メインカテゴリーを選択しなおす
紫外線が白内障をはじめ、眼病リスクを高めるという報告はこれまでたくさん発表されてきました。ところが、紫外線だけでなく、環境温度や熱中症の既往も白内障リスクを高める可能性があることが明らかになってきています。紫外線被曝といい、環境温度や体内温度といい、いずれも気候変動問題が白内障リスクとしても見逃せない重要な要因となっているということですね。地球沸騰化や気候変動の問題は、災害等を通して、1980年代以降の「トラウマの時代」の成立に大きな役割を果たしてきましたが、いわば眼球の水晶体に対しても「トラウマ」を引き起こしているわけです。ただし、「トラウマ」の本来の意味、つまり身体的な外傷としてですね。とするなら、白内障とくに「核白内障」は、今や「外傷性水晶体損傷」(traumaticcrystallinelensi...「外傷性水晶体損傷」としての白内障
このたび、私の最新論文2本が、相次いで公表されました。1つは、6/28発売の『わが国におけるポリヴェーガル理論の臨床応用』に収められた、「こころに安全を育むこと/からだに安全を育むこと」という論文で、ポリヴェーガル理論が心理療法にも身体療法にも共通のプラットフォームとなりうる基本的な論点をまとめた小文です。もう1つは、6/30に発表された、オンライン雑誌『<身>の医療』第7号に収められた、「コロナ禍・トラウマの時代・ポリヴェーガル理論」という論文で、内外でも初かもしれない、ポリヴェーガル理論の社会心理学的な考察です。オンライン雑誌なので、誰でも自由にWeb上で読むことができます。→こちら興味ある方は、目を通して下さるとうれしいです。最新論文(2023.06.30)
2023年1月16-20日、世界経済フォーラム(ダボス会議)がスイスで開かれ、世界各国から政府高官や企業経営者らが参集しました。今回のテーマは、「分断された世界での協力」でしたが、そうした中で大きな焦点を当てられたのが「ポリクライシス(polycrisis)」という新たな概念だったと報じられています。1月の年次総会前の1月11日に公表した『グローバルリスク報告書2023年版』(GlobalRisksReport2023)[WorldEconomicForum2023]でも、この言葉が1つの重要なキーワードをなしています。「ポリクライシス(polycrisis)」とは、もともとフランスの社会学者エドガール・モラン(と共著者のアンヌ・ブリジット・カーン)が、21世紀を迎えるにあたって、1999年の著書『母国と...ポリクライシスの時代