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絵画が技術の蓄積として人を楽しませるところは大いにあるでしょう。時計細工のように複雑なメカニズムが絵画という形態をとり、どう描いているのか分からない魅力的な謎として鑑賞者に受け取られる。それに対して芸術は精神を開放してくれるから肯定すると、規則や法則、技
絵画は伝説や神話などの物語を語り伝える手段として発展してきました。誰が、何時、何処で、何をしたのかを伝えようとしたのです。そのために必要な表現方法が工夫され、踏襲され、改革され、発展してきました。はじめは基本関係が図示されただけでしたが、次第に具体的な場
本当のところ、絵画が表現するのはモチーフとなった対象物の再現ではありません。モチーフが何であるのか伝わらなければ画家が描いた世界への物語がわかりませんから、モチーフが何であるのかはわからなければなりません。そこで絵画ではモチーフが何であるのか分からせるた
絵画は「表現」と言われます。かつて絵画が扱う「表現」は対象の表現でしたが、いつの間にか「自己表現」へとすり替えられました。自己の感情や感覚、テイストやユーモア、自分の出自や政治姿勢などを「表現」するメディアとなったのです。「表現」の拡大解釈です。過去の
絵を描きたいけれども何を描いて良いのかわからない。テーマはどのようにして見つけるのですか、という質問をよく受けます。テーマは何でも良いのです、と答えます。尋ねた人はキョトンとしてなんのことかわからない表情をします。テーマはとりあえず絵を描く前進力となる行
芸術は個人のものというのが私の考えですので、政治化する芸術はプロパガンダや洗脳の類と感じ警戒することにしています。タトリンやデュシャンやモンドリアン等の作品は皆美しいのですが、抽象化し政治化したモダンアートには怖さを感じてしまいます。政治が個人を押しつぶ
19世紀に生まれた世間の常識と戦う芸術家像は20世紀になると政治的な目的のために利用されることとなります。例えば、一般の人々、大衆が美と思うものは堕落した体制の象徴いえば言えるでしょうし、奢侈で美しいものは堕落の結果、個人で所有し愛玩するものは悪政による強欲
絵画は虚構の世界です。現実を美化したり、現実から逃避したり、見えない存在を白日に晒したり、ことさらに現実を掘り下げたりもやはり非現実の世界です。虚構の世界は物理的な限界を超えて無限の可能性の世界です。現実の世界は確定した世界ですので、何らかの具体的なア
美術の役割が時代の技術の提示であり、話題の中心を示したものである点はファッションと同じです。ファッションは時代とともに話題の中心になることを意図しています。時代性、すなわち話題性こそ美なのです。どの時代の美術においても、時代を先取りした技術と意識とで造形
先日、ゴミ屋敷の事について書かせて頂き、生活必需品を使う際のゴミの多さに言及させて頂きました。【生活必需品だけでゴミ屋敷に】 2021/11/17 今回は、ゴミ問題としては大した問題では無いでしょうけれど、個々人的に気分の悪い、ちょっとタブー視されている「ゴミ」の一種について述べさせて頂きます。 先日、「蔵の町」と呼ばれている隣町の喜多方市の蔵を地元の知人が案内して下さると言うので自転車で行って参りました...
芸術には精神を刺激し精神を高める目的と慰謝とがあります。何が芸術で重要か、すなわち芸術のプライオリティを考えるとアイデンティティの保護だと思われます。個人は社会的集団の一員であると同時に家族の中でさえ誰とも違う一個人でもあります。集団のアイデンティティと