卒業
カレンダーを見るたび、赤いマジックで書いた星印が目に入る。改めて見ずとも、今日がその日だということは頭に入っている。それでも、もう一度カレンダーを確認する。 朝から待ち続けたラインの通知音が、お昼近くになってようやく鳴った。 昨年の秋に予約した袴が、門出の席で無事に披露されることが確定し、安堵する。 気づけば、もう春を迎えていた。 何度季節が巡れば、片付くのだろうか。これもまた、同じことを語っている。息子と娘の環境の変化、意識の変化をみていると、私も新しい門出に立たなければならないなと感じていた。 夕食の支度時、インターホンのカメラ越しに予期せぬ訪問者がいた。「連絡するの、忘れてたわ」と突然帰…
2023/03/08 00:17