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#宇のブログ記事
  • 2022/03/20 08:18

    古代歌謡の分析5

    前回までは、仁徳天皇の時代にも、于がわ行の「う」、伊がや行の「い」を表記する漢字だったということを論じました。そこで今回は、あ行の「う」が初めて使われたと思われる歌謡をご紹介しましょう。次の歌は、雄略天皇の十三年に、歯田根命(はたねのみこと)という人物が、山邊の小島子という采女(うねめ=天皇の御膳を給仕する官女)と密通したことが露見して、馬8頭、大刀8本で罪の祓いをした際に、歯田根命が詠んだとされるものです。(参考文献:『紀記論究外篇古代歌謡(下)』)原文読み意味耶麼能謎能やまのめの山邊の故思麼古喩衞爾こしまこゆゑに小島子ゆえに比登涅羅賦ひとてらふ人の誇りとする宇麼能耶都擬播うまのやつげは馬の八毛(8頭)は鳴思稽矩謀那欺をしけくもなし惜しいこともないここで注目すべきは宇麼(うま=馬)で、この言葉が日本紀の歌謡に...古代歌謡の分析5

  • 2022/03/15 10:04

    古代歌謡の分析2

    前回は、応神天皇の時代には、「い」を表記する万葉仮名はすべてや行の「い」だったということを論じました。そこで今回は、「う」を表記する万葉仮名がわ行の「う」だったのか検証してみました。まず、『大日本国語辞典』によると、「う」を表記する万葉仮名は次の13文字でした。◆「う」の万葉仮名:宇、于、汙、紆、有、烏、禹、羽、雲、得、菟、兔、卯ただし、得、菟、兔、卯の4文字は訓読みであり、残る9文字のうち、わ行の「う」は于の1文字だけとされています。◆わ行の「う」:于ところで、古事記には、前回ご紹介した「みづたまる・・・」という応神天皇の十三年の歌とよく似た歌が収録されています。全文を掲載するのはわずらわしいので、注目すべき部分を日本紀と比較すると次のようになります。(参考文献:『古事記』(藤村作:編、至文堂:1929年刊)...古代歌謡の分析2

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