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PTSDと(m)TBI((軽度)外傷性脳損傷)、MI(道徳的負傷:モラルインジャリー)(6) ~「道徳的負傷:モラルインジャリー」概念の登場~
さて、これからは、今度はMI(道徳的負傷:モラルインジャリー)の方に話題を移しましょう。前回まで見てきた「(軽度)外傷性脳損傷」((m)TBI)がそうであったように、「モラルインジャリー」(MI)もまた、はじめは戦争(戦場での非倫理的な行動)から注目されるようになったものです:ベトナム、そしてイラクやアフガニスタンでの従軍兵士が、戦地での民間人殺害など自分(や仲間、上官)が犯した行為に、帰還後に苦しむ多くの事例があることから研究が進んできたのでした[Shay1994;Litzetals.2009:Svodoba2022=2023]。その先駆けは、1970年代、ボストン在郷軍人局病院でソーシャルワーカーとしてベトナム帰還兵の心理治療に専従していたセラ・ヘイリーの発見で[Haley1974]、それは兵士が“殺...PTSDと(m)TBI((軽度)外傷性脳損傷)、MI(道徳的負傷:モラルインジャリー)(6)~「道徳的負傷:モラルインジャリー」概念の登場~
PTSDと(m)TBI((軽度)外傷性脳損傷)、MI(道徳的負傷:モラルインジャリー)(2) ~「シェル・ショック」から「外傷性脳損傷」へ~
「外傷性脳損傷」(TBI)は、特にアフガン・イラク戦争以来の爆風等により多発して問題化されるようになったもので[Alexander2015,p.85]、アフガン・イラク戦争の戦地において、爆風を受けただけで、頭部に直接の外的損傷がないために、「異常なし」との診断を受けていた兵士が、帰還後に高次脳機能障害を生じたという例が2万2000人にも及び、詳しい検査の結果、(超音速の)爆風による衝撃波が血管を振動させながら急激に脳に達して神経細胞を破壊したためと判明したことから注目されるようになりました[毎日新聞2009.2.17-21]。次いで2007年7月には、帰還兵の団体が退役軍人省を相手取り、PTSDとともにTBIの適切な障害認定を求めてカリフォルニア州連邦地裁に提訴、同省は改善の必要性を認めて、TBIと認定...PTSDと(m)TBI((軽度)外傷性脳損傷)、MI(道徳的負傷:モラルインジャリー)(2)~「シェル・ショック」から「外傷性脳損傷」へ~
シリーズ 終わらない戦争② 封印された心の傷 戦争神経症 兵士の追跡調査~と祖父の話
こんばんは、ハイコの家ではカネタタキがめちゃめちゃ鳴いています。秋の終わりぐらいまで鳴いているので同じ個体が鳴いているのかちょっとわかりませんが、年々季節感がなくなっているような…。さて、また戦争のお話です。先日8月19日(木)に、クローズ
【閲覧注意】戦争犯罪を自身の身に置き換えて、如何に当事者意識を持つか 欧州安全保障協力機構(OSCE)報告書より学ぶ
閲覧注意】戦争犯罪を自身の身に置き換えて、如何に当事者意識を持つか 欧州安全保障協力機構(OSCE)報告書より学ぶ