく攻撃し、それらの”主唱者・支持者・保護者・追随者・盲従者等”を一掃しようと声を上げたことがわかります。そして、当時の軍や政権も一体となって、神道の神話的国体観に基づき、自由民権運動や大正デモクラシー等の流れを受け継ぐ考え方や諸外国の法や社会に関する科学的な考え方を否定し、抑え込んだのだと思います。その結果、日本は、天皇...「神道指令」はGHQの”誤解の産物”か?

  • 天皇機関説と神道

    天皇機関説で知られる美濃部達吉は東京帝国大学で一木喜徳郎の教えを受け、内務省の官吏となってからも、フランス、イギリス、ドイツへの国費留学を許されてヨーロッパの法学を学んでいます。その美濃部が、大日本帝国憲法の第一条で、”大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス”と定めている日本が、欧米諸国と同様の近代国家として国際社会に認められる国になるためには、天皇を国家の最高機関とする以外に道はないと考え、天皇機関説に至ったのだと思います。でも、天皇を現人神と信じ、日本を神国と考えている軍人や一部の政治家、また、右翼・愛国団体に結集する人たちは、天皇機関説を断固として糾弾しました。彼等にとっては、天皇機関説は単なる法律の問題ではなく、日本が現人神・天皇を戴く神国であるとする神道の信仰に関わる問題だったのだと思います。だから、著...天皇機関説と神道

  • 京大問題(滝川事件)、美濃部達吉の論評

    下記は、帝国大学新聞に二回にわたって掲載された、京大問題(滝川事件)に関する美濃部達吉の論評です。当時の文部省が、滝川教授の著書や講演内容に問題があるとして休職処分を強行したことを、丁寧にわかりやすく批判しています。文部省による滝川教授の休職処分が、くり返してはならない、不当な権力行使であったことがよくわかります。また垣藤恭は、京大法学部教授会の一人として、”・・・この回答において、文部当局は「学問の自由」に関する無理解をあらはにし、徒らにき弁を弄してゐるに過ぎず、しかも五月二十六日の滝川教授休職処分にいたるまで、何ら反省する所なく、自己の主張を押し通そうとした。かやうにして多年尊重され来つた大学の自治が破壊された以上、法学部全教授はその地位に留まつて職責を果たすことは到底不可能であるとの判断に到達し、辞表を呈...京大問題(滝川事件)、美濃部達吉の論評

  • 京大問題(滝川事件)に関する全学部学生代表者会議の訴えと日本国憲法押しつけ論

    「教科書が教えない歴史明治~昭和初期、日本の偉業」藤岡信勝/自由主義研究会(産経新聞社)から、いくつか気になる文章を取り上げ、私なりの考えを書いてきました。いろいろな執筆者が、受け入れ難い捉え方で、日本国憲法を貶めるような文章を書いていたからです。同書には、逆に明治憲法(大日本帝国憲法)を美化したり、高く評価したりする文章が掲載されています。そのテーマで、執筆者のおよその意図は察せられるのではないかと思います。いくつか上げると「大きな相違点がなかった政府と民権派」、「西洋の模倣ばかりはしなかった」、「古典に当り草案を練った井上毅」<政治的責任を負わないための「天皇は神聖不可侵」>「西欧諸国で高く評価された独自性」「行政権以外大きな差異はない新旧憲法」・・・私はこうしたテーマで文章を書いている人たちは、「日本を取...京大問題(滝川事件)に関する全学部学生代表者会議の訴えと日本国憲法押しつけ論

  • 自由主義史観研究会の人たちの憲法論

    「教科書が教えない歴史明治~昭和初期、日本の偉業」藤岡信勝/自由主義研究会(産経新聞社)の「日本国憲法」に関わる文章の最後は、藤岡信勝教授自身が、「奇妙な文章の九条二項」と題して書いています。下記の文章です。私には、自由主義史観研究会の憲法論にも、歴史認識同様受け入れ難いものがあるのですが、下記の文章についても、二つの問題点を指摘したいと思います。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー奇妙な文章の九条二項この「日本国憲法」シリーズを終えるにあたって、次の二つのことを確認しておきたいと思います。その第一は、日本国憲法の成立過程にたとえどのような問題があったろうと、日本人はそのもとで半世紀近い年月を過ごしてきた、という事実の重みです。この憲法のもとで日本人は経...自由主義史観研究会の人たちの憲法論

  • 日本国憲法のモデルとなった「憲法研究会案」

    「憲法研究会案」『憲法「押しつけ」論の幻』の著者、小西豊治氏によれば、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーの政治顧問として国務省から派遣されたアチソンが、1946年の年明け早々に、「ある私的な研究者集団」の憲法改正草案が出されていること、第一条「日本国ノ統治権ハ日本国民ヨリ発ス」をはじめ、その内容がきわめて注目すべきものであることを国務省に報告したといいますが、その「ある私的な研究者集団」の中心人物である法学者(憲法学者)・鈴木安蔵は、治安維持法違反(1925年)適用第一号事件としての「学連事件」に連座し、有罪となって京大を退学したということです。そして、出獄後も在野の研究者として憲法の歴史的研究に没頭し、「現代憲政の諸問題」でも、出版法違反に問われたといいます。その鈴木安蔵が中心となって作成した「憲法研究...日本国憲法のモデルとなった「憲法研究会案」

  • 「米国の”素人”が一週間で作った憲法」という暴論

    高乗正臣氏は、「明治~昭和初期日本の偉業教科書が教えない歴史」藤岡信勝・自由主義史観研究会(産経新聞社)に「米国の”素人”が一週間で作った憲法」と題して、下記のようなことを書いています。”1946年(昭和二十一年)ニ月四日十時、GHQの民政局二十五人は会議室に呼び集められた。全員を前にしてホイットニー局長は「これから一週間、民政局は憲法制定会議の役割をはたすことになるだろう」と言いました。そして、今の日本で最も急がなければならない問題は新憲法の制定だ。しかし、日本側が作成した草案はまったく不満足なものなので(マッカーサー)最高司令官は自分が介入する必要があると判断し、日本国民のための新しい憲法を起草するという歴史的な意義ある仕事を民政局に任せたと述べました。さらにホイットーニーは黄色い紙に書かれた「マッカーサー...「米国の”素人”が一週間で作った憲法」という暴論

  • 「日本国憲法」押しつけ論 NO2

    「教科書が教えない歴史明治~昭和初期、日本の偉業」藤岡信勝/自由主義研究会(産経新聞社)には、見逃せないことがいろいろ書かれていますが、「”脅迫”で受け入れさせたGHQ草案」と題した白濱裕氏の文章にも、問題があると思います。まず最初に”1945年(昭和二十一年)十一月三日、日本国憲法は公布されました。その日、東京の皇居前広場での公布式典には、大勢の都民があつまりました。しかし、そこに集まった人々は、公布された憲法が実質的に占領軍の手で、しかもわずか一週間で作られたものであることなど知る由もありませんでした。”とあります。でも、わずか一週間で作られたという「日本国憲法」に、どんな矛盾や不備があるのかにつては何の指摘もありません。指摘できないのではないかと思います。したがって、私は、この文章に「日本国憲法」を貶める...「日本国憲法」押しつけ論NO2

  • 「日本国憲法」押しつけ論 NO1

    子どもたちの歴史認識に大きな影響を与えるような著書を書いている人たちには、可能な限り多種多様な資料にあたり、また、できるだけ多くの関係者の証言に基づいて、客観的に歴史を語ってほしいと思います。そして、利用した資料の出典や証言者を明らかにしてその詳細が確認ができるようにしてほしいと、私は思います。でも、現在の日本では、徐々にそうした基本的なことを蔑ろにし、自分の思い描く歴史に都合のよい資料を使い、都合のよい証言だけを利用し、都合のよい解釈をして、歴史を語る人たちが増えているように、私は思います。「教科書が教えない歴史明治~昭和初期、日本の偉業」藤岡信勝/自由主義研究会(産経新聞社)に、「ポツダム宣言にはなかった新憲法制定」というテーマの打越孝明氏による、下記のような文章があります。”1945年七月二十六日、米英中...「日本国憲法」押しつけ論NO1

  • 満蒙問題処理方針要綱(昭和七年三月十二日 閣議決定)と教科書記述

    菅内閣が、本年四月に、日韓の懸案事項となっている問題に関して、”朝鮮半島から連れてこられた人々については、『強制連行された』、もしくは『強制的に連行された』、『連行された』などと一括りに表現することは適切ではない、また、『従軍慰安婦』または『いわゆる従軍慰安婦』という表現も適切ではなく、単に『慰安婦』という用語を用いることが適切”というような閣議決定をしたことを受けて、中学社会や高校の地理歴史、公民の教科書会社が訂正申請を出し、承認されたといいます。それは、「自由主義史観研究会」を組織し、「あたらしい歴史教科書をつくる会」の副会長をつとめる藤岡信勝教授が、”戦地に慰安婦がいたのは間違いないが、日本軍が強制的に連れてきた事実はなく、教科書でわざわざ取り上げる問題ではない。教科書から『慰安婦』の記述自体をなくすべき...満蒙問題処理方針要綱(昭和七年三月十二日閣議決定)と教科書記述

  • 「田中上奏文」と「昭和六年秋末ニ於ケル情勢判断 同対策」

    「田中上奏文」は、1927年(昭和2年)に、当時の内閣総理大臣田中義一が、昭和天皇へ極秘に行った上奏文とされるもので、”支那を征服せんと欲せば、先づ満蒙を征せざるべからず。世界を征服せんと欲せば、必ず先づ支那を征服せざるべからず”という「世界征服」を意図するような内容の文書だということです。その「田中上奏文」は、服部龍二教授によると、1929年秋に「田中メモリアル」として、アメリカに流入し、その後、上海の英語雑誌『チャイナ・クリティク(ChinaCritic)』が発表したものが、大量に複製されて、「田中メモリアル」として世界中に流布していったといいます。その際、「田中上奏文=田中メモリアル」が、日本では「偽書」とされているため、「田中メモリアル」の真偽について質問も寄せられたといいます。でも、チャイナ・クリティ...「田中上奏文」と「昭和六年秋末ニ於ケル情勢判断同対策」

  • 「田中上奏文」と「満州問題解決方策の大綱」等資料

    リットン報告書をめぐる国際連盟理事会において、日本の首席代表、元外交官の松岡洋右衆議院議員と激論を戦わた中国代表、顧維鈞が取り上げたのが「田中上奏文」でした。その「田中上奏文」には、”支那を征服せんと欲せば、先づ満蒙を征せざるべからず。世界を征服せんと欲せば、必ず先づ支那を征服せざるべからず。……之れ乃ち明治大帝の遺策にして、亦我が日本帝国の存立上必要事たるなり”というような一節があることから、日本の中国侵略を裏づけるものとして取り上げたのだと思います。「田中上奏文」を偽書と確信していた松岡は、「そのような文書が、天皇に上奏されたことはない。」と反論するのですが、顧維鈞は、「この問題についての最善の証明は、今日の満州における全局である。仮にこれが偽書であるとしても、日本人によって偽造されたものである。その点につ...「田中上奏文」と「満州問題解決方策の大綱」等資料

  • ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」の記述と歴史の修正

    『新しい歴史教科書「つくる会」の主張』(徳間書店)のまえがきで、電気通信大学名誉教授・西尾幹二氏は”歴史を学ぶとは、今の時代の基準からみて、過去の不正や不公平を裁いたり、告発したりすることと同じではない。過去のそれぞれの時代には、それぞれの時代に特有の善悪があり、特有の幸福があった。私たちの教科書はまえがきで「歴史を裁判の場にすることはやめよう」と書いた。”と、戦後日本の歴史教科書に対する不満を表明しています。私は、こうした考え方が、日本の歴史修正の背景にあり、「日本を取り戻す」ということなのだろうと思います。歴史を学ぶのは、ただ過去の事実を知るだけでなく、時とともに変化する人間社会について、その変化の因果関係や必然性を知ろうとすることではないかと思います。戦前の日本は、第二次世界大戦終結に伴うポツダム宣言に基...ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」の記述と歴史の修正

  • フェザーストン事件と国家神道(神話的国体観・皇国史観)

    カウラ捕虜収容所の脱走事件に参加し、戦後、豪州カウラ会の会長を務めた森木勝氏が、脱走に至った心情について、”捕虜となった瞬間から、考えることは自殺の方法ばかりでした。私たちをあのように恐ろしい向こう見ずな行動に駆り立てたものは、救いようのない絶望感だったのです。”と語っていました(前回抜粋)が、ニュージーランドのフェザーストン捕虜収容所で起こった、日本人捕虜反乱事件も、背景には同じような、捕虜になってしまった「絶望感」があったのだと思います。その「絶望感」と関連して私が思い出すのは、「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」仲宗根政善(角川文庫)で取り上げられている、女子学徒隊の人たちの手記の記述です。「上原当美子の手記」には、次のような記述がありました。”先生が、女子学生は即時解散せよとの軍令を伝えられた。「長いこと...フェザーストン事件と国家神道(神話的国体観・皇国史観)

  • カウラ事件の悲劇と国家神道(神話的国体観・皇国史観)

    私は、日本の戦争は、国家神道(神話的国体観・皇国史観)と切り離して考えることはできないと思います。でも、日本では戦争の思想的背景はあまり語られず、現象面だけが論じられる傾向があると思います。だから、日本の戦争の問題の本質が正しく理解されず、簡単に歪曲や修正がされてしまうのだと思います。それは、閣僚の靖国神社参拝に象徴されるように、日本がいまだに戦争指導層の考え方を受け継ぐ人たちの影響下にあるからではないかと思います。私が、ホームページやブログで日本の戦争に関する事実について調べたことを公開するようになったきっかけは、沖縄戦で起きた住民の「集団自決(強制集団死)」について、文部科学省が、「日本軍に強制された」という教科書記述の修正を意図したことでした。その時、沖縄では「高等学校教科書検定撤回県民大会」が開かれ、沖...カウラ事件の悲劇と国家神道(神話的国体観・皇国史観)

  • 特攻隊員と知覧高等女学校の生徒の交流を通して戦争をふり返る

    勤労動員学生として、特攻隊員の身の回りの世話をした、元知覧高等女学校の生徒たちが、当時の自分たちの日記や手記、また特攻隊員の遺稿やその家族との手紙のやり取りを、手を加えることなく、そのまま「群青知覧特攻基地より」としてまとめたという本を読みました。同書の出版の経緯は、下記資料1の「まえがき」で知ることができますが、日本の戦争の全体像を知るためには、こうした著書は貴重なものであると思います。資料2は、第四十三振武隊の一人として二十一歳で出撃した、簑島武一少尉の遺書です。礼儀正しく心優しい青年であったことがわかります。資料3は、第六十九振武隊の一人として出撃した、池田亨少尉の父親、池田熊平氏に宛てた知覧高等女学校の前田笙子さんの手紙です。短い滞在にもかかわらず、飛び立つ前の特攻隊員と身の回りの世話をする女生徒が、お...特攻隊員と知覧高等女学校の生徒の交流を通して戦争をふり返る

  • 「田中上奏文」と満州侵略の思想的背景

    「昭和史の謎を追う」(文藝春秋)の著者・秦郁彦教授は、下記抜粋文にあるように、”政治家の出る国会討論会を見て、いつも思うことだが、論破されても「参った」とカブトを脱がぬ人士があまりにも多い。学問上の論争でも似た例は少なくないが、どうやら上奏文の真偽論争もこのたぐいらしい。”などと書いていますが、私は、それは日本の満州侵略の事実を直視しない議論のように思います。また、”さすがに、わが国の史学界では戦前・戦後を通じ、本物説を取る論者は少なく、自虐的史観に立つ歴史学研究会系統の史家も「細かい記述について事実の間違があり、そのまま信用できないが、東方会議の決議の基本的方向を示すものとして屡々引合いに出されるのも無理からぬ」(傍点筆者、歴史学研究会編『太平洋戦争史』第一巻、1953)と同情的に書くのが精一杯だった。それも...「田中上奏文」と満州侵略の思想的背景

  • 「田中上奏文」、国際連盟における松岡洋右と顧維鈞の論争

    「田中上奏文」には、”支那を征服せんと欲せば、先づ満蒙を征せざるべからず。世界を征服せんと欲せば、必ず先づ支那を征服せざるべからず。……之れ乃ち明治大帝の遺策にして、亦我が日本帝国の存立上必要事たるなり”というような一節があり、日本の中国侵略を裏づける考え方だと思います。でも、この文書が「偽書」であるという説があり、真偽をめぐっては、下記抜粋文が示すように、国際連盟でも議論があったことが分かります。でも、私は「偽書」かどうかということだけではなく、こうした考え方が、存在したかどうかということを確認することも重要であると思います。そこで思い出すのが、やはり幕末の思想家・佐藤信淵です。すでに取り上げたことがありますが、佐藤信淵は、大東亜攻略を述べた人物として、戦前大いに称揚され、軍人を中心に多くの人が、その著書『宇...「田中上奏文」、国際連盟における松岡洋右と顧維鈞の論争

  • 特別攻撃隊の遺書を読んで思う

    下記は、「鎮魂特別攻撃隊の遺書」原勝洋編著・靖国神社協力(KKベストセラーズ)から、四人の遺書を抜粋したものです。4の大西瀧次郎以外は、いずれもニ十歳代の若い将校のものですが、その文章から、父母に深く感謝し、子や妹を思いやる心優しい若者であったことが分かります。そうした礼儀正しさや優しさは、他の将校の遺書でも同じように感じられました。また、彼らの多くが、飛び立つ前に、詩を書き、歌を詠み、達筆な書を残しています。そんな優秀で優しい彼らが、従容とし死に就いたのはなぜなのか、を考えることは、我々日本人には大事なことだと思います。彼らの思いは、”帝國勝敗の岐路に立ち、身を以って君恩に報ずる覚悟です。武人の本懐此れにすぐることはありません。”とか、”お前が大きくなって、父に会ひたい時は九段へいらっしゃい。”とか、”大日本...特別攻撃隊の遺書を読んで思う

  • GHQによるマインド・コントロール NO4 平和教育とヴェノナ文書

    私は、木佐氏や木佐氏と同じようなことを言う人たちの本を読んで不思議に思います。彼らは、1、GHQが日本人を計画的にマインド・コントロールし、その呪縛が現在も続いている。2、戦後日本の歴史観が、東京裁判によって決定づけられた歪んだもので、史実を反映していない。3、米軍の原爆投下は、一般市民を大量虐殺したもので、戦争犯罪であり、人道に対する罪であった。などと主張しています。では、なぜアメリカと同盟関係を強化し、日本における米軍のやりたい放題を黙認し、諾々とアメリカに従う安倍前首相を中心とする自民党政権を支え、活動しているのかと。私は、原爆投下は確かに、一般市民(非戦闘員)を大勢殺害した戦争犯罪であり、人道に対する罪にあたると思います。だから、謝罪を求め、補償を求めるべきだったと思います。そして、同時に核兵器廃絶に向...GHQによるマインド・コントロールNO4平和教育とヴェノナ文書

  • GHQによるマインド・コントロールと「印象操作」NO2  公職追放と慰安婦問題

    『「反日」という病GHQ・メディアによる日本人洗脳を解く』(幻冬舎)の著者・木佐芳男氏は、「6マインド・コントロールa2公職追放」で、”大学をはじめとする教育の場やメディア機関には、追放された人びとのあとに極端な左翼分子が入り込み、組織が急速に左傾化していった。”と書いていますが、その実態や根拠、またその結果の問題点などは示されていません。木佐氏はここでも、「極端な左翼分子」とか「急速に左傾化」という言葉を使い、戦後日本の評価を下げる「印象操作」をしているように思います。GHQの政策のもとをたどれば、第二次世界大戦に突入していた昭和十六(1941)年一月、ルーズベルト大統領の年頭教書の中に、すでにそれが示されているといいます。日独伊枢軸国の脅威とそれに対する自由主義諸国の戦いについて、合衆国政府が目指す世界を語...GHQによるマインド・コントロールと「印象操作」NO2公職追放と慰安婦問題

  • GHQによるマインド・コントロール論の問題

    安倍前首相がしばしば使用したので国会でも問題になった言葉を借りれば、『「反日」という病GHQ・メディアによる日本人洗脳を解く』(幻冬舎)の著者・木佐芳男氏は、本質的な問題や大事なことを論じることなく、「印象操作」をくり返しているように思います。例をあげれば、「GHQと<反日日本人>では、”左翼文化活動に参加した者が多く所属”とか、”GHQが作成した憲法草案には、土地などを「国家に帰属する」とした共産主義的な考えの部分があった。”とか、”占領軍には左翼のルーツがはっきりとあったわけだ。”というのがそれです。私は、それがGHQによる日本の民主化にどのような影響をもたらしたのか、また、現実にどういう問題として戦後の日本にあらわれているのかという大事なことを論ずることなく、「左翼」とか「共産主義」という言葉を使って、G...GHQによるマインド・コントロール論の問題

  • GHQのマインドコントロ-ル?

    『「反日」という病GHQ・メディアによる日本人洗脳を解く』(幻冬舎)の著者、木佐芳男氏は、”先の大戦後、日本を占領したGHQはわれわれを計画的に洗脳(マインド・コントロー)し、その呪縛は現在もつづいている。”というのですが、読売新聞の海外特派員などとして、第一線で活躍してきたジャーナリストが、どうしてこういうことを言うのか、私は不思議です。私に言わせれば、日本人のマインド・コントロールとして問題すべきは、戦前の日本人指導層によるものです。国民を強固に団結させ、強い日本にするために、天皇を現津神(アキツミカミ)と信じ込ませ、”天皇の御陵威(ミイツ)にまつろはぬものを「ことむけやは」”し、”一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ”ということで、”皇国の威徳を四海に宣揚”する任務を与え、「海ゆかば」...GHQのマインドコントロ-ル?

  • GHQによる天皇の格下げ、貨幣や切手の図案の規制、元号、不敬罪その他の対応

    「神道指令」や「人権指令」をはじめとするGHQの戦後日本の強制的改革は、人類史上例のないような幅広く、深いものであったと思います。根本的に日本を変えるものであったと思うのです。でも、日本人は、そうした改革を受け入れ、戦後、国際社会から「奇跡の復興」と呼ばれるような発展を遂げました。それは、GHQが、露骨な搾取を意図したり、不当な圧迫を加えたりせず、普遍的な原理原則に基づき、日本の改革を進めたからではないかと思います。本来敵国であったアメリカを中心とする連合国による占領や強制的な改革も、筋が通っていたから、日本人は受け入れられたのではないかと思います。そういう意味では、GHQの改革は、ポツダム宣言の”(6)日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、全ての時期における影響勢力及び権威・権力は永久に排除されなけれ...GHQによる天皇の格下げ、貨幣や切手の図案の規制、元号、不敬罪その他の対応

  • GHQと天皇と大日本帝国陸軍軍人の思想

    下記は、「天皇と神道」ウィリアム・P・ウッダート著:阿部美哉訳(サイマル出版会)の「5超国家主義と軍主義の一掃──国体のカルト解体への対策」の「4超国家主義の表象の除去」から、「天皇の御真影と奉安殿の撤去」と「皇居遙拝の停止」を抜粋したものですが、ここで私が注目したいのが、”宮内省の進歩的な姿勢と、その占領初期数ヶ月間の注意深さの効あって、この難問は比較的容易に処理された。事実、これらの御真影の処理にかんしては、何の問題も出てこなかったのである。”という文章です。当時、GHQと同じ進歩的な考え方をする人たちが、宮内省にいたことが分かります。そしてそれが宮内省のみならず、昭和天皇自身の考え方でもあったのだろうと、私は思うのです。その根拠の一つが、1933(昭和八)年の「あめつちの神にぞいのる朝なぎの海のごとくに波...GHQと天皇と大日本帝国陸軍軍人の思想

  • GHQと教育勅語

    「天皇と神道」ウィリアム・P・ウッダート著:阿部美哉訳(サイマル出版会)は、GHQ民間情報教育局宗教課が、教育勅語についても、さまざまな調査をもとに思いを巡らし、慎重に対応したことを明かにしています。だから結果的に教育勅語は、衆議院における「教育勅語等排除に関する決議」(1948年6月19日)と、参議院における「教育勅語等の失効確認に関する決議」(1948年6月19日)というかたちで、日本人自らの手で葬り去られることになったのだと思います。にもかかわらず、いまだにその「教育勅語」を復活させようとする人たちが少なくありません。すでに、「今こそ日本人が見直すべき教育勅語戦後日本人はなぜ〝道義”を忘れたのか」濤川栄太(ごま書房)や「『教育勅語』のすすめ」清水馨八郎(日新報道)をとりあげましたが、そこには、”かつての教...GHQと教育勅語

  • 靖国神社とGHQの「神道指令」

    1945年十二月十五日、GHQがいわゆる「神道指令」(資料2)を発して以降、靖国神社や神社本庁を中心とする人たち、および文部省の役人などが、戦没者のための神社の生き残りをかけて、懸命に考え、行動していたことが、「天皇と神道」ウィリアム・P・ウッダート著:阿部美哉訳(サイマル出版会)の文章で分かります。戦没者をまつる神社の指導者たちが、GHQの処分を恐れ、生き残るために何が必要かを考えてGHQ宗教課に持ち込む相談や提案の内容は、GHQ宗教課関係者の関知しない問題を含んでいたようです。GHQ関係者の考えを忖度し、いわゆる「神道指令」に過剰反応したということだと思います。でも、連合国軍の日本占領の究極的な目標は、すでに取り上げたように、日本が再びアメリカに脅威を与え、世界平和と治安に危害を及ぼすことがないように、日本...靖国神社とGHQの「神道指令」

  • システムとしての国体のカルトと日本の戦争

    現在の日本には、いわゆる戦後の民主主義教育が、”日本の歴史の負の面ばかりを強調し、連合国側の立場に偏った歴史観を日本国民に植え付けた”というような主張をする人がたくさんいます。そうした主張をする人たちは、戦後の民主主義教育に基づく歴史認識を、自虐史観とか東京裁判史観とか、GHQ史観などという言葉で批判します。私は、そうした主張をする人たちが、戦前の日本の何がプラス面であり肯定され、何が負の面で否定されるのかをはっきり示していないと思います。自虐史観とか東京裁判史観とか、GHQ史観などという言葉を使う人たちの多くは、”日本の歴史の負の面ばかりを強調し、連合国側の立場に偏った歴史観”というようなあいまいな表現で、戦後民主教育による事実に基づく歴史認識を否定し、最終的には、日本の戦争を正当化する立場に立っているように...システムとしての国体のカルトと日本の戦争

  • 天皇が靖国神社に参拝しなくなった理由について

    天皇が靖国神社に参拝しなくなった理由について、「靖国知られざる占領下の攻防」中村直文NHK取材班(NHK出版)は、三つの説をあげています。その一つは、横井権宮司が、”昭和天皇の参拝を中止したのはGHQである、と証言している”というものです。二つ目は、GHQの文書の中に、”靖国神社への天皇の参拝を禁じたのは、日本政府である”と記されいるものがあるというものです。三つめは、同書筆者のGHQ民間教育局宗教課長ウィリアム・バンスに対する”GHQは昭和二十年の臨時大招魂祭では昭和天皇の参拝を認めながら、その後、参拝は中止されました。なぜでしょうか?”という質問に、バンス氏が”それは、昭和天皇がお決めになったことです。あれは陛下ご自身の判断でした”と答えたというものです。私は、この三つがどれも間違ってはいないように思います...天皇が靖国神社に参拝しなくなった理由について

  • 靖国神社とGHQの「神道指令」

    「靖国知られざる占領下の攻防」中村直文NHK取材班(NHK出版)(下記資料1)、よれば、GHQが、日本における”「軍国主義・超国家主義の除去」を達成すると同時に、アメリカ政府の掲げる「信教の自由」を日本で確立するために、熱心に、そして慎重に取り組んだことがわかります。「神道指令」立案を中心になって進めたウィリアム・バンス(WilliamKennethBunce)は、戦前、埼玉県の松山高等学校に勤務したことがあるという日本を知る歴史学博士です。また、GHQの民間情報教育局で、「神道指令」における宗教法人法などの宗教政策に関する部分の提言をしたウィリアム・パーソンズ・ウッダード(WilliamParsonsWoodard)は、歴史学者であると同時に、日本の宗教の研究者だといいます。そうした専門家の「神道指令」作成の...靖国神社とGHQの「神道指令」

  • 国家神道と国家主義のカルト(the nationalistic cult)

    オリンピック開催に突っ走る政府や組織委員会関係者の、国民の命と生活を後回しにしたような発言およびオリンピック開会式演出に関わる重要人物の辞任・解任が続き、やっとその背景に迫る文章を目にするようになりました。朝日新聞の”人権意識、日本の低さ露呈、歴史認識、世界標準とズレ”というような文章がその一つです。これは、高橋哲哉東京大学名誉教授や佐藤卓己京都大学大学院教授の主張を短くまとめたもののようですが、本当に深刻な問題だと思います。でも、現在の日本では、日々歴史の修正が進み、歴代最長といわれる安倍政権によって、もはや後戻りが難しいのではないかと思われるほどひどい状態になってしまったように思います。「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれたことに象徴されるように、南京大虐殺の...国家神道と国家主義のカルト(thenationalisticcult)

  • 神社参拝の強要と終戦時朝鮮における昇神式

    1945年(昭和20年)8月15日正午に玉音放送があり、前日に決定されたポツダム宣言受諾及び日本の降伏が国民に公表されて、帝国政府が軍に武装放棄と連合軍への投降命令を発した直後、朝鮮では神社がまっ先に昇神し、人民に先んじて引揚を行ったといいます。その素早さに驚きますが、下記の抜粋文によって、その理由がわかるような気がします。朝鮮における神社の昇神と引揚に関する竹島朝鮮神宮権宮司や総督府祭務官高松忠清氏の、下記抜粋文にあるようなことばは、朝鮮における神社信仰が、本来あってはならない強要に基づくもので、朝鮮人の信仰心に基づくものではなかったことを物語っているのだと思います。特に、”神社は朝鮮の土地・住民に即した神を祀ったものではなく、日本内地から神霊をお移ししたものであったこと”を、自ら昇神の理由の一つに挙げている...神社参拝の強要と終戦時朝鮮における昇神式

  • 終戦時朝鮮の治安対策の混乱

    しばらく前までは、特に文化的な面を中心にして、日韓関係は良好だったと思います。多くの人が観光で行き来していましたし、いろいろな分野の交流が盛んに行われていたからです。日本では、韓流ブームがありました。K-POPが好きな日本の若者もずい分増えていたのではないかと思います。逆に、韓国でも、日本のアニメやマンガ、音楽その他の日本文化に興味を持つ若者がずい分増えたと聞いています。にもかかわらず、このところの日韓関係は最悪です。竹島問題、慰安婦問題、徴用工問題、貿易問題その他の政治的対立が連日マスコミを賑わすようになり、先日は、韓国メディアが東京五輪の選手村における横断幕の撤去要請を猛批判し、新たな垂れ幕も登場するに至ってます。そして、オリンピックに出場予定の選手たちも、そうした政治的な問題と無関係ではいられない立場に追...終戦時朝鮮の治安対策の混乱

  • 八月十五日の朝鮮と「日本国紀」

    『「日本国紀」の副読本』百田尚樹・有本香(産経セレクト)の百田氏と有本氏の対談の中で、百田氏は、藤尾文相の”韓国併合は合意の上に形成されたもので、日本だけではなく韓国側にも責任がある”との発言を引き、”藤尾文相の言っていることは正しい。”と断言しています。でも、日本にとって不都合な多くの歴史的事実を無視したそういう歴史認識は、国際社会では通用しないと思います。私は、以前「日韓併合小史」山辺健太郎(岩波新書)や「外交文書で語る-日韓併合」金膺龍(合同出版)その他から、閔妃殺害事件やハーグ密使事件などに関わる文章を抜萃しつつ、韓国併合に至る経緯を辿ったことがありますが、それらの事件は、当時の関係者の多くが認めていることであることを知りました。また、有本氏は、日本軍「慰安婦」について、”いまだに「一方、朝鮮・台湾の若...八月十五日の朝鮮と「日本国紀」

  • 「日本国起」と「過去を見る眼」

    前稿で取り上げたベルンハイムに基づけば、「日本国紀」は、歴史の最も原初的な「物語風歴史」にあたり、”歴史的知識が科学となる”ずっと前のものであると思います。それは現在では、娯楽の対象としては認められても、社会科学の一分野としての歴史としては、認められないものだと思います。”その国に生まれたことを誇りに思う。そして自分たちの父祖に対して尊敬の念を持つ。私たちに誇りを持つ。そのような歴史教育”を意図して、日本の歴史的事実を取捨選択し、並べ立てる歴史は、社会科学の一分野としての歴史ではないのです。かつて日本が、日本人に”自分たちの父祖に対して尊敬の念”を持たせる神話的国体観(皇国史観)によって、戦争に突き進み、滅亡の瀬戸際に立ったことを忘れてはならないと思います。GHQの膨大な資料の中に、「PWC-115」([PWC...「日本国起」と「過去を見る眼」

  • 日本の歴史修正主義と「歴史とは何ぞや」

    安倍前首相がオリンピック開催に関し、”歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している”と語ったことが報道されました。いわゆるネット右翼と一体となったようなこうした発言が、オリンピック開催に否定的な医療従事者や感染症の専門家に対する脅しに近い主張や、現実の脅しを生み出しているのではないかと思います。そして、そうした安倍前首相の言動の影響は、強引なオリンピック開催のみならず、あらゆる領域・分野で深刻な状態にあると、私は思います。先だって、大村愛知県知事のリコール署名偽造事件で事務局長らが逮捕されましたが、それらも、安倍前首相をはじめとする自民党政権の、いわゆる従軍「慰安婦」問題に対する姿勢に影響されていると思います。現状は、従軍「慰安婦」問題について話し合ったり、議論し...日本の歴史修正主義と「歴史とは何ぞや」

  • 機密戦争日誌8月9日から15日 NO2

    先日、最高裁大法廷が、夫婦別々の姓(名字)での婚姻は認められない、夫婦同姓を定めた民法などの規定は、憲法24条の「婚姻の自由」に違反しないとの判断を示しました。裁判官15人のうち11人が「合憲」とし、4人が「違憲」としたとのことです。日本の裁判官の多くも、自民党政権中枢と同じように、個人の尊厳を基本原理とする国際社会の民主主義の歩みと逆方向を向いているのを感じました。どう考えても、夫婦同姓を義務づけることは、「法の下の平等」を保障する憲法14条や「婚姻の自由」を定めた24条に反するばかりではなく、国際連合憲章などに基づき、あらゆる男女差別を禁じた国際条約、「女子差別撤廃条約」や「国際人権規約」にも反すると、私は思います。「女子差別撤廃条約」第4部第16条の(g)には、守るべき権利の一つとして、”夫及び妻の同一の...機密戦争日誌8月9日から15日NO2

  • 機密戦争日誌8月9日から15日 NO1

    最近のオリンピック開催をめぐる関係機関の諸判断は、自民党政権中枢の本質を、かなりはっきりと国民の前にさらけ出すことになったように思います。前回も書きましたが、新型コロナ感染症によって日本人が何人亡くなろうが、医療機関がどんな困難に直面しようが、飲食店その他がいくつ潰れようが、さらに、職を失い、住む所までも失う人が何人出ようが、オリンピックはやるという姿勢とともに、オリンピック関係者に対する露骨な特別扱いが、いろいろ指摘されているからです。慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏の発言や内閣官房参与の高橋洋一教授のツイッターが問題視されたこと考え合わせると、それらが、相当多くの人たちに不満や失望を感じさせることになっているのではないかと思います。加えて、先日、東京五輪組織委員会が主催するイベントの企画・構成を手掛...機密戦争日誌8月9日から15日NO1

  • ミャンマー 南機関とアウンサン将軍

    私が、アジア太平洋戦争にこだわるのは、310万もの日本人と、その数倍のアジアを中心とする人々を死に追いやった戦争を指導した人々が、冷戦など、その後の情勢の変化によって、公職追放を解除され、戦争責任を追及されることなく、敗戦後も日本の中枢で活躍することになったために、今なおいろいろな場面で、日本の野蛮な戦争を正当化し、日本国憲法を蔑ろにしたり、戦前・戦中の考え方に基づく政策を進めようとするからです。先日、慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏が、”オリンピックってのは、世界のイベントなんですよ。世界のイベントをたまたま日本でやることになっているわけで、日本の国内事情で、世界の『イベント(五輪)やめます』というのは、あってはいけないと思いますよ。世界に対して、『やる』と言った限りはやる責任があって”、と述べたこと...ミャンマー南機関とアウンサン将軍

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