『彼らの誇りと勇気について』(佐瀬稔)「生涯の友」大橋秀行
井上尚弥の所属ジムの会長は大橋秀行。ミニマム級の元世界王者だ。1992年10月14日、両国国技館で行われた、WBA世界ミニマム級タイトルマッチ崔煕庸(韓国)対大橋のメモが残っていた。2年間のブランクを乗り越えて、大橋秀行が再びチャンピオンに返り咲いた。見方によっては崔煕庸の突進を有利と見て判定が逆になってもおかしくはないほどの壮絶な見事な試合だった。だが、試合そのものよりも試合後に大橋が語った言葉に心がとらわれている。彼はインタビューに答えて、「わざわざ日本に来て試合をしてくれた前チャンピオンへのお返しの気持ちとして、今度は僕が韓国に行って試合をしたい」と語った。その言葉を聞きながら、佐瀬稔の『彼らの誇りと勇気について』という名著の中で、大橋について書かれた「生涯の友」という一文のことを思い出した。その中...『彼らの誇りと勇気について』(佐瀬稔)「生涯の友」大橋秀行
2024/05/07 12:40