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良寛さんの前に座った貞心尼は、才媛もさることながら、清楚で匂いたつような美貌の人であった。道をひたすら歩いてきた良寛さんへの、仏からの贈り物のようにも思える。良寛さん70歳、貞心尼はん29歳のひとせである。師の君にはじめてこうやっておめにかかり、嬉しくていまだに覚めない夢のような気持ちです。夢ならばやがて覚めるでしょうか。と、貞心尼はん。夢のようなはかないこの世の中で、もううとうとと眠って夢を見、またその夢を語ったり夢を見たりするのも、その成り行きに任せましょう。と、良寛さん。梅の香りの桜花が柳に咲いた。そのような精神的な恋愛に、憧れにも似た感情が湧きます。良寛さんと貞心尼はん。
#3829 われもひともうそもまことも隔てなく照らしぬきける月のさやけさ
令和5年4月1日(土) 【旧 閏二月一一日 赤口】・春分・雷乃発声(かみなりすわわちこえをはっす)われもひともうそもまことも隔てなく照らしぬきける月のさやけさ ~貞心尼(1798-1872)『蓮の露』私も他の人も、嘘もまことも分け隔てなく明らかに照らしてしまうのが月の光の