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前回のブログで、「以心行気」は、心を用いて、つまり意識的に呼吸を行う、としました。 意識的に呼吸をすればどんな意識でも良いのか、というとそんなことはありません。まずは、何を意識するかが問題です。通常、呼吸をするときには、勝手に空気が鼻や口を出入りするだけなので、それがどこに行くのか、身体のどの部分を意識するか、なんてことは考えません。 太極拳で行う呼吸は、空気を自分の身体の中に取り込み、取り込んだものを必要なところに溜め込み、それを全身にめぐらせることを意識して行います。でも、そんなことを頑なに意識してしまうと、身体も硬くなるし、呼吸をすること自体が苦痛になりかねません。そもそも何をやっているのかわからなくなることでしょう。 何を意識するのかは、初めのうちは気にしなくても良いと思います。身体と心が落ち着いてきたら徐々にできるようになれば良いです。 もっと重要なのは、どういった「心」「意識」で呼吸を行うようにするのか、って言う質の問題です。誰でもそうだと思いますが、心や意識は、散漫になりがちで、雑念に溢れていることも多いと思います。そういったものをできるだけ取り除いて、落ち着いた、邪念の
前回のブログでご紹介した通り、「行功心解(ぎょうこうしんかい)」をじっくり読みながら、太極拳の基本的な概念についての私なりの理解を示していきたいと思います。 今日から何回かに分けて、一番初めの「以心行気」を説明していきます。 訓読は、「心を以って、気を行う」となります。ここで問題になるのは、「心」「気」「気を行う」が何を意味するかです。 ますは、「心」です。心識、意念だと本書にも書いてあります。でも、「心」を「心識」と置き換えても文字が一つ増えただけで、なんの意味もないように感じます。「意念」って日本語としても存在するのですが、不勉強は私は太極拳以外では聞いたことがありません。ここでは、とりあえず、「意識」としておきます。「心」をきちんと定義するのは非常に難しく、まともに取り組むととんでもないことになりそうなので、将来の課題としておきます。 「気」については、色々と考えたいこともあるので、明日以降のブログでどんなふうに私が考えているか説明します。 「気を行う」は、とりあえず、「呼吸を行う」と理解しておきます。実際には、呼吸だけではなくて、吸った息がどうやって気に変わり、それが体全身に回