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黒沢明監督作品選(1983.1.28.)並木座で『醜聞』と『野良犬』を再見。両作品とも、去年「文芸地下」での「志村喬追悼」の際に、見たばかりだったが、やはり何度見ても引き込まれてしまう。特に、両作品で全く違うキャラクターを演じた志村は圧巻。そして、『醜聞』のクリスマスの酒場での「蛍の光」の合唱シーンは、名場面の一つとして忘れ難いものになった。『醜聞』(50)(再)(1982.5.17.文芸地下)今回の特集は、「志村喬追悼」とのことだが、この映画は彼の数多い出演作の中でも異彩を放っている。いつもは、寡黙だがきらりと光るいぶし銀のような役が多いのだが、この映画の志村は驚くほど冗舌だ。それがまた、人生の敗北者のような男なので、その冗舌さが何ともいえない空しさを感じさせるのだ。さて、「醜聞=スキャンダル」というタ...「並木座」7『醜聞』『野良犬』