メインカテゴリーを選択しなおす
戦後、特に冷戦後は、アメリカが圧倒的な軍事力と経済力を背景に、世界を支配してきたと言ってもいいのではないかと思います。だから、アメリカの国際情勢に関する認識やそれを基にした政策が、あたかも国際世論であり、常識であるかのように受け止められてきたと思います。冷戦後、「一極体制」などという言葉が、しばしば使われるようになったのは、そのことを示していると思います。だから、圧倒的な軍事力と経済力を持つアメリカに逆らうことは、弱小国にとっては、きわめて難しく、まさに、下記のキューバのように、国家の命運をかけて闘う覚悟が必要だったのだろうと思います。そういう意味で、ウクライナ戦争をきっかけとするロシアにたいする制裁決議賛成意見も、決して自主的なものばかりではなく、アメリカの意向に引きずられている国が少なくないのではない...アメリカの戦争犯罪はなぜ裁かれない?
下記は、「ラッセル法廷─ベトナム戦争における戦争犯罪の記録─」ベトナムにおける戦争犯罪調査委員会編(人文選書8)から抜萃したジャンポール・サルトルの文章です。サルトルは、実存主義の哲学で知られる世界的な哲学者であり、ノーベル文学賞を拒否した作家としても知られていますが、はじめて戦争犯罪を裁いた最初のニュールンベルクの国際法廷が「常設」とならず、”ドイツ人被告の最後の一人に有罪判決が下されるやいなや、法廷は雲散霧消”してしまったことを問題視しています。サルトルは、ベトナム戦争に限らず、”広大な植民地を占拠することによって富をきずきあげていた諸国”の、”アフリカやアジアにおけるそのやりくち”も、「これこれしかじかの行為にはニュールンベルク判決の効力がおよんでいる。だから、ニュールンベルク判決にしたがえば、それ...ラッセル法廷とサルトル
「ラッセル法廷」、アメリカの戦争犯罪を裁く[国際法廷へのメッセージ]
ラッセルは、ベトナム戦争の状況が、ナチスによるユダヤ人絶滅作戦の状況に類似しているとして、戦争犯罪法廷を提案し、「人類の良心に」と題する文章で、「すべての国の人びとよ、戦争犯罪国際法廷に手をかしたまえ」と呼びかけました。下記は、動き出した戦争犯罪国際法廷へのラッセルのメッセージです。アメリカという国が、なぜ戦争をくり返すのか、ということがよくわかります。また、アメリカという国が、なぜ、他国の独裁政権や軍事政権と手を結ぶのかということもよくわかります。現在、アメリカと一体となったウクライナがロシアと戦っていますが、アメリカはすでに次の戦争の準備を着々と進めているように思います。アメリカのバイデン政権は、昨年暮に、台湾に対する8回目の武器売却を表明しています。そのうち7回は22年に入ってからのことです。台湾有...「ラッセル法廷」、アメリカの戦争犯罪を裁く[国際法廷へのメッセージ]