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私の新しい本『ポジティブ妊娠レッスン』では、 妊娠を求めること=妊活と、 美しくありたいと思うこと=美活は、 同じ方向のベクトルだという話をしました。 当院では 「卵巣セラピー」に力を入れていますが、 卵巣セラピーとは、女性が美しさを保つ 治療でもあります。 そうしたセラピーにより、 40代で妊娠される方も普通になりました。 私は2人目、3人目を期待することは、 妊活のみならず、アンチエイジングの点からも 有効だと思っています。 そして美活の結果、 妊娠できればさらにハッピーだと思うのです。 妊活、妊活と構えるのではなく、 卵巣を元気にしようという 美活の気持ちで、
不妊治療を受けていると、 女性は“子どもができない自分”を 嫌いになりやすい傾向があるように 思います。 そんなときは、 自分の今までのことを 少し思い出してみてください。 打ち込んでいたスポーツや、 趣味はありませんか? どんなところに出かけるのが好きでしたか? これだけは人に自慢できる という長所はどこですか? 妊娠のことばかりに頭を向けないで、 自分のいいところを発見して、 もっと自分のことを好きになってみましょう。 そのほうが、きっと妊娠に対しても ポジティブになれますよ。 ーーー 「より自然な妊娠のためのレッスン」が ぎゅっと詰まっています。 「読む妊活
妊活に関する基本的な知識を持つことは 悪いことではありません。 そのために、 本やネットは大切な情報源になります。 しかし、これらは利用法を誤ると、 「不妊博士」を生むことにもつながります。 本について考えてみましょう。 書店に行くと、 妊活・不妊に関する本がいかに多いか、 お気づきになるかと思います。 どれを買っていいか迷うと思いますが、 中身は大同小異なので、 気に入ったものを選びましょう。 ただし、 こうした妊活・不妊本を読む際には、 注意が必要です。 まず、 最初から終わりまですべて読破しようと 思わないことです。 あなたの目的は 妊娠することであって、
私がそもそも「卵巣セラピー」を行ったのは、 今から10年ほど前になります。 ご存知のように 年を追うごとに女性の結婚年齢、 そして妊活開始年齢が上昇してきました。 それに伴って 「不妊ルーム」で行っている漢方薬や、 排卵誘発剤といった薬剤だけでは カップルを妊娠に導くことが 困難なケースが増えてきました。 ちょうどその頃、 高度生殖医療を専門とする婦人科の先生から、 甲状腺ホルモン製剤を投与して、 TSHの値を厳密にコントロールすれば、 良い卵を取れる確率が高くなるという データを見せていただきました。 そうであるならば、 良い卵も育ち、排卵するはずですから、 当院での妊
一人目は無事出産したものの、 第二子を望んでもなかなか妊娠できない。 「不妊ルーム」では、 そんな相談をよく受けます。 今は世の中がある種の 「不妊治療ブーム」になっていることもあり、 二人目ができないという理由で、 治療を受ける人は増えています。 この二人目不妊も、 お話しをうかがってみると、 悩みはさまざまなのです。 一人目は女の子だったので、 二人目は男の子をとか、 一人っ子より兄弟のいるほうがいい と思うからとか。 きっと周りの方は 「ひとりいるんだから、いいじゃない」 と思うでしょうが、 私がお会いしてお話しを聞いている限りでは、 赤ちゃんがほしいという願いに、
メディアの流す最新情報に 右往左往しないで、どんと腰を据えて、 妊娠力を高める「普通の」生活を送ることこそが、 妊娠への大切な道なのです。 しかし、 メディアのせいばかりかというと、 私はどうも違うなという気もしています。 新しい治療法がどうこういう以前に、 「不妊治療」が流行のようになっている という感じがしているのです。 世の中はどんどん便利になってきています。 スイッチひとつで生活空間が快適になったり、 インターネットを利用して、 24時間ほしいものが手に入ったります。 銀行に行かなくてもお金が動かせるし、 家事の機械化によって 主婦にも自分のための時間が増えまし
メディアというのは、 テレビ、新聞、雑誌を問わず、 新しい話題を提供しないと 視聴者なり、読者なりを ひきつけることはできません。 ビジネスの側面がありますから、 売り上げ、視聴率が大切です。 そのため、 たとえば「不妊に新しい治療法!」 などという情報が流れると、 ワッとそちらになびいて、 一斉に報道されるということがあります。 もちろん、 よく取材された良質な情報もあります。 しかし、 それは内容をきちんと読んだ人にしか わからないことで、やはり見出しには、 誇張や、無責任に期待を煽る言葉が 並んでいたりするものが多いのです。 不妊治療にどっぷりと漬かっている人ほ
はじめは小さな願いだった 「赤ちゃんが欲しい」という気持ちが、 時間が経つにつれて、 あせり、不安、迷いといった ストレスを生むようになります。 私のところに寄せられるメールにも、 次のような相談がよくあります。 「どうしたら気持ちを楽にもてるのでしょうか?」 「どうしたら平常心で不妊治療を継続できますか?」 「気持ちを楽に…」 「平常心で…」とは、 言葉では簡単ですが、 自分らしい前向きさを取り戻すには、 どこかで自分自身の気持ちを 整理しなければならないと思います。 頭が凝り固まった状況では なかなか妊娠は難しいということは、 「不妊ルーム」のカウンセリング およ
妊娠、赤ちゃんのことに とらわれすぎないことは大切です。 夫婦の会話の中心が、 妊娠のことばかりになっていませんか? あるいは、 ことあるごとに不妊の話を パートナーにもちかけていませんか? もういちど、 最近の日常をふりかえってみましょう。 もし、そういうことがあれば、 一度、赤ちゃんのことや 不妊治療のことを頭から切り離す 勇気をもってください。 私がいつも感じていることは、 不妊は一刻を争う病気ではない ということと、 一刻を争っているカップルほど、 かえって妊娠しにくい ということです。 毎月タイミング法を試みている という人は、たとえば2~3か月、 不妊
赤ちゃんを望んでいるのに、 なかなか妊娠できないという状態は、 夫婦どちらにとっても ストレスを感じるものです。 ましてや 不妊治療を受けるとなると、 ふたりの上には相当強い ストレスがのしかかってきます。 「不妊は夫婦二人の問題ですから 夫婦二人で取り組みましょう」 と、よく耳にします。 正論のように聞こえます。 しかしながら 不妊治療はその実際において、 検査や治療のほとんどを 女性が受けなければならない、 極めて女性の負担の多い医療なのです。 こうした現実に 男性側の理解が十分でないと、 不妊治療を継続していく過程で、 男女間の温度差を生むことに なっていきます
「妊活に漢方薬は有効ですか?」 そう問われたら、 「妊娠を望む女性の半数以上に漢方薬は有効です」 と私は答えます。 そもそも私が漢方薬に関心を持ったのは、 医学生の時代に遡ります。 特別講義で漢方を専門とする医師のお話があり、 それにとても興味を持ったのです。 西洋医学の薬というのは、 レセプターに対するターゲットセラピー という形を取るのがほとんどです。 例えば胃潰瘍であれば、 胃酸分泌の亢進が原因となることが 多いわけですが、 それに対してH2レセプターという 胃酸を分泌するターゲットに対して、 それをブロックする薬を用いてきました。 ミサイル攻撃のようなもので
妊活に向けて 何か行動を起こそうと思った時、 女性はよくサプリメントを摂取する という人が多く見られます。 その場合に葉酸サプリメントが 筆頭に挙げられるのではないでしょうか。 それはネットなどを見れば 葉酸サプリメントに関する情報は たくさんありますし、 あたかも葉酸サプリメントをとれば、 すぐにでも妊娠できるような気が してしまうものです。 私は葉酸サプリメントを 自己判断で摂取している方の 採血をしばしば行うのですが、 ほとんどの場合で、基準値上限を 大幅に超えていることが多いのです。 過ぎたるは及ばざるがごとしで、 葉酸値が高すぎると、 妊娠を阻害してしまいますし、 食
Sさん(37歳)から、 妊娠報告をいただきました。 彼女の場合、検査所見からは、 50歳近い卵巣の状態と考えられました。 しかし、そうした状態にあっても、 その卵巣の中にスター選手のような 卵子が混じっている場合があるのです。 その卵子がうまく排卵し、 そして人工授精でミートして、 ハッピーな結果になったのだと考えられます。 検査所見というものを そのまま鵜呑みにしないようにしましょう。 Sさんから届いたメールをご紹介します。 「あなたは医学の域を超えている!もってるよ」 とクリニックで言われました。 ホルモン注射をせずに育った天然の卵胞で、 20ミリ近くになるまでに
昨年11月に新刊 『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』を 出版しました。 私の予想以上に 好意的に受け止められており、 ほっとしています。 中には、 「妊活のバイブル本です」 などというコメントもあり、 大変嬉しく思っています。 今回の執筆の動機は、 不妊治療の保険適用拡大が案内され、 人工授精はもとより、体外受精を含めた 高度生殖医療も保険診療になることが わかっていました。 そして2022年4月より 実施されたわけですが、 時間とともに、いろいろな 問題も見えてきました。 私はこうした事情を踏まえ、 妊娠を望むカップル全員に、 新しい情報を提供する必要性を 感じていた
カルテの整理をしていると、 ひょっこりMさんのカルテが出てきました。 10年前に「不妊ルーム」で、 47歳で妊娠、48歳出産の最高齢の方です。 カルテを振り返ってみてあらためて驚いたのは、 彼女は当院に来る前に4年間の不妊治療歴があり、 タイミング法の後、 人工授精を実に16回も行い、 その後体外受精を6回行うも、 移植に至ったのは1回のみでした。 当院の初診時のデータですが、FSHが35.6。 これは、閉経していてもおかしくない数字です。 さらに驚いたのはDHEAの値が279で、 これは60代後半の数字です。 長期間の不妊治療により、 年齢以上に卵巣が老化してい
昨年の暮れに出版した 拙著『ポジティブ妊娠レッスン』では、 32ページに「妊活の木」を イラストに描きました。 この本はこの「妊活の木」を 理解していただくために書いた と言っても過言ではありません。 妊活の木の1本の「幹」から 4つの枝が出ています。 それぞれの枝は、 ①自然妊娠、 ②タイミング法、 ③人工授精、 ④体外受精 です。 どれを行うにしても、 大切なことは「木の幹を太くする」ことです。 木の幹が太くなれば、 それぞれの枝も太くなりますから、 どのようなコースを辿っても 妊娠しやすくなるわけです。 それでは幹を太くするためには、 何が必要でしょうか?
「あなたは37歳ですが、 AMHの値は43歳です。 ですから、すぐに体外受精を行わないと お母さんになれませんよ」 こういうふうに言われた人は、 何人もいるのではないでしょうか。 AMHは、卵巣年齢などとも呼ばれ、 卵の数の指標にされています。 私はAMHというのは、 数の指標ではあっても、 卵の質の指標ではないこと、 そして生理周期によって変動することを、 皆さんに知っていただきたいのです。 こちらの表を見てください。 これは37歳の女性のデータなのですが、 なぜか1年間に8回も、AMHの測定がされています。 D3とありますが、D3は生理3日目の意
漢方薬が効く人には本当によく効きます。 それでは「漢方薬はなぜ効くのですか?」 と問われれば、 正確に答えるのは医師でも難しいと思います。 それですから、 漢方薬に対する医師の評価は、 賛否両論、2分してしまうのです。 漢方薬のほとんどすべてが、 6種類も7種類もの生薬の合剤です。 一つ一つの生薬の効果は わかっているのですが、 そうした複数の生薬が、 いわば相乗効果を発揮するわけです。 ですから西洋医学の評価のような 土俵には乗っかりにくいのです。 それでも 私が漢方薬を使おうと決めたのは、 患者さんに使って実際に効果があり、 そして副作用が出なければ、 問題
1年前から婦人科に通っていた女性が 当院に相談に見えました。 現在フォローアップしていますが 最近、彼女から届いたメールにこんなことが書いてありました。 「婦人科は白か黒でグレーは無い。 だから次行くときには また何を言われるんだろうという気分になります。 でも、こまえクリニックの場合は、 グレーも有りで、数値的にすぐに判断せず、 じっくり向き合ってくれるから気分が楽になります。」 当院は内科なので、婦人科と違って内診台がありません。 そして、患者さんに対するアプローチも異なります。 そのことも気分的に楽だとおっしゃっていました。 不妊治療にストレスは大敵で
サプリメントというと、 クスリに比べて、ワンランク下のイメージを 持つ方も多いのではないでしょうか。 確かにサプリメントの多くは、 ドラッグストアなどで手に入りますし、 服用に際して、注意されることもないので、 そう思うのでしょう。 しかしながら、 私は妊活に関してサプリメントは、 クスリ以上に効果を発揮することを いつも実感しています。 その中でも特に強調したいのが、 ビタミンDとDHEAサプリメントです。 DHEAサプリメントは、 2018年まではインターネット等で、 誰でも簡単に購入することができました。 その後法律が改訂され、 医師の指導のもとでの使用にな
人工授精の問題点は、 何よりも妊娠率が5%〜8%と低いことです。 ではなぜ、 人工授精の妊娠率が低いのでしょうか? これには2つの理由が 以前より指摘されてきました。 1つ目は、 人工授精は精子の洗浄、濃度調整を行いますが、 このプロセスが精子のストレスとなり、 授精能力を弱めるという指摘です。 2つ目は、 人工授精は精子の一部を注入するだけですから、 女性側に性的興奮は全くありません。 そのことも低い理由ではないか とも言われてきました。 妊娠というのは、 精子と卵子が出会うことが大前提になります。 通常のセックスでは、 膣内に放出された精子が子宮内に移動し、 さ
「妊娠力」があるのに、 その力を十分に発揮できていないために、 妊娠しないカップルがたくさんいます。 そもそも私は不妊治療を否定するつもりは全くありません。 たとえば、卵管が両方とも完全に閉塞しているのなら、 自然妊娠は物理的に不可能です。 このような方には、 速やかに信頼できる不妊治療の先生を紹介しています。 「不妊ルーム」へカウンセリングを受けに来られ、 産婦人科医の専門的な治療が必要であると判断して、 紹介状を書く方は大勢います。 こうした大前提をふまえた上で、 不必要な不妊治療は避けるべきだと言いたいです。 「不必要な不妊治療」という言い方は多少誤解がありますが
スランプという言葉があります。 今までは順調に成績や実力が伸びてきていたのに、 あるときパタリと伸びが止まり、 思う通りに進まない状態です。 受験生やスポーツ選手は、よく悩んだりします。 このスランプには二つのタイプがあるように思うのです。 ひとつは、本当にスランプに陥っていて、 そのことを正しく自覚している場合。 もうひとつは、その人が「スランプ」という言葉を 知っているがために「ああ、自分はスランプなんだ」と ひとりで納得してしまい、小さな出来事の一つひとつを 複雑に考え過ぎて、「想像スランプ」から本当のスランプに 陥ってしまう場合です。 妊娠においても、これと似たような
「赤ちゃんが欲しい」と 考え始めてから不妊治療の入り口までの距離を なるべく長く取ってほしい。 私は常々そう思っています。 女性にとって、精神的にも肉体的にもストレスの多い不妊治療。 それが本当に必要ではない人はたくさんいるはずです。 一方で、男性の精液検査も、 ストレスと密接に関係していることが知られています。 「不妊ルーム」での精液検査の経験でも、 男性が仕事量が多いとき、ストレスが強いとき、 精子数や運動率は低下しているという傾向があります。 不妊の原因は男女平等 あるお役所の子どもには10月生まれが多い という話をご存知でしょうか? 理由は単純で、その機関で働
ベストセラーとヒット曲と言うのは似ていると思います。 ベストセラーというと著者を連想するでしょうし、 ヒット曲はやはり歌い手の方を連想しますね。 例えばシンガーソングライターという人がいますが、 そういう方は、自分で詞を書いて、曲をつけて、 自分で歌うわけですから、自己完結型に思えてしまうかもしれません。 しかしそうではないのです。 私は中島みゆきさんの楽曲が好きでよく聴きます。 彼女は詞も曲も書きますが、ほとんどすべての彼女の歌は、 瀬尾一三というひとが編曲しています。 この人は天才アレンジャーで、彼がアレンジすることによって、 ヒット曲に生まれ変わるのです。 こうしたアレン
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不妊治療における検査の一つに、 子宮卵管造影検査があります。 そして私は、子宮卵管造影検査を たいへん重要な検査と考えています。 この検査は、子宮内部の形の異常と、 卵管の通過性を調べるためのもので、 卵管と卵巣の癒着がないかどうかも 調べることができます。 もし、両方の卵管が閉塞していれば、 たとえ人工授精をおこなっても 妊娠することはできません。 この検査が重要視されるのには、 もうひとつの理由があります。 それは、 子宮卵管造影の検査をすることによって、 卵管の詰まりや、多少の癒着などが 解消されることがしばしばあるからです。 実際、この検査のあと6ヶ月間は 妊娠率
「ニワトリが先か、卵が先か?」という、 結論の出ない議論があります。 では、妊活に関して、 「卵子が先か、卵巣が先か?」と問われれば、 私は迷うことなく「卵巣が先」と答えます。 ところが現実の不妊治療では、 卵巣は見向きもされず、 卵胞、そして卵子にのみ 目がいっているのが現実です。 私はこうした現状に警鐘を鳴らしたいと思いました。 「卵巣」と「卵子」をそれぞれ、 「水槽」と「金魚」に例えて、 金魚が元気で泳ぐためには、 水槽のコンディショニングが大切だと、 通院される皆さん方によく話します。 妊活における水槽のコンディショニングとは 「卵巣ケア」のことをいいます。 「卵
「不妊ルーム」でのフォローアップの立場は、 たとえるなら二階建ての家のイメージで説明できます。 1階は自然妊娠、2階は不妊治療です。 そして「不妊ルーム」は、 1階から2階へあがる階段の踊り場、 あるいは中2階の立場で、 なるべく2階に行かずに妊娠することを目標としています。 こんなスタンスの私が示す「オピニオン」を聞いて、 今までとは全然違うと驚く女性は少なくありません。 さて、セカンドオピニオンを求めてその結果、転院を決めたなら、 ぜひ現在の主治医から紹介状を書いてもらう勇気を持ちましょう。 紹介状は、あなたの今までの不妊治療の歴史が書かれているものです。 同じ検査をゼ
あなたが現在不妊治療を受けていて、 かえって基礎体温がガタガタになってきたとか、 治療自体に強いストレスを感じているというのであれば、 それは、その医療があなたに合ってないという ひとつのシグナルかもしれません。 また何年も不妊治療を受けているのに、 いつまで経っても妊娠できないという人も少なからずいるでしょう。 このような女性たちのなかには 「不妊治療不妊」にかかっている人もいます。 では、あなたが不妊治療不妊なのかどうかは、 どのように判断すればいいのでしょうか。 「不妊治療不妊度」を測るモノサシのひとつが、 基礎体温表だと思います。 基礎体温表が発するサインを正し
私が『ポジティブ 妊娠レッスン』を出版したのは、 ある種の危機感からでもありました。 ご存知のように、 結婚年齢、妊活開始年齢が高齢化しています。 そして2022年4月から体外受精も保険適用となりました。 そのことによって、 女性がますます大変なことになるのではないか と私は思ったのです。 体外受精は、卵巣を強く刺激して、 たくさん卵を取るというのが世界的に見ても、 一般的な採卵のメインストリームの考え方です。 しかし、その卵巣は「女性性」の源でもあります。 そこに強い刺激を与えることは、 女性らしさを失ってしまうことにもなりかねないのです。 卵巣をケアすること。 そ
2022年4月から 不妊治療の保険適用が実施されました。 これにより、 不妊治療に対するハードルが 非常に低くなったと思います。 また通院者は心情的に、 「病院に通いやすくなった」 「治療受けるのに抵抗が少なくなった」 などといったポジティブな声が 聞かれるようになりました。 経済的な負担の軽減に加え、 患者さんの心理的な抵抗が 少なくなったことが、 とても重要ではないかと思います。 要するに不妊治療というものが、 「市民権」を得たと思うのです。 人工授精に関しては、 一回あたりの治療費(3割負担)が、 5460円と格安になったのみならず、 年齢制限も回数制限もないことは、
DHEAサプリメント(以下、DHEAサプリ) を使用してから、「不妊ルーム」において、 37歳以上の女性の妊娠が増加しました。 このDHEAサプリの劇的な効果を 実感したケースをお話しします。 Nさんが最初「不妊ルーム」に 来院されたのは、32歳の時でした。 前医でタイミング法を行うも 妊娠しないということで来院しました。 ホルモンチェックをしてみたところ、 女性ホルモンの値が低いこと、 そして生理中のFSHが年齢の割に高い ことがわかりました。 念のためDHEAの値を調べてみたところ、 ”370 NG/ML”でした。 これは、40代後半の女性の数値です。 そこで、
クールダウンも大切というお話しです。 「不妊ルーム」を始めてしばらく経ってから、 私はフォローアップを開始したのですが、 1人でも多くの妊娠を出したいとムキになった時期がありました。 しかし私の思いとは裏腹に、ムキになればムキになるほど、 妊娠の数が増えるわけではありませんでした。 私はちょっと疲れてきて、 「妊娠しない方は、婦人科の先生にまかせればいい」と、 気持ちを切り替えてみました。 すると、妊娠される女性が増え始めたのです。 このことは、私にとっても大きなヒントになりました。 「妊娠は追いかけると逃げて行く」 という性質がありますと、お伝えしているのですが、 これ
不妊治療を受けていても、 自然妊娠の可能性、あるいはより自然に近い妊娠の 可能性を追求しようという姿勢は大切です。 それはすなわち、 不妊治療にはステップアップだけではなく、 ステップダウンもあるということです。 体外受精まで進んだカップルが、 治療をやめたら自然妊娠したという話は あちこちから聞きます。 直角三角形の三角定規を思い出してください。 片方は急な坂道、もう一辺はなだらかな坂道です。 どうやら不妊治療は、 険しいルートからの登山になることが多いようです。 反対に回ると、 ハイキングのような感覚で、頂上に行きつくこともあるのです。 ーーー 「読む妊活サプリ」
50歳で胚移植を受けて、 51歳で赤ちゃんを出産した女性から メールがありました。 こう書くと、 皆さんは驚かれるかもしれませんが、 事実です。 ただ少し理由があります。 彼女が胚移植を行ったのは 50歳なのですが、移植された胚は、 彼女が44歳の時に採卵されたものです。 44歳の体外受精でも、 受精、そして胚盤胞まで培養がうまくいき、 凍結するというのは大変なことだと思います。 夫婦のことですから、事情は分かりませんが、 6年間もの間、凍結されていたわけです。 さらに驚きはつづきます。 44歳で体外受精を受けたわけですが、 2つの胚盤胞を凍結することができたのです。
とても印象に残っている言葉があります。 「仕事も最後は祈りである」 ある研究者の言葉 研究者には似つかわしくないかもしれませんが、 自分の仕事が果たしてうまくいくかどうかは、 神のみぞ知る。 人事を尽くして天命を待つということでしょう。 なんでこんなことをいうのかというと、 人間というものは、妊娠しづらい動物だからです。 仮に20代の強い性衝動に駆られたカップルが 絶好のタイミングでセックスをしても、 2割しか妊娠しないというのが現実です。 そうであるならば、 「妊娠するぞ!」と気負ってみても仕方ありません。 だから、あなたがこれまでに、 どれだけ不妊治療にお金や気
現代人は男女を問わず 「自己実現」こそ人生の目的とばかりに、 次のステップへ進むことに必死になっている ところがあるのではないでしょうか? そんな意識をそのまま不妊治療に当てはめて、 治療はステップアップするのが当たり前 と思ってはいませんか? しかし、 実際には「ステップダウン」が 大変有効な場合は少なくありません。 今の主治医は 「人工授精から体外受精に切り替えるしかない」 と言っているけれど、別の医師に聞いてみたら 「いや、まずは腹腔鏡検査をやってみましょう」 という意見が出るかもしれません。 もし私に意見を求められて、 その人に自然妊娠の可能性があると思えるなら 「
私の著書『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』を読まれた 「不妊ルーム」通院中の方から、 大変嬉しいメールをいただきました。 生の新著も拝見しました。 タイトル通り、「ポジティブ」になれる言葉が 散りばめられていると思います。 「読む妊活サプリ」とは、なるほどと思いました。 励みになる頁は、読み返しています。 各レッスンが、格言のように心に響きます。 私は今回の本では、「レッスン」のブラッシュアップに力を注ぎました。 レッスンのフレーズに手を入れていた時に、 私はたまたま、『伝え方が9割』という本を読みました。 コピーライターが、ライティングのさわりを開示した本ですが、 100
『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』は、「読む妊活サプリ」です!
今回の私の本『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』に関して、 アマゾン・レビューに嬉しいコメントがありました。 私の本を「読む妊活サプリ」と、言っていただいたのです。 これは、まさに私が考えていたことで、 今回の本は「読める実用書」を目指していました。 実際『ポジティブ妊娠レッスン』を読まれた方からは、 「とても読みやすかったです」 というコメントを多くいただいています。 ”読みやすかった”というのは、最高の褒め言葉だと感謝しています。 今回の本が、妊活に悩むカップルに行き渡ればと願っています。 令和版 ポジティブ妊娠レッスン amzn.to 1,705円
子宮卵管造影は重要な検査です。 それは、治療的側面が強い検査だからです。 実際、子宮卵管造影検査のあとに妊娠率がアップすることは、 よく知られています。 卵管が完全に閉塞しているのでなく、通りが悪い程度であれば、 この検査をしたあとで妊娠することはよくあります。 卵管の通りがよくなり、軽い癒着であれば はがれてしまうともいわれています。 子宮卵管造影検査のあとの6か月、 とくに最所の3か月は妊娠しやすいのです。 この子宮卵管造影の治療的側面は非常に大切です。 そのため初期に行われることが多い子宮卵管造影検査ですが、 なるべく妊娠しやすいタイミングで行うほうが有利です。
あなたがたご夫婦が、不妊治療におけるセカンドステップである人工授精を受ける予定がある、あるいは現在すでに受けているのなら、人工授精とはどういうものかを、正しく理解しておく必要があります。 人工授精とは、男性の精液をパートナーの子宮内に注入することです。 この技術はかなり古くから行なわれています。 2022年4月より健康保険適用となり、1回の人工授精にかかる費用は5,460円です。(それまでは、2~3万円の費用が必要でした。) この治療を受けること自体は、体にもそんなに負担になることではありません。 この人工授精の場合でも、成功するかどうかのキー・ポイントは、どれほど正確に排卵
私は、ホームページに次のように書いたことがありました。 「体外受精」ですか?「海外旅行」ですか? もしかしたら「海外受精」するかもしれません。 『体外受精にかけるお金で、 海外旅行に行ってみたら、 妊娠しました……』 こんな報告をしてくれたカップルがいたので、 このように書いてみたのです。 このフレーズに対して、 「不愉快だ、こちらは真剣なのに」と言う人もいました、、、。 不妊治療を不真面目にみているのではもちろんありません。 こういった言葉にある意味過敏に反応してしまうとすれば、 リラックスした気分で不妊治療を受けることはむずかしいものです。 妊娠しにくい心
私が2002年に『妊娠レッスン』という本を上梓したのは、 「不妊治療だけが妊娠に至る道ではない」ということを、 不妊に悩む多くのカップルにメッセージしたかったからです。 内科医がフォローアップを行って、多くの方が妊娠されること、 そして、私が今行っていることを、もっと世の中の人々に 知ってもらうべきではないかと思ったのです。 私は不妊治療までの助走期間をできるだけ長くとってほしいと思いました。 ですから不妊治療に代わるものとして、何か対案が必要だったのです。 それが『妊娠レッスン』のコアなDNAである「3つの法則」です。 「3つの法則」とは、 基礎体温表をつける
『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』(主婦と生活社)発売中です 『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』(主婦と生活社)が 11月25日に発売されました。 やはり実際に本を手にすると感慨深いものがあります。 私は今回の本に関して、印税も原稿料も辞退しました。 そのため、とても優秀な構成担当者、デザイナーに加え、 漫画家の方にも参加してもらうことができました。 今回の本から、そうした本作りに関わる人たちの 熱い想いが伝わればと願っています。 「より自然な妊娠のためのレッスン」がぎゅっと詰まっています。 令和版 ポジティブ妊娠レッスン amzn.to
私が『ポジティブ妊娠レッスン』を書いた理由をお話しします。 今から20年前に、 「不妊治療だけが妊娠に至る道ではない」 ということを皆さんに伝えたくて、 『妊娠レッスン』を出版しました。 『妊娠レッスン』では、不妊治療に代わるものとして、 基礎体温表をつける 排卵日検査薬を併用する 夫婦生活を増やす という「3つの法則」を提案しました。 この提案は広く受け入れられ、私のもとには、 「妊娠しました」 「頑張らなくてもいいんですよね」 などといったメールがたくさん届きました。 そして時は流れ、令和の時代となりました。 年を追うごとに、結婚年齢、妊活開始年
不妊治療への性急なエントリーを避けるために、 よいアドバイスがあります。 基礎体温表をとりあえず2ヵ月つけてみるのです。 2ヵ月あれば、ふたりの気持ちも話し合えるでしょうし、 もっと気持ちを固めて治療にのぞむ準備もできるでしょう。 パートナーに情報を伝え、ふたりできちんと話し合うための 準備期間にもなります。 また、不妊治療を始めることになった場合でも、 2ヶ月分の基礎体温表があれば、 医師はその表からかなりの情報を得ることができます。 さらには、基礎体温表を2ヶ月間つけることができたなら、 その後もあなたはきっと継続してつけることができるでしょう。 大切なことは、基
私は今から19年前に『妊娠レッスン』を出版しました。 大変好意的に受け入れられ、12刷、6万部のベストセラーとなりました。 それから時は流れ、女性の生き方、考え方も変わりました。 今新たな『レッスン』の必要性を感じています。 新たな本が必要な理由はいろいろあります。 そのひとつは、不妊治療を取り巻く環境がとても変化したことです。 不妊治療、とりわけ、体外受精などの高度生殖医療に対して、公的助成が行われるようになり、不妊治療の短縮化、すなわち体外受精までの期間が極めて短くなっているという現実があります。 特に東京をはじめとする都市部では、不妊治療=体外受精とい
「不妊治療はしたくない」「42歳の壁」「体外受精する?」 そんな悩みを抱えた、赤ちゃんが欲しいすべての人へ。 新刊、『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』が 11月25日にいよいよ発売になります。 この本の構想は 昨年の春からずっと考えていました。 私は今から20年前に、 「不妊治療だけが妊娠に至る道ではない」 というメッセージを皆さんに伝えたくて、 『妊娠レッスン』を上梓しました。 『妊娠レッスン』は妊娠しやすい心の持ち方、 そして基礎体温表の重要性などを指摘して、 多くの読者の支持を集め、12刷となりました。 しかし時は流れ、この20年の間に 女性の社会進出が進み、 結婚年齢