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午前十時の映画祭で「八甲田山」を見てきました。明治35年に青森県の八甲田山で発生した、日本陸軍の雪中行軍で199名が死亡した山岳遭難事件を題材とした映画で、ノンフィクション作品ではなく脚色が加えられています。映画は、弘前の陸軍師団が、ロシアとの戦争が不可避な状況を鑑み、極寒地における戦闘の研究を目的に冬の八甲田山で雪中行軍訓練を計画するところから始まります。あわせて、ロシアの攻撃で弘前~青森~八戸の輸送ルートが絶たれた場合を想定し、八甲田山を横断する輸送の可能性を調査するため、もう1隊の雪中行軍も計画します。この2隊はそれぞれ弘前市と青森市から出発し、途中、八甲田山ですれ違う計画でしたが、青森…
『海峡』(82)(1982.11.4.有楽座)健さんのストイックに耐える姿はいささか食傷気味である。この映画で感動を覚えたのも青函トンネルの貫通シーンぐらいのもので、後はひたすら耐える健さんと、それを陰ながら慕い続ける吉永小百合の姿を延々と見せられるのだから、もう勘弁という感じになるのだ。森谷司郎監督は、『八甲田山』(77)の成功以降、『漂流』(81)そしてこの映画と、自然に立ち向かう人間の姿をテーマにしているにも関わらず、スペクタクルの中で人間を描き切れずに空回りの大作を連発している感がある。そこにいつもながらの健さんの姿を置かれれば、見る側は「あーまたか…」という気分になる。単純に夢を成就させた男の姿として見ればいいのかもしれないが、主人公がかっこよ過ぎて違和感を覚える。また、脇役の描き方の失敗も大き...「BSシネマ」『海峡』
『日本沈没』(73)故国を失い難民となった日本人はどうなるのかhttps://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a821b681f0d0f857d9e625ead55a9836「BSシネマ」『日本沈没』
『動乱』(80)(1981.2.1.日曜洋画劇場)二・二六事件を背景に、時代に翻弄されながらも信念を貫こうとする寡黙な軍人とその妻の愛を描く。昭和7年、陸軍仙台連隊の宮城大尉(高倉健)は、身売りされる姉の薫(吉永小百合)を救おうと脱走した部下の溝口(永島敏行)を弁護するが、溝口は銃殺刑となる。やがて五・一五事件によって軍の対立が激化、宮城は、脱走兵を出した責任を取って朝鮮へ異動するが、そこで芸者として働く薫と再会する…。2部構成の大作だが、何とも長く感じた3時間だった。話のテンポが遅く、見ていて疲れた。この映画が興行的にこけたのも分かる気がする。例えば、『二百三高地』(80)に見られたような、見る者を引き付けるエネルギッシュな悲愴感がなく、なかなか映画に入り込めない。故に、ただの古めかしいものに見えてしま...「BSシネマ」『動乱』(『叛乱』)