「豚と軍艦」
昨日は「嵐を呼ぶ十八人」に続けて、二本立てだった今村昌平監督の「豚と軍艦」を見ました。今村昌平監督は、「にっぽん昆虫記」や「エロ事師たち」など、社会の底辺で生きる人間の生態を生々しく描き、そして社会の歪みを追求した「重喜劇」を多く作っています。この「豚と軍艦」もそのような重喜劇でしたが、笑わせどころが多く、他の作品に比べてコメディ色が強かったように思います。───物語の舞台は、昭和30年代半ばの横須賀。主人公の欣太は、ヤクザの組の下っ端の下っ端でしかない、ただの若いチンピラです。彼は、米軍基地の兵隊を相手に売春宿のポン引きをしたり、組が中国マフィアと組んで始めた、米軍基地の残飯を横流しした養豚…
2025/07/14 21:53