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『梟の城』(99)篠田正浩監督が、司馬遼太郎の直木賞受賞作を、工藤栄一監督、大友柳太朗主演の『忍者秘帖梟の城』(63)以来、2度目の映画化。太閤秀吉(マコ岩松)の時代、伊賀の乱で生き残った忍者・葛籠重蔵(中井貴一)は、ある日、元師匠の次郎左衛門(山本学)から秀吉暗殺の任務をもちかけられる。仲間や肉親を殺した織田信長への怨みを秀吉に重ね、計画を引き受ける重蔵。そんな重蔵の前に、かつての仲間で、今は武士としての出世を望む風間五平(上川隆也)が立ちはだかる。映画全体の出来は今一つだが、SFXを使用したミニチュアと、CGと実写映像のデジタル合成を駆使して安土桃山時代を再現した作業は、映画の新たな可能性を示したともいえる。これは篠田監督の引退作となった『スパイ・ゾルゲ』(03)の昭和初期の再現にも引き継がれた。司馬...「BSシネマ」『梟の城』