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僕はファンタジー作品が好きだが、好きなファンタジー作品には共通点がある。 それは、深い知識とその作者ならではの新しい要素がきちんと折り合って、奥深い世界観が構築されているかということである。 例えばファンタジーと言えば魔法であり、火の魔法、雷の魔法、水の魔法、いろいろある。 でも単にそういう魔法があるというのではなく、例えばそこに陰陽五行説の考え方を組み入れると、その魔法体系がいっきにリアルに感じられる。 火は水に弱い、水は土に弱い、土は木に弱いと、まあ、そんな感じだが、そうした考え方はおそらく世界中に共通するんじゃないかと思う。 熱に関しても物理法則に基づけば、 「龍が吐いた真っ赤な炎は周囲…
書くことに定年はない。 70過ぎた方が新人賞を受賞することもあり、そういうニュースを聞くと大いに励みにも感じる。ぜんぜん焦る必要なんかなく、まだまだ時間はたっぷり残されているんだと思っている。 ただそういうこととは別に、やっぱり文学の歴史、いや、あらゆる分野において、新しいうねりを作っていくのは若者なんだと思う。 若い人の新しい感性、情熱が古くさい常識やら、固まり切ったしがらみを断ち切っていく。 そう言う意味で、僕は若い人の書く物語の方に興味がある。 興味というか、若い人には熱い物語を書いて欲しい。 激しい恋愛をし、友情を深め合い、理想に燃えて、挫折して、苦悩して、泣いて、笑って、怒って、叫ん…
以前、好きな時代と書きたい時代は違うみたいな話をしましたが、それと同様に、書きたいジャンルと読みたいジャンルの違いということを書いてみたいと思います。 僕が書きたいものは何度も取り上げているように、人間の叫び声が文章の中から聞こえてくるんじゃないかっていうぐらいの物語です。 当然、そういう物語が好きで読みもしますが、読者の立場となると、実は一番好きなのはミステリーです。それも、少しホラーなりオカルト要素が入ったもの。そういうのが凄く好きです。 映画の方が皆さん分かると思いますので、映画で言うと「セブン」とか。「エクソシスト3」という映画があります。僕はあんまり続編は好まないんですが、これは「エ…
【小説の書き方について考える】いつまでも心の中に残り続けるもの
「ぐりとぐら」という絵本がある。 その中で、ぐりとぐらがリュックを背負い、大きなフライパンを持って森の中でパンケーキをつくるという話がある。 大きなボールに卵と牛乳と小麦粉を入れて、持ってきた大きなフライパンで焼き上げるのだ。 そうするといい匂いが森中に漂ってきて動物たちが集まってくる。 みんな、どんな美味しい食べ物ができるのかと期待しながら待っている。 ようやく出来上がったパンケーキ。 まっ黄色くて、フライパンからあふれんばかりにふっくらして。 僕は今でもその絵を鮮明に覚えている。 大人になって、美味しいパンケーキやホットケーキもたくさん食べたが、やっぱり僕の中では、あのパンケーキ以上のもの…
最近、お笑いにはまっている。 一時、内輪ネタばっかりで盛り上がる風潮に飽き飽きして、全く見なくなっていたが、嫁さんと娘が「有吉の壁」という番組が好きで、毎回見せられるたびにはまってしまった。 この番組の何がいいって、よくある順繰りに出てきてコントや漫才披露っていうのではなく、毎回ロケ場所を変えてそこにあるもので笑わせるという芸人の臨機応変さがみられるところや、コンビ間のコラボにより新しい魅力が出てくるところ、いろんな企画があってその芸人の意外な面白さを感じられるところだ。 みんな面白いけど、とりわけチョコレートプラネットやシソンヌ、ジャングルポケット、パンサー、友近さんなどは本当に面白い。 こ…
書きたい時代というのがある。 でも、それは好きな時代とは少し違う。 どういうことかというと、例えば僕は例にもれず戦国時代が好きだ。 特に信長に憧れる。 幕末も好きだ。 新選組、特に土方歳三の大ファンだ。 でも、その時代を舞台に書きたいとはあまり思わない。 まあ、その時代はすでにたくさんの作家が書いていて名作も多いし、いまさら僕が書いてもなという気が起こってしまう。 というわけではないが、僕が書きたい時代として一番にあがるのは奈良飛鳥、平安時代だ。 どういうわけかこの時代に憧れる。 なんというか、豪奢な平安貴族がいる一方で道端に腐った死体が転がっているような妙なアンバランス。統治能力がまったく感…
今日はカクヨムで書いている人にとって非常に関心の高い「注目の作品」コーナーへの掲載条件に関する考察をしてみたいと思います。 読者にとって唯一の導線といってもいい「注目の作品」コーナー。 ここに載る条件は、前日に★をもらうことというのが定説のようですが、カクヨムで1年ほど書いてきて、もう少し複雑な条件があるような気がしているので、今日は僕の仮説を述べてみたいと思います。 まず、カクヨムには通常のデスクトップ画面と、スマホアプリ用の画面があると思います。 通常の画面は、トップページにでかでかと注目の作品が11個並んでいるのは誰でも知っていると思います。とりわけ上の2つは大きいので相当インパクトあり…
昨日、ある方からこんなコメントを頂戴した。 ……世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを著者が面白そうだと思う。 世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを読者の一人が面白そうだと思う。 著者の面白そうと読者の面白そうが一致する確率は 1/100 X 1/100 = 1/10000 一万に一つ。…… 一万人いて一人にしか読まれないか。 だが、意外とそんなものかなと思った。 ベストセラーと呼ばれるものは、だいたい10万部くらいか。だが、それは宣伝の効果もかなりある。 大抵の新人作家の初版は5千部か、よほど大きいところなら1万部も刷るのか。 日本人の中で赤ちゃんや病気の方…
★★★ Excellent!!! カクヨムビギナーの必読エッセイ カクヨムビギナーでPVの少なさに落ち込み、カクヨム辞めようかなと思っている人がいたら(数日前の私です)、まずこのエッセイを読むことをお勧めします。 カクヨム歴長めの方も勇気付けられる内容かもしれませんね。 個人的には、たくさん勇気と知恵をいただきました。作者のぶんちくさんに心からお礼を言いたいです。 昨日、ある方(Kさん)から、こんなレビューをいただきました。 なんでこんなPV少ないんだ、やめようかな…… みんなそう思ったことあると思います。僕も初めてもらったMさんからの応援マークがなかったら、やめていたと思います。 人間はずっ…
目的? どういう意味? って思うかもしれませんね。 でも、これって物凄く大事です。 つまり、あなたは何のためにカクヨムで書いているんですかってことです。 読んでもらうために書いているに決まっているじゃないか! みんなそういうでしょうね。 じゃあ、何人に読んでもらえば満足するんですか? 百人のフォロワーがつけば満足しますか、それとも千人ですか。 一万PVまでいけば満足ですか、十万までいかないとダメですか。 ★が100あれば満足ですか、それとも300は欲しいですか。 それはとめどない欲望の海です。 どこまでいってもキリはありません。 仕事の合間に物語を書くのが好きなだけなので、誰かに読んでもらえた…
一般文芸書いている人がカクヨムで読まれたいというなら、まあ、これに尽きるでしょう。 その前に、一つ大事なことを言っておきます。 いい作品を書けば読んでくれるだろうなどという甘い幻想は捨てなさい。 カクヨムでは良い作品を書いたところで基盤がなければ全く読まれません。 唯一カクヨムで何もしなくても読まれる可能性があるのは、エロラブコメと妄想系異世界ものだけです。つまり妄想好きな中高生のハートをがっちり掴んだ作品だけがガンガン読まれます。だって、そういう人がユーザーの圧倒的多数を占めているんだから。 じゃあ、一般文芸作家が読まれるためにはどうすればいいか。 同じく読んで欲しいと思ってる作者同士が仲間…
カクヨムを始めた直後は継続的に投稿した方がいいと以前に書いたと思うが、ストックがないならとにかく書くしかない。 ここで一つ忠告だが、いきなり長編を書くのはやめた方がいい。 長編は大変なエネルギーを要求されるし、読まれないときの心的ダメージは計り知れない。幸い僕はある程度読者を確保してから長編を書き始めたので、今連載中の長編はどれもフォローしてくれる人が結構いるが、これがフォロワー数0になって、PVまで0になったらさすがに心が折れると思う。小説なんて二度と書くかという気にすらなってしまうかもしれない。 そういうリスクがあるので、最初はとにかく短編を書くべきだ。 その際には、同題異話ということで、…
僕はカクヨムのユーザー層に対して一つの仮説を持っています。 カクヨムのユーザーは2種類に大別される。 書く人と書かないで読む人の2種類だ。 書く人というのは、それぞれいろいろな動機を持っているとは思うが、この連載で何度も取り上げているように、誰もが少なからず読まれたいという秘められた欲望を抱えている。 だから自分の作品を読んでくれる人、自分と交流している人の作品は読むが、そうでなければよほど自分にためになるか、共感できる作品でないと積極的に読むことは少ないんだろうと感じる。 もう一つのタイプ、すなわち書かないで読む人だが、僕はこの層の大半が10~30代だと感じる。 まあ、もっとぶっちゃけて言え…
今、執筆中の長編で僕の中で課題にしていることがある。それはキャラの個性を書き分けられるかということだ。 人にはいろいろな個性がある。 勇敢、賢い、優しい、元気、そういういわゆる誰からも好かれるような性格もあるが、頑固、臆病、ずる賢い、自分勝手、傲慢というようなどちらかと言えばマイナスの性格もある。 僕はこの長編で6人の少年少女をメインキャラとして扱っているが、この6人にも当然性格の違いがあり、その違いをしっかりと書き分けたいと思っているのだ。 さらに付け加えていけば、主人公と敵役というポジションすら無くしてしまいたい。どちらが正しくて、どちらが悪かということすら固定せずそれぞれのキャラたちを書…
長編をどこで終わらせるかということは、いろいろ議論があるだろう。 ちゃんと終わりを見据えているのであれば何も問題ないが、マンネリになってしまうことも少なくない。 たとえば、北斗の拳という漫画がある。 あくまでも僕個人の意見だが、あれはやっぱりラオウの死で終わった方が良かったのではないかと思う。 カイオウ編がだめだと言うのではない。ただ、ラオウの死までがあまりに完璧すぎて、そこで終わればまさに伝説となっただろうなと思うのだ。 だがそんなことを思いつつ、カイオウ編が始まったとき、まだ続くんだと喜んだ記憶も自分の中には確かにあったのだ。 つまり僕の言っていることは、全部終わったあとにあそこで終わって…
今、僕が書いている物語は群像劇的な性格を持たせている。 メインキャラは確かにいるのだが、そのキャラの視点だけでない別なキャラの視点での世界観を描きたいと思っているからだ。 だがそういう群像劇を成立させるためには、主人公以外のキャラにもメインキャラに匹敵するくらいの存在感と存在理由を与える必要がある。 そういう書き方はある意味でかなり難しい作法であることは確かだと思う。 一人の人生を書くのですら大変なのに、複数の人間のドラマを並行的に書かなければならないのだから。だが上手くいけば、それぞれのキャラが一つの楽器のように音を奏ではじめ、まさにオーケストラのような重奏的な調べを生み出し始める。 複数の…
小説のネタというのは至る所に転がっているが、やはり自分が経験したことが一番リアルに書きやすい。 でも、そんな小説のネタになるような体験なんてしてないしなあという人がいるかもしれないが、それは物事を表層的にしか見ないからそういう発想になるんだと思う。 以前、自分の恋愛体験をもとに女は謎だというテーマのエッセイを書いたが、意外と好評だったようで、男は謎だという逆パターンを書かれた書き手さんもいた。やはり恋愛ものは多かれ少なかれ万人が興味を持つテーマだと思うし、男と女が織りなす最高の駆け引きであり、人間ドラマの縮図だと思う。どんな恋愛だって、そこには人と人との心の交錯があり、ネタにならないはずがない…
今日も聖書ネタから。 僕が聖書に興味を持ち始めた最初のきっかけは、たぶん20世紀の終わりのころだったと思います。その頃、世界が滅びるとかそんな本がたくさん出てましたが(ノストラダムスの大予言とか日本沈没とか)、その中に聖書の黙示録があったのです。 僕は黙示録の世界に引き込まれました。 七つのラッパを吹く天使、四人の騎士、龍(サタン)、666の獣、バビロンの大淫婦、新しい天と地…… 最初は、こうした謎めいた言葉や世界観に引き込まれましたが、今は、まさに現代と黙示録の世界との対比という視点で関心が深まっています。 四人の騎士がというものがいます。 黙示録には、こう書かれています。 「小羊がその七つ…
聖書は面白い話の宝庫なので、今日も少し取り上げてみたいと思います。 創世記にカインとアベルという兄弟が出てきます。この二人はエデンを追放されたアダムとイブが生んだ最初の子どもたちです。 このうちカインは畑を耕し、アベルは羊を飼うものとなります。ところが神はアベルの捧げものは受け取ったのにカインの捧げものには見向きもしません。これに腹を立てたカインは野原にアベルを呼び出して、殺してしまいます。 そして神が「アベルはどこにいるか?」とカインに尋ねると、カインは「知りません。私は弟の見張り番なのですか」と神に対して嘘をつきます。 神はこの罪に対して、カインを荒れ野に追放するのです。 つまりカインは人…
僕は別にキリスト教信者でもないし、聖書に造詣があるわけでもありませんが、意外と僕の書く作品には聖書を題材にしたものが多いです。 僕が聖書に惹かれるのは神と呼ばれる存在にあまりに理不尽な点が多いことと、それに振り回される人間たちのドラマが物凄く魅力的だからです。 例えば、アブラハムという人がいます。 アブラハムはいわばユダヤ人の始祖みたいな人で、神はアブラハムに約束の地を与え、お前の子孫を星の数ほど増やそうと言われた。 ところがそう言っているにも関わらず、神はアブラハムに試練を与えます。 ある日、神の声が聞こえて、大事な一人息子のイサクを神への捧げものとして、燔祭(いけにえの動物を祭壇上で焼き殺…
今、書き終わった作品の推敲に時間をかけているのですが本当に難しいです。改めて見ると、だめなところがたくさんありすぎて嫌になります。 今日はどういうところが駄目なのか、少し一般化してご紹介したいと思います。 その一 接続詞が多すぎる これはついつい使っちゃんですが、文芸作品として見たときにほんと余計。「そして」なんて、相当省きました。 結局、話し言葉の感覚で地の文で書いちゃうから、なんとなく書いちゃうんですが、改めて見ると邪魔な感じが物凄くあります。 その二 意味の分からない喩えを使っている 作家マニュアルには陳腐な形容詞を使うななどとありますけど、それを真に受けて、意味不明な喩えをすると読みに…
小説を書くときにWeb向けと紙向けとでは全然違います。 特に横書きと縦書きの差というのは歴然としてあります。 このことについても少し旧エッセイに書いたのでご紹介します。 最近、書き方を紙向けの仕様に戻している。 一時、WEBで読みやすいように敢えて間隔をあけたり、段落を早めに変えたりしたが、やめた。 なので皆さんが僕の作品を見たときに、うわっ、字いっぱいで見ずらいっていう方もいるだろう。でもまあ、それは勘弁してくださいという言うほかはない。 いずれどこかの新人賞に出そうするならば、やはり縦書きの作品として形になるような体裁を取りたいと思うし、そういう表現にしたいと思っているからだ。 もちろんW…
昨日女性キャラのことを書いたので、今日は魅力的な脇役について考えてみます。 面白いエンタメ小説の鉄則として、主人公と同じくらい、いや、それ以上に魅力的な脇役が存在するというのがあります。 漫画の方が分かりやすいので適当に並べてみますが、 『機動戦士ガンダム』の赤い彗星のシャア『北斗の拳』の世紀末覇者ラオウ『ジョジョの奇妙な冒険』の悪の帝王ディオ『進撃の巨人』の人類最強の兵士リヴァイ 僕がちょっと思いついただけでもこれだけ出てきますが、皆さんの中にも、いやあいつだ! こいつもいるぞ! と百家争鳴、山のように出てくるでしょう。 ルパン三世などはルパンの魅力もさることながら、次元大介、石川五右衛門、…
昨日女性のことを書いたので、関連して、女性キャラの書き方について考えてみたいと思います。 僕は男です。 当然、女性の心理などはまったく分かりません。 女性の心理が分かっていたら、あんなにふられることもなかったろうな……そんなことはどうでもいい。 とにかく、僕は男なので女性キャラを書くのにいつも難しさを感じます。 長編では、だいたいヒロイン的なキャラを配置することが多いのですが、それは、人生において男と女の関係というものは切っても切れないし、それが抜け落ちたものは人間ドラマとして完全ではないと思っているからです。 まあ、常に恋愛に発展させるわけではありませんが、男として、女としての感情はなるべく…
皆さんは、どういう方に読んでもらおうとして書いているでしょうか。 これは意識してない人もいるかもしれませんが、実は、うっすらとは心の中にあるはずだと思うのです。 女性、男性、学生、中年、エロい人、妄想好きなWeb住民…… 僕が最初想定していたのは若者でした。 僕が書くのはほとんどが人生ドラマであり、その中で一番言いたいのは、夢や希望を持って欲しい、困難なことであっても挑戦する気概を忘れて欲しくない、生きることはやっぱり素晴らしいんだということをまさに現代の若者たちにぶつけたいと思っているからです。 ただ、カクヨムで書き始めてから感じてきたのは、意外と女性の方が読んでくれているような気がするので…
僕は、常に何かにはまってないとだめなタイプで、しかも、はまった以上は結構突き詰めるまで頑張るタイプなんです。 学生時代はギター、麻雀、そして狂ったようにビリヤードにはまりましたし、仕事についてからは、サッカー、マラソン、そして今はまっているのが小説を書くことなんです。 そして、自分がはまったこと全てに共通するのは、自分が納得するまでとことんやるってことなんです。負けたからとか、上手くできないとか、そういう理由では辞めない。とにかく、頑張って練習する。 そうしているうちに、自分の器が見えてくるんですよね。 自分はこのくらいかなと。 そこまでたどり着いて、ようやく納得するんです。まあ、このくらいで…
面白い小説、読まれる小説に欠かせない要素に「謎」があります。 ミステリーにとどまらず、現代ドラマであれ、ファンタジーであれ、恋愛であれ、謎がなくては面白くありません。 僕たちが小説を読む理由はいろいろあると思いますが、知的好奇心を満たしてくれるという要素は非常に大きいと感じます。 知的好奇心を満たす小説――つまり謎が解き明かされていく面白さを持った小説ということです。 たとえば恋愛で考えてみましょう。 ある女性と男性がいたとして、その女性には何か謎めいたところがある。そんな女性に男性は惹かれていく。でも、どうしてもその女性は、男性の想いを受け取ってくれない。 いったい、彼女が抱えているものは何…
カクヨムで楽しむためには、何人かの仲間が必要ですよと以前書きました。 でも、自分の作品のレベルがどのくらいなのかを知るには、別な人たちのことを考える必要があります。 それは、読み専門のユーザーさんのことです。 カクヨムである程度経験を積んでくると、ペンネームなどつけないIDアカウント丸出しのユーザーさんが見てくれるようになります。 この人たちは、純粋に小説を読むためだけにカクヨムに参加している方々で、まあ簡単に言えば、この人たちにどれだけ読まれるかが、書籍化されるかどうかの一つの判断基準になるんだと思います。 もちろんジャンルによって、読み専門のユーザーの絶対数は全然違います。 おそらく異世界…
初めに オチ 一話目の重要性 キャラクターの重要性 ストーリーとテーマ 風景描写 ハッピーエンドとバッドエンド 感動 B6ノート 魅力的な世界観 終わりに 初めに 小説を書くということは、自分自身の中にあるものを絞り出すことだと思う。だから、自分の中にないものは書けない。誰かの真似をして書き始めても、絶対に途中で筆が止まる。 自分の中にあるもの、だが決してそれは特別なものである必要はない。特別な体験など何も必要ない。肝心なことは、自分が何を感じ、どう伝えるかだ。 そうは言っても、小説という枠組みの中で表現する以上、小説を書くための一定の作法は知らなければならない。 視点や人称、言葉の重なりの回…
本が売れるか売れないかというのは、作品の出来よりも時代のニーズに沿ったものかどうかということが往々にあります。 ある意味、生前は全然売れなかったけど、死後に評価されるなんてことは文学だけでなく、あらゆる分野でざらにあることでしょう。 あのゴッホが書いた絵だって、生前中に売れたのはたった一枚ですよ! 近代文学の歴史でも、写実主義、ロマン派、私小説、戦後派など、時代時代によっていろいろな文学が一世を風靡してきました。 結局、そういう流行ってのは今でもあって、時代を反映したものがやっぱり売れるんですよね。 そういう意味では、現代の異世界転生やハーレム系ラブコメの人気なんてのは、現代の流行ということな…
僕がお金払って小説買うかどうかを決める大きな要素の一つに、その作品又は作者に魅力的な世界観があるかどうかということがあります。 魅力的な世界観? 首を傾げる人もいるかもしれないし、これは僕しか思ってないかもしれないので、少し説明が必要かもしれません。 小説とはいわば作者が創造する世界です。 つまり作者と言うのはその小説を支配する神であり創造主でもあります。 だから小説には、その作者のこれまで培ってきた経験、知識、そして信念や想いが凝縮されているはずだと思うのです。 そうしたものが全て注ぎ込まれているのが小説だと思うのです。 当然そこには作者の個性が滲み出てきます。 成就されない恋愛を好む作者。…
僕はいつもB6のノートを持ち歩いています。 リング綴で、しかもリングの輪の中に三色ボールペンをつっこめるくらいリングが大きな奴です。 そこに、小説のアイデアやら場面やら思いついたことをぐちゃぐちゃと書いています。 なんですが、とても他の人が読めるような代物ではありません。個人的な話で恐縮ですが、僕は左利きであまり字が上手じゃありません。しかも、速記するので、何が書いてあるのか自分でも読めないときがあります。 ただ、大事なところはぐるぐると丸をつけたり、赤字で書いたりしているので、おぼろげながら、ああそうだったなと思い出せます。 いま、書いている長編も、そんなB6ノートから生まれました。 ちらっ…
カクヨムに小説を投稿する皆さんは、いろいろな動機があるんでしょうね。 昔から物語を作るのが好きだった、単なる気晴らしに、誰にも言えない思いを吐き出したいんだ、いやいやとにかく作家になりたいんだ――なんだっていんです。創作とは人間の持つ欲求の一つである想像力の発露ですから、それだけで目的は果たされているんです。 ところが、人には評価されたい、承認されたいというこれまた困った欲求があるんですよね。これが抑えきれないと、読まれたい、★が欲しい、と心を焦がすことになってしまいます。 僕が思うに、承認されたい、評価されたいという気持ちは誰だって絶対にあるし、それもまた人間の欲求であるから無理に抑える必要…
僕は物凄く涙もろいです。 感動すると、すぐに目頭が熱くなってしまいます。 一度泣いた映画は、何度見ても同じ場面で涙が溢れそうになります。 そんな僕は、自分の書いた物語でも泣いてしまうのです。 その場面を読み返すと、自分が書いたはずなのに涙が出てくるのです。 そういう場面は、実は書いてる最中から目頭が熱くなって、思わず涙が出ることが多々あるのです。 今執筆中の長編があるんですが、書いていたら思わず涙が出てしまい、ティッシュで目頭を拭う羽目になってしまいました。 なにやってんだと笑われそうですが、実は僕にはどうしても譲れない一つの信念があるんです。 そんなことを旧エッセイに書いたので、ご紹介します…
小説を書く時間って、皆さんいつなんでしょう。 朝書く人もいるでしょうし、睡眠時間を削って書いている人もいるでしょう。週末に鬼のようになって書いている人もいるでしょう。 まあ、それはその人が一番書きやすい方法で書けばいいと思います。 僕は仕事もあるので、書くのは朝方、だいたい五時から七時くらいまでが多いです。夜は一日の疲れもあるし、早く酒を飲みたいので、ほとんど書いたことがないです。 土日も意外とおんなじで、日中はいろいろあって、あんまり書きません。 じゃあ、朝のその時間はよほど根詰めて書いてるんだろうと思われるかもしれませんが、そうでもなく意外とすらすら書いています。 実は僕は、次の朝に書くべ…
カクヨムにはキャッチコピーがありますね。 色も選べて、あの題名よりでかでかと表示される奴です。 ところが、キャッチコピーをつけない人がいます。 僕にはそれが信じられません。 そのことについても旧エッセイに書いたので、それを紹介します。 カクヨムではキャッチコピーの効果は大きい。 たぶんカクヨムさんは、作品を書くことに加えてセルフプロデュースも作者にとって必要なことと考えているのだろう。なので題名よりでかでかと表示される。 そんなことなので、皆、なんとかして人を惹きつけるものをと頭を悩ます。 そんな中、キャッチコピーを付けない作品(人)がある(いる)。 僕はその心理が理解できない。 キャッチコピ…
僕は基本的にはハッピーエンドの物語が好きです。 特に心が弱ると、エネルギーを補充するかのようにハッピーエンドの物語を求めてしまいます。 だからではありませんが、僕はジブリシリーズの大ファンです。 特に初期の作品は何十回見たか数えきれません。 疲れているときは、「となりのトトロ」か「魔女の宅急便」 力をもらいたいときは、「天空の城 ラピュタ」か「もののけ姫」 のんびりしたいときは、「紅の豚」か「耳をすませば」 あと、純粋なジブリではありませんが、宮崎駿作品のルパン三世の「カリオストロの城」も大のお気に入りです。 でも僕が求める、いいハッピーエンドの物語って、主人公が苦しまないとダメなんですよね。…
今日からは少し、面白い小説とは何かみたいなことを考えてみたいと思います。 ただ僕はプロの作家でもなんでもないし、文章関係の仕事をしているわけでもないので、あくまでも読者の視点に立って、論じてみたいと思います。 面白い小説、読み応えのある小説にはいくつか共通する要素がありますが、その中に僕が大事だと思う要素としてオチというのがあります。 オチ? と思われる方のために、僕のいうオチを少し説明したいと思いますが、昔書いたエッセイにその部分を語ったものがありますので、それを紹介したいと思います。 どんな小説にもオチが必要だ。 そう言うことを言うと、いや、純文学にオチなんて必要ないという人がいるかもしれ…
小説投稿サイトで連載作品を投稿すると、絶対面白いのにと自信があるのに、最初のつかみが悪くて、読んでもらえないことがままあります。 これはWeb小説全般に言えるんじゃないかと思うんですが、一話目でその作品を読むかどうか決める人って結構いるんじゃないでしょうか。 新人賞の一次選考などでも、最初の10枚でだいたい合否が決まるらしいです。原稿用紙10枚と言えば3000から3500字程度。WEB小説ではだいたい一話分に相当します。 実はWEB小説では、このくらいの長さが大きな意味を持っています。なぜなら、WEB小説を読む大半の人は、通勤時間の合間に、ランチ後のひと時に、授業で先生の目を盗んで(おいおい……
今回はキャラクターについて考えてみたい。 物語を作るにあたって、魅力あるキャラクターができると、それだけでその物語は輝きを増します。 極端な話、面白いストーリーだけどキャラがイマイチというのと、ストーリーは平凡だけどキャラが立ってるとなれば、断然後者の方が読まれると思う。 それじゃ、魅力あるキャラクターとはどんなものだということになるが、まずは個性があるということが第一条件になるでしょう。 つまり、読者の頭にありありと想像できるくらい、分かりやすいキャラということです。 ここで勘違いしないで欲しいのが、例えば、学園一の美少女とか、イケメン高校生などというのは全く個性にはならないということです。…
小説を書く上で風景描写は大事な要素ですが、実は僕は風景描写が苦手です。 そんなことも旧エッセイに書いたので、ちょっと拝借します。 自分でいうのもなんですが、僕は会話文は結構、サクサク書けます。反面、物凄い苦労するのが風景描写です。 全く詩的センスがなく、風景描写を二、三行書くだけで、一時間以上かかることがあります。 なので時折トレーニングのつもりで、目の前の風景を口に出して表現することがありますが、さっぱり上手になりません。 ほんと、詩や俳句を上手に書ける方がうらやましいです。 そんなふうなので、最近では風景描写は諦めて、ドストエフスキー流に心理描写メインで書こうかななどと不埒なことを考えてま…
僕が考える面白い小説の要素の一つは、起伏のあるしっかりとしたストーリー構成です。 ただ、これはいろいろな書き方があると思います。人によっては全部の場面をあらかじめ考えてから書く人もいるし、とにかく書き始めて筆の勢いに任せていく人もいるらしい。そういう人はラストもよく分かってないこともあるそうです。純文学だと後者でもよさそうな気もしますが、エンタメではそれはかなり危ないでしょう。 僕はエンタメ系の作品が多いので、一応は、ある程度のプロットを決めてから書きます。 でも、それはかなりアバウトです。本当にアバウト。 前回、キャラになり切ると書きましたが、キャラがプロットの方に進んでいかないこともままあ…
カクヨムでは、小説を投稿する際にジャンルを選択する必要があります。 皆さん、どう決めてます。 意外とそれの影響って大きいんですよね。 これも、以前のエッセイで書いたことを少し引用してみます。 おそらく、皆さんも新しい作品を書いてジャンルを選ぶときに幾分か悩むことでしょう。 ジャンル選択の影響は意外と大きい。 ミステリーなど、一回★をもらうだけで、一週間近くトップ画面に食い込める。これは自分の実体験だ。 現代ドラマも狙い目だが、同時期に強力な作品があると、トップに食い込むのは難しい。 異世界ファンタジーやラブコメなどは僕が語るまでもなく、★が千を超える作品が、トップ100の中にうようよしているの…
初めに カクヨム体験記 1 読まれない 2 初めての★、初めてのコメント、初めてのレビュー 3 二作目を投稿 4 承認欲求の恐ろしさ 5 『SEX』 6 ライブで書く楽しさ 7 長編執筆の大変さ 8 ロイヤリティプログラム 9 カクヨムコンテスト 初心者の戦略 10 目的の明確化と取るべき手段 11 ★の意味 終わりに 初めに カクヨムという小説投稿サイトがある。 僕はかつてそこで小説を書いて投稿していたことがある。 そこで過ごした時間は、僕にとってはかけがえのない時間だった。 同じ趣味を持つ人たちと出会い、交流し、作品を読み合い、自分の作品のレベルがいったいどれくらいのものなのかをある程度知…
私はこれでカクヨムやめました 前回は何人か気の合う仲間を作ろうという話をしました。 でも、じゃいったい何人作ればいいんだという人がいるかもしれません。 僕はこう答えます。そんな人が一人でもいればそれで十分だと。 もっと、はっきり言います。一人作るだけでも本当に大変なんですよと。 数を増やすことに目がいってるとしたら、あなたの目的はもう変わっています。それは、自分に都合の良い人を増やしたいというだけになっています。 そんなのは相手に絶対に伝わります。誰だって、そんな人と深い付き合いをしたいとは思わないでしょう。 でも、一人でもそういう人ができたとしたら、不思議ですけど、また一人、また一人となぜか…
今回からは、カクヨムで読まれるためのテクニックについていくつか感じたことを綴っていきます。 私はこれでカクヨムやめました 前回までで僕がカクヨムでどういう経緯をたどってきたか、皆さんよくお分かりのことと思います。 ここからは、僕が感じたカクヨムライフのアドバイスというか、創作論みたいなものをちょこちょこ書いていこうかと思いますので、もし興味があれば引き続き、よろしくお願いします。 さて、お前の体験談はよく分かった。それよりも最初はどうしたらいいんだという人がいるかもしれません。 それに対する答えは、あなたがカクヨムで何を求めているかによります。 もしあなたが作家を目指している、とにかく書籍化し…
私はこれでカクヨムやめました ロイヤリティプログラムから始まった変化に対して、幾ばくかの不信感は生まれつつありましたが、それでも僕はまだカクヨムが好きでした。それはひとえに、仲良くしてもらっている人たちとの交流によるものでした。ある意味それはSNS的といってもいいかもしれません。 そのときの気持ちを書いたものも旧エッセイにありますので、ご紹介します。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ カクヨムって、ある意味SNS的だと思う。 それを良いと思う人もいれば、面倒だと思う人もいるだろう。 単に、小説を読んで欲しいだけなんだ! と言う人もたくさんいると思う。 それは、全然否定しない。僕も最初そうだった。 だけ…
カクヨムライフを満喫していたその頃、カクヨムに新たな風が吹き始め、僕にも大きな影響を及ぼし始めます…… 私はこれでカクヨムやめました 結局、僕は読者の支えに助けられて、再び書き始めることとしました。 そして、少し新しいことにも挑戦してみようと、現代ドラマばっかりじゃなくて、昔話風の短編やエッセイ、パロディなんかも書いてみたのです。 特にエッセイでは今までコメントでしか会話できなかった人たちとかなり親しくお付き合いさせていただいて、本当に楽しい日々を送っていました。 そんな中、カクヨムに大きな変化が生まれようとしていました。 ロイヤリティプログラム*1。の開始でした。 そして、いざそれが始まると…
『カクヨムの天使』、『SEX』、『42.195キロ』と立て続けに短編を投稿し、たくさんの評価をもらった僕は調子に乗って、新たな試みとして長編執筆に挑むことにしました。ところが…… 私はこれでカクヨムやめました ここまで、手持ち作と思い付き短編で予想もしなかった反響を得た僕は、今度は長編を書いてみようかと思い立ち、『42.195キロ』を書き終えた翌日から、考えなしに新しい新作長編『鎮魂の唄』を書き始めてしまいました。 ですが、プロットだけ決めて適当に書くようになっていた僕は、この物語を書くのに物凄い苦労をするはめになったのです。 そして、小説を書くのはやめようとさえ思うようになってしまったのでし…
『SEX』でカクヨムの中に確固たる地位を築いた僕は、新たな作品へと取り掛かります…… 私はこれでカクヨムやめました 『SEX』を公開して、曲がりながりにも、月間一位という勲章を得ることになった僕は自信がついてきました。 自分の書く物語は見てもらえるんだ、それなりに評価してもらえるんだという自信でした。 それは、もう小説を書くのなんかやめようかと思っていた自分にとっては物凄く大きな変化でした。 そしてもう一つ、作品を書くことに対して、それほど構えることがなくなりました。 最初の頃は、最初から最後まで書ききってから出さないと、それでもここが違うんじゃないか、この表現でいいだろうかと、ずっと悩んだも…