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『スリーパーズ』(96)(1997.4.29.渋東シネタワー1)贔屓監督の一人であるバリー・レビンソンは、どうも『バグジー』(91)あたりからおかしくなってきたところがあるが、この映画も骨子は目には目を式の復讐劇でありながら、どうもすっきりしない。別にモラル云々を問うつもりはないが、たとえそれが憎むべき相手ではあっても、人を殺して、うそをつき、最後はだましが成功して万歳では、あまり後味がよくない。そうした感慨を抱かせるのは、この映画がロビンソンお得意のノスタルジックな青春群像劇とも、少年刑務所の看守の腐敗を暴露した告発劇ともつかない、中途半端な作りになったことも影響しているだろう。例えば、マーティン・スコセッシのように情味を消してこの題材を描けば、良くも悪くももっと陰惨な方向でまとまっただろうし、シドニー...バリー・レビンソンの映画4『スリーパーズ』
今回のお題は、ウォルター・ヒル監督、ジョン・ミリアス脚本の『ジェロニモ』(93)。この時期(90年代前半)は、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)『ラスト・オブ・モヒカン』(92)など、西部劇の変容(特にインディアンの描き方の変化)が顕著だった。“惜しい映画”が多いヒルにしては、これは傑作の部類に入ると思うし、出来不出来の波が激しく、思想的にも危ないところのあるミリアスも、この映画に関しては“いい方”が出ている気がする。とにかくモアブの景観と馬の描写が素晴らしい。久しぶりに見直してみて、マット・デイモンが若くて驚いた。ジェロニモを演じたウェス・ステュディは『荒野の誓い』(17)では、護送されるシャイアン族の首長イエロー・ホークを演じていた。ジェロニモを乗せた護送列車が荒野を行くラストシーンにエンドクレジッ...ビデオ通話で西部劇談議『ジェロニモ』
『ジェロニモ』(93)(2008.12.16.WOWOW)『ジェロニモ』とジョン・ミリアス1885年、20年近くにわたって合衆国騎兵隊と戦い続けていたアパッチ族の族長ジェロニモ(ウェス・ステュディ)が投降し、ゲイトウッド中尉(ジェイソン・パトリック)とデイビス少尉(マット・デイモン)がその護送に当たることになった。やがてアパッチ族は保留地で新たな生活を始める。ところが些細な事から騎兵隊が武力行使を行ったため、ジェロニモは暴動を起こし、仲間たちとともに逃走。ゲイトウッドとデイビス、さらにベテランの偵察隊長シーバー(ロバート・デュバル)らが追跡を開始する。騎兵隊と闘った伝説のアパッチ族戦士ジェロニモの実像に迫った力作。彼の護送を行なった若い白人将校の回想という形でストーリーが展開する。ウォルター・ヒル監督にし...『ジェロニモ』