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結局、僕のほうはなんとなくそわそわしつつ、夕方になるまでとりとめのない話をしながら過ごした。スターバックスを出て駅の反対側に回り、三日連続で同じ道を歩く。もう日が沈むというのに、まだ身体にまとわりつくような暑さで、小窪に訊いてみた。「暑いの得意?」「好きではないけど、寒いよりましだと思うな……」あぁ、なんとなくそんな感じ、と言葉に出さずに胸のうちだけで思う。小窪はどこか、寒いとすぐ風邪をひいてしまい...
「小窪がこのあたり一帯を箱庭だって言い切っただろ。あれからずっと考えていたけどたしかにそうだな」僕がそう切り出すと、小窪の目が揺れた。実は、と言っていったん言葉を切り、話し出す。「実は、きのう、じいちゃんに大学の話をしてみたんだ。ここは閉鎖的すぎて僕には息が苦しいから、外に出てちがうものをみたいって。そうするのも調律の糧になるんじゃないかって」「そしたら?」「うーん、若気の至りって言われて、それだ...
月夜の猫-BL小説です 春立つ風に(工藤×良太)232までアップしました BL小説 春立つ風に(工藤×良太)232までアップしました。限りの月(工藤×良太 Xmas Count Down)9 までアップしました。時間が経過してから、追加のエピソードを入れざるを得ないことがあったりで、以前の話を少し変更するとこ
月夜の猫-BL小説です 限りの月8 BL小説 「関西タイガースにCMオファーのアポを入れようと思ったら、そちらは青山プロダクションの広瀬さんが担当されていると言われてね、おや、と思ったんだよ。仲はいいとは聞いていたけどね」 「はい、沢村の意向でそういうことになってしまいまして。お話は持ち帰りまして沢村に話して
2022-12-17更新佐倉温さん作のBL小説 「極道さんは卒園式でもパパで愛妻家」の感想です。 2022.12.1発売のシリーズ最新巻 (出版社:KADOKAWA 角川ルビー文庫) (購入:コミックシーモア) いつも楽しみにしているこのシリーズ、 今巻ではいよいよ史が卒園式を迎えます。 表紙絵からしてなんとも暖かくて 幸せな匂いしかしてきません♡ が、そのまま平和に式を迎えられる展開など あるわけもなく・・・(笑 賢吾と史と、そろいのスーツを新調し 卒園式への準備も万端なところに とあるトラブルで賢吾が京都に行かなければ ならなくなってしまい さらには負傷したという連絡が・・・ 賢吾と一緒に卒園式に出られないかもしれない と知った史が、かなり頑固に駄々をこねるし 賢吾はケガをするし、で 板挟みの佐知さんがなかなか辛そうでしたが..
月夜の猫-BL小説です 春立つ風に231 BL小説 現に新人には最初きつい対応をするはずの大澤流に弄られても森村は笑っている。 良太ならとっくに言い返しているところだろうが、森村は冷静なのか沸点が高いのか。 「工藤さん、今日は珍しく暇なんですね」 前を走る工藤の車のテールランプを追いながら、次のロケ地に向けて森
2022-12-16更新今年の3月に 「電子の本棚ってどうしてる?」という記事で 電子書籍の本棚を どう整理したらいいのか悩んでいる ということを書いたのですが その後のご報告です。 前回から大きな変更をしたわけではなく 主な改善点は以下の2点。 冊数多めの作家さんの専用棚と ご飯もの(レシピを参考にしている作品)の棚を 増やしただけ。 本棚の数を大幅に増やすのには なんとなく抵抗があったのですが 目当ての本を探すのに 時間がかかったり、見失ったりすることが ますます増えてしまったので 正直しょうがなしにやってみたのですが これが思った以上にスッキリしたのです。 こんなことならもっと早くやってみればよかった。 数が増えたのでかなり長くなってしまいますが 現在の本棚の状態を記録しておきます。 _______________ 未読 ..
月夜の猫-BL小説です 限りの月6 BL小説 夕べは広告代理店プラグインのクリスマスパーティに良太も出向いたものの、いつもならいるはずのクリエイターの佐々木周平も顔を見せていなくて、佐々木のアシスタントの池山直子は何やら自棄になって酒をゴクゴク飲んだりしているし、良太もあまり楽しめなかった。 というのも、佐々木
BL小説「アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋 DAILY LIFE in NY」感想
2022-12-15更新名倉和希さん作のBL小説 「アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋 DAILY LIFE in NY」の感想です。 2022.12.02配信のシリーズ最新巻 (出版社:ダリア文庫e ダリア文庫e) (購入:コミックシーモア) ★前巻の感想はコチラ★ 発売を全くチェックできていなかったので コミックシーモアから 「あなたの新刊」として 本作がリストに出てきた時には 驚きと喜びでいっぱいでした。 ハワイで過ごしたバカンス(前巻)から 二人の住むNYに帰ってきてからのお話。 メインは時広の経営する英会話教室のことでした。 NYに来てから知り合った友人で ダンサーを目指している祐司の助力を得て 日本人向けの英会話教室を開いた時広と 安定のトキ溺愛っぷりを見せるアーサーの なんやかんやの日常。 物語開始早々の..
月夜の猫-BL小説です 限りの月1 BL小説 忙しい年の瀬に、クリスマス寒波によって主に日本海側や山間部は大雪に見舞われ、交通機関にも大きく影響が出た。 新千歳空港では飛行機の発着が遅れたため、空港内で乗客が一夜を明かしたのを筆頭に、西の方が積雪で空のダイヤが乱れている上、東海道新幹線も運休や遅延となっ
月夜の猫-BL小説です 限りの月(工藤×良太) BL小説 忙しい年の瀬に、クリスマス寒波による雪のため、京都から工藤が乗った新幹線は関ヶ原辺りで動かなくなり、東京でのアポイントを変更せざるを得なくなり、良太に電話を入れて代わりに行かせ、ついでによもや夜までには着くだろうと良太と食事の約束をしたのだが
月夜の猫-BL小説です 雪の街17(ラスト) BL小説 そうやってじわじわと豪を脅しておたおたさせている松田と朔也は元気の高校の先輩になる。 さらに松田はサッカー部の主将で、元気は部のアイドル的存在でもあったと、豪は伽藍の常連で元気のクラスメイトだった東からも情報を得た。 その後同じテーブルに座った豪と東は
月夜の猫-BL小説です 雪の街16 BL小説 「るせーな、俺は今日はここのバイトなんだよ。たむろしてねーで、手伝え!」 眉間にしわを寄せて朔也が言い返す。 「バイトだぁ?」 「だから、明日、元気とスキーつき合ってもらうって言っただろーが」 「おい、お前、また、元気、朔也にちょっかいかけてんじゃねーだろな」
月夜の猫-BL小説です 春立つ風に(工藤×良太)224までアップしました BL小説 春立つ風に(工藤×良太)224までアップしました。雪の街(朔也&元気)10までアップしました。春立つ風に、終盤です。
月夜の猫-BL小説です 雪の街10 BL小説 勢いよくドアが開いて、冷たい風がひと吹き店内を巡った。 「うーーーっす! 元気、そろそろステージ作るかぁ」 頭にバンダナを巻いた、がっしりした体型の髭面が大きな声で元気に声をかけた。 「おう、もちょっとしたらな」 顔を元気から朔也に向けた途端、髭面の動作が止まる。
月夜の猫-BL小説です 雪の街8 BL小説 カウンターの中に入った元気は、いくつかのオーダーをまとめて、だが優雅にこなしていく。 「おい、今日も一人なのか? バイトは?」 「ああ、紀ちゃん、夕方からきてくれることになってんですけどね」 のんきそうに元気は言うが、店内は一杯で、さらにドアが開いて、客が顔をのぞかせ