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相変わらず…足音も立てずに、転校生はいなくなる。「転校生を探せ!」「アイツのヒミツを探れ!」 委員長の鶴の一声で、クラス中が蜂の巣をつついたような、騒ぎにな…
委員長が騒げば、騒ぐほど、転校生の謎に、みんなは関心を抱く。なぜあそこまで、目の敵にするのか…全く見当もつかない。だけども、それはまるで集団ヒステリーのよう…
せっかく少し親しく話をしたのだから…もしかしたら、話す機会があるのかもしれない…宗太郎は、淡い期待を抱いていた。 だが…朝礼の始まる前に、教室に入って来た転…
「おまえ…何か聞いたか?」 放課後、帰り支度をしていると…早速委員長が、それを阻止するように、回り込んできた。「何かって…何を?」まるでスッポンのような、しつ…
「はぁっ?」 あまりにも冷たい転校生の口調に、宗太郎は冷や汗を浴びせられたような気がする。「あっ、あのぉ」ためらいつつも、宗太郎はグッと唾を呑み込むと「神林く…
「キミ…古屋敷くんだっけ? 何でボクのこと、探しているんだ?」 ピタリと足を止めると、転校生は宗太郎の方を向く。「えっ」彼が、自分の名前を知っていることに、驚…
誰? そんな勇気のあるやつ、いたっけ?宗太郎は、顔を上げる。すると…委員長含め、宗太郎も探していた当の本人が、こちらを向いて立っている。 「古屋敷くん…だっ…
「清子だって、そうだろ?」 ソータローが言うと「あぁ~」彼女は顔をしかめ「私も…この名前で、散々からかわれているけどね」御手洗なんて…と、初めて思いきり、嫌そ…
「ダメなんだ… アイツ、休憩時間になると、教室からいなくなるし… 授業が終わったら、いつの間にかいないんだ」何しろ、気配もなくいなくなるので…陰で忍者か、と言…
「えっ、まさか それって」 神妙な顔をして、清子は彼を見つめるが…こらえきれなくなったらしく、急にプッと吹き出す。「やだなぁ~何を想像しているの? 噂よ、う…
それから「あっ」と思い出したような顔をすると、「誰も見なかったわよぉ。 見たのは、ソータロー、あんただけ!」 ニコニコしながら、清子は言う。「そうなんだぁ」…
「ね、ところで…誰か、見かけなかった?」 ようやく気を取り直して、本来の目的を思い出して、ソータローは聞く。「あっ、さっき、聞いてたことね」訳知り顔で、清子は…
「あんたねぇ~婚約者の顔を忘れて、どうするのよ」 清子は笑いながら、そう言う。(キヨコって、こんな子だったっけ?)ソータローは、ボーっとしていた。 「あっ、で…
(まさか…こんな所には、いないだろうな?) ソータローは、神社に繋がる道を見つめる。以前ばあちゃんが入院した時に、ここにお参りして、よくなった…という(偶然だ…
さっき帰った…というから、もしかして追いつくのではないか?ソータローはそれを期待して、急いで自転車置き場へと走る。 彼は普段は、チャリ通だ。雨の日は、バスで…
「ほら、転校生だよ!」「あぁ~神林くん?」 そう言われて… そうか、アイツ、神林という名前だったなぁ…今さらながら、ソータローは思い出していた。「そう、その神…
ソータローも1年の時に、転校して来た。もとはといえば…この町は、ソータローの祖母が住んでいた町だが、その時同居することになり…引っ越して来たのだ。 この町は…
「大体、新学期でもないのに、突然転校して来るなんて… アイツ、何か、やらかしたんじゃあないのか?」 顔をゆがめて言う委員長に、取り巻きの1人がうなづく。「わか…
「なぁ、知っているか? アイツ…一人暮らしをしているそうだよ」「へっ、ホントか?」「ホントだ、ホント!」「しかもアイツ…あの幽霊屋敷に住んでいるらしいぞ」「マ…