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朝鮮総督府の政務総監、遠藤柳作は、1945年8月15日正午、ポツダム宣言受諾を告げる天皇の無条件降伏放送がソウルの市街に流れる日の早朝に、進歩派の民族主義者、呂運亨に日本降伏後の治安の維持を委嘱しています。だから、呂運亨は、遠藤政務総監との話し合い後、直ちに自宅に何人かの指導的人物を召集し、その日のうちに、「建国準備委員会(建準)」を組織することを決定しています。その結果、建国準備委員会は、アメリカ軍先遣隊の仁川上陸が二日後に迫った9月6日には、全国の南北各界各層を網羅した代表一千数百名の中心的人物をソウルに召集して、全国人民代表社会を開催し建国準備委員会を発展的に解消して、「朝鮮人民共和国」を国号とする国家の創建と、新朝鮮国民政府の樹立を決議していました。でもその時には、アメリカは、すでにソ連対日参戦後...南北統一「朝鮮人民共和国」を潰した李承晩とアメリカ軍政庁
下記の資料1は、「朝鮮戦争の起源1解放と南北分断体制の出現」ブルース・カミングス鄭/林/加地:訳(明石書店)の文章ですが、”アメリカ軍政は、あくまでも自らの主導力の下で朝鮮の政府を樹立しなければならないということだ”とか、”南だけの単独政府を樹立しようとするソウルの米軍政の決定は、1945年11月20日付のウイリアム・ラングドンの電報の中にはっきり述べられている”というような表現で、戦後の朝鮮半島に対するアメリカ軍や政府関係者の本音を知ることができると思います。特に、ラングドンの電文で示された(1)から(6)の内容は、アメリカの対外政策や外交政策がいかなるものであるかをよく示しているように思います。資料2の「朝鮮戦争三十八度線の誕生と冷戦」孫栄健(総和社)は、アメリカの朝鮮支配の実際を、詳細に記述していま...ゼレンスキー大統領と李承晩大統領
9月29日の朝日新聞に「海底パイプライン破壊工作か」と題する記事が出ていました。ノルドストリーム1とノルドストリーム2の3カ所でガス漏れが発生したということです。そしてそのガス漏れは、西側諸国もロシアも「破壊工作」の結果であると受け止めていることがわかりました。だから私は、アメリカが脅しではなく、本当に実行したと思ったのですが、デンマークのボドスコフ国防相はNATOの事務総長と会い、今回の破壊工作にロシアが関わっているとの味方をにじませたといいます。あり得ないと思いました。バイデン大統領は、ロシアがウクライナに侵攻する前の声明で、”ロシアがウクライナに侵攻した場合、ノルドストリーム2を停止するよう緊密に調整してきた”と言ってるのです。また、”ロシアがウクライナに侵攻した場合、ノルドストリームを破壊する”言...アメリカによる南朝鮮単独政府樹立とノルドストリーム破壊工作
ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、国連総会一般討論にビデオ演説を届け、そのなかで、ロシアへの処罰を訴え、安保理におけるロシアの拒否権を剥奪するよう主張しているといいます。私は、この主張は、アメリカのロシア孤立化・弱体化の目標を代弁するものであるように思います。また、”ウクライナも、欧州も、世界も、平和がほしい。戦争をしたがっている唯一の人物は誰か。私は知っている”などと言ったようですが、不可解です。ではなぜ、ゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナとの国境線に軍を集結させていたときに、話し合いを求めたり、侵攻を止めるために関係各国にさまざまな働きかけをしなかったのでしょうか。バイデン大統領もロシアは2月16日にウクライナに侵攻するだろうというような予言めいた発言をしましたが、侵攻を止めるための活動に...朝鮮建国準備委員会とアメリカによる38度線単独決定