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葬式まんじゅうほしさに、おだって(この方言わかりますかね?「調子こいて」くらいの意味かな?)芋畑の中を突っ切っていった主人公を助けにきて、銃撃を受けてしまったヒロ子さんは、実はいち早く「道の」防空壕に避難していた。その安全な防空壕からわざわざ助けるために飛び出していったことがわかる表現とは?・・・もうおわかりですね。最初の男性のこのセリフです。 「おーい、ひっこんでいろその女の子」 「隠れろ!」でも「ひっこめ!」でもなく「ひっこんでいろ」です。ということは、その直前の時点では「ひっこんでいた」ということになります。「道の防空壕に」でヒロ子さんが逃げおおせた可能性を示すだけではなく、さりげなく見…
前回書きました「違和感」についてですが、皆さんはどこかに違和感を感じたでしょうか?さて、私が感じた違和感とは何かというと、ヒロ子さんのセリフの中の、「早く、道の防空壕に・・・」なんです。もっといえば、「道の」です。これって、切羽詰まった状況で必要でしょうか?「早く防空壕に」で十分伝わりますよね。 「えー?全然不自然に感じなかったけど?」という方もいらっしゃると思いますが、状況が状況です。艦載機から銃撃を受けているという緊急事態に、何でこんな説明的な言葉を言わせているのか?と、私は不自然に感じたわけです。そして改めて読み返してみると、この伏線が効いてくるわけです。「ヒロ子さんはあぜ道を大回りして…
まずネタバレにならない程度にあらすじを紹介します。(教科書で読んだ、という方には無用ですが、教育出版の教科書ではなかった方もいらっしゃると思うので一応) 出張帰りのサラリーマンである主人公は、まだ戦時中だった十数年前の小学生の時、疎開していたある町の駅に、思いつきで降り立った。真夏の太陽が照りつける中、懐かしさを感じながらふらついていると、緑の葉の生い茂る芋畑の向こうに、葬列が動いているのを見つけ、昔疎開していた時のある出来事を思い出した。 東京から疎開してきた彼は、同じく二人きりで東京から疎開してきた、2年上級の5年生で、弱虫の彼をいつもかばってくれる、真っ白なワンピースを着た「ヒロ子さん」…