メインカテゴリーを選択しなおす
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 「画伯?高野井画伯でしょう?」この臼杵で唯一のギャラリーを運営している『ギャラリーキャノン』の店主、七谷宗一郎は、宮崎出身の高名な日本画家、高
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 失望した神山と村上医師は、座に臥したまま暫く呆然と脱力していた。2人は気落ちの余り、もう冗談も出ない。 すでに2人の心からは、謎めいた古代の黒
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 乱雑に放り出された研究論文が座敷の畳に山をなしていた。神山たちは今日もその座敷で、座卓に向かい片端から論文を読み漁っていた。今日、月照寺やモロた
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 神は底意地が悪いものである。だが、その神とは何だろう? 今、神山や村上医師に懸命に思念を伝えようとしている4人の神々は、意地が悪いどころ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 海野は一人、こう呟いた。「天魔破境って、これかも知れないなあ・・。それにしてもバカな事になったもんだ・・」 戦艦『大和』の甲板からこの真っ黒
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 手力男は自分に様々の教養を身に付けさせてくれた師匠たる、孔子や老子共々、神域と呼ばれる時空で青年へと成長を遂げた般若を、その生みの親である釈迦
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 女将の奏でる三味線の音色に聞き惚れながら、石川一等航海士が言う。 「こんな心尽くしは初めてですね、船長」 盃を片手にして『氷川丸』の船長、棟
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 麻酔が効いているので大木戸少佐は涎を垂らして眠りこけていた。彼の首はがっくりと下に傾き、垂れているその涎がその軍服と自慢の参謀肩章を惨めに汚し
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 『氷川丸』の留守を預かっている二等航海士らこの船の士官と医務関係者たちとで、患者の介抱と船の機関の修理点検を分担し、『氷川丸』には必要な分の電
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 「ッさ!魚だっ!!魚の化け物っ!!!」と言って、利見は廊下にへたり込んだ。腰を抜かしたのだ。 真っ青になった利見に、モロが手を差し伸べて、「
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 村上医師らを操舵室に残して、『氷川丸』の船内探索に出た利見は、さっき皆と登って来た階段を逆に、船室や病室があるはずの階下へと降りた。 照明
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 操舵室で倒れている士官格の乗員の中に、一人だけ日本海軍の軍服を着た人物がいた。 旧海軍の第二種軍装を着たその人物が、何故『氷川丸』の操舵室にい
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 「利見さん。あなた、今なんて言ったの?」と、『田上』の女将が聞き直した。 利見はそれに対して「だ・だから、船が、船がそこで座礁したんですよう!
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 月照寺の和尚は、村上医師も交えて『田上』の女将と一緒に、三島吉太郎に改めてその時の出来事を聞いていた。月照寺にして見れば、吉太郎を崖から転落させ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 日本国連国家は、自前の軍事力を得て漸く同盟国から正式に承認された。国土の荒廃ですでに技術力を失った日本に代わり、アメリカ合衆国がその兵器を近代改
にほんブログ村 にほんブログ村 アメリカ大統領執務室ではまだ、ウイスキーを飲みながら深夜の会合が持たれていた。 その席には、日本国連政府の元首となった内藤尋や日本海軍提督の山本五十六、海野猛
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 神山の眠っている民宿、『田上』の奥座敷に入った女将が、いつもの様に神山の邪魔にならぬ様に座敷を軽く掃除をして、水指の水を新しいものに取り換え一
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 いま、海野や山本たちがシヴァ神と共にいる、この古代インドの時空間のみならず、他の時空でも実在論を公言する者が増え始めていた。 インドの実在論
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 臼杵の民宿、『田上』の女将は時々神山の寝ている座敷に、神山の様子を見に入った。 床の間には、例の黒い鞄が置かれたままになっていた。あの、神山
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 神山の体調はすっかり回復し、車に乗せられ崖から落とされて肋骨を折った、三島吉太郎よりも先に村上医院を出て、以前から、臼杵の定宿であった民宿『田
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 「若し、何者かが宇宙の時間を好き勝手にするか、それとも、空間だけが残る宇宙になどしてしまえば、わしには何の事もなし。その宇宙を壊して再度作り直す
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 パパカンダ翁の従者で高貴な武家の、カヴィ・サルマンが海野に釈迦の話を聞かせている『タパス』の裏庭へ、ハルゼイと山本五十六が、海野にも久しい顔の
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 輪廻を使って、一方向性の時間というものの特性を、一部無効化する事が出来るのではないか? また、パパカンダヤーナの心中には、その過去生だった釈
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 時空と空間とが相克し合ったら、どうなってしまうのだろう?! そんな事になれば、単に、論理の上で仏教思想が犯した「ねじれ」が実体化され、それが
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 村上医院は忙しくなった。一度に2人の入院患者を抱える事など、この村上医院では年に一度も無い事だが、村上は淡々と神山や吉太郎の治療に当たった。
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 時空の支配者は俺たちだ・・。と言う声が、ずうっと聞こえていた。お前は言うとおりにしていればいいんだ・・と、その声は耳元で囁く様に続いている。
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 民宿『田上』の奥座敷では、三日三晩眠り続けていた神山がやっと目を覚ました。 神山が、ここが何処なのかを認識出来るまでには十秒以上かかった。
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 民宿『田上』の女将は肝の据わった人だった。 元々気のしっかりした女将は、『般若事象』と呼ばれるこの怪事変でなお一層、臼杵の人達やこの民宿を守
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 勝ち誇った野良猫の顔。これまで悪の顔は正しく、勝ち誇る野良猫のそれだったが、今やそれは負け犬の、尾を撒いて耳をうなだれ、こそこそと逃げ出す時の、
にほんブログ村 にほんブログ村 神山やモロたち一行が、19世紀のロンドンでサンドイッチに舌鼓を打っている頃、ハルゼイ指揮下の旗艦『レキシントン』他、二隻の空母から飛び立ったアメリカ海軍航空隊
にほんブログ村 にほんブログ村 神山は、実は甘いものが大好きで、二十一世紀の日本がまだ平和な頃には、大酒飲みなのにこれまた甘いものも大好きな、茶人でもある海野と一緒に茶で菓子をぱくつき、また、
本来の身体を取り戻した神山が19世紀のロンドンで、チョコレートパッフェ―に舌鼓を打っていた頃、臼杵の民宿『田上』では一騒動が持ちあがっていた。 『田上』に突如として三島吉太郎が現れたのだ。 『田上』
にほんブログ村 にほんブログ村 神山は自我意識をしっかりと保ちながらシヴァに命じられた「自分が果たすべき役目」を果たそうと、山本や小沢たちが閉じ込められている海上の、いつしか「水墨画」とあだ名
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 モロが潜水艦で出撃して行ったのを見送った海野は、機動部隊の旗艦『赤城』のブリッジで青年に大声で話しかけていた。 「ほんとうのジャングルを空から
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 機動部隊旗艦の『赤城』に、川島海将がやってきた。草鹿は川島に敬礼するとさっそく川島の潜水艦隊を主役にした、山本五十六や小沢治三郎、『信濃』の橘達
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 赤城の国内産きしめん 270g×20袋【自宅用/きしめん】【きしめん 乾麺】業務用 お徳用 ケース 通販 販売 お取り寄せ 価格:3,348円(税込、送料無料) (2024/
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 この土地の古老である、「善吉翁」に三島吉太郎が死んだと知らせたのは『月照寺』だった。 若い時から臼杵を離れ、別府温泉の宿屋で風呂焚きや薪割など
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 善吉翁は黙って考え込んでいた。 死んだと聞かされていた三島吉太郎が、このお杵の店にも来ていた事に、善吉翁は、これをどう言葉に表したものかと迷っ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 神山は、『正覚寺』の檀家で、その寺の世話人を務める金崎善治や、土地の古老で「善吉さん」と言う老爺からも、励ましの言葉を貰い、
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 南雲やハルゼイら、いまこのタパスに集っている提督たちには、人が忽然と消えてしまう事象を見たのが初めてであった。驚いて口を開け、その空虚な空間を見
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 「えっ!えーえ~!!」と、普段は温厚な南雲が、珍しくその感情も露わに驚いた。 無理も無い、行方不明のはずの、空母『信濃』の艦長、橘海将補が、
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 川島は身体の具合も回復し、自分が率いる、小さな艦隊に乗り組む皆を気遣いながらも、その回復を待ちかねていた。川島が率いるのは、巡洋艦級が3隻に潜水
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 「神山先生のおっしゃる、『月照寺』さんは良い方でしたのよ。でも、不思議ですわ、神山先生と『月照寺』さんがお知り合いだったなんて。神山先生を薪割や風
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 座敷の大きな窓からは、赤紫に暮れ馴染んで行く、臼杵の空が見えている。気が付けばもう、六時半を回っていた。神山は今日、一歩も表に出る事無く、ずうっ