メインカテゴリーを選択しなおす
「頭の良い人は頭の悪い人に合わせなければならない」 「強者は弱者を助ける必要がある」 この手の類の言葉が、実のところあまり好みではありません。 道徳的には肯定していますが、感情的には否定しています。 そんな、社会的には少し不適切な考え方を提示してみます。 感情で押し通すのは違うのではないか 賢い人や優れた人、地位の高い人や資産を持っている人を強者、そうではない人を弱者として区分した場合、「弱者から強者への配慮」を声高に述べる言説はそうそう見かけないことでしょう。大抵の場合で人々の言葉に上がるのは「強者から弱者への配慮」です。 この「強者から弱者への配慮」について、「強者に弱者の気持ちが分かるは…
属性で区分することの問題:『高齢者』の資産を単純に再分配すればよいのか
現代日本において最も金融資産を持っているのは60歳以上の方々であり、金融資産シェアは60歳以上の方々が7割を占めています。 まあ、よくよく考えなくてもこれは当たり前のことです。培ってきた知恵と経験による高所得、積みあげてきた貯蓄、人生における大きな出費の完了、そういった諸要素を鑑みればお金を持っている層が高齢者に偏るのはごく自然なことです。 今回はそんな高齢者のお金に関する戯言をば。 高齢者はお金を持っている、が 「高齢者はお金を持っている、取り上げて再分配しろ」と言った類の言説を時々見かけるのですが、これを安易に言ってしまうのは少し危険だと考えています。 第一に、個人が必死に貯蓄してきた資産…
再分配や格差、貧困とも関連の深い社会支出について、各国比較をしてみます。日本は高齢化の割には高齢者への社会支出がそれほど多くなく、総額の対GDP比は先進国の中で中程度となります。負担と給付の再分配のバランスは改善の余地がありそうです。
各国の全体の所得格差(ジニ係数)と貧困率について比較してみます。日本は比較的低所得な高齢者の割合が多い事もあり、全体としての所得格差や貧困率は再分配前から高めの水準です。再分配によりある程度改善は出来ていますが、再分配後の水準もかなり高く、課題がありそうです。
高齢世代の所得格差(ジニ係数)と貧困率について、各国比較してみます。日本は高齢世代の再分配後の格差が先進国でも大きく、貧困率も高い国という事になります。再分配の考え方や方法に改善の余地がありそうです。
現役世代の貧困率について、当初所得と再分配後の比較をしてみます。日本は当初所得では貧困率は小さい方になりますが、再分配後には貧困率が高い国になります。また、貧困の深さを表す貧困ギャップも大きいようです。
現役世代の家計の所得格差を表すジニ係数について着目します。日本は再分配前の市場所得では格差の小さい国ですが、再分配の寄与が小さく再分配後の可処分所得では所得格差が比較的大きい国となるようです。
先進国各国の等価可処分所得について、現役世代と高齢世代それぞれで詳細項目の比較をしてみました。現役世代はそれぞれの項目が平均よりも低く差し引きの可処分所得も平均未満です。高齢世代では働く高齢者が多いことからも給与所得は高めですが、経常移転給付が少なくやはり可処分所得は平均未満となります。