メインカテゴリーを選択しなおす
『釣りバカ日誌3』(90)(1990.12.31.丸の内松竹.併映は『男はつらいよ寅次郎の休日』)このシリーズも3作目となった。寅さんのパワーが落ちたためのシリーズ化だったのだが、3作目にして、マドンナ(五月みどり)が登場しての一騒動、浜ちゃんへの懲罰、いろいろあってのハッピーエンドというパターンができてしまった。それでも、西田敏行と三國連太郎が、初期の「男はつらいよ」の渥美清と森川信のような味を出しているから、何とか見られるのだが、西田と三國のどちらかが欠けてしまえば、シリーズとしては成立しなくなるのだから、実際は寅さん同様の綱渡りのシリーズということになる。従って、寅さんの跡継ぎができたと素直に喜べない。結局、シリーズにおんぶにだっこするのではなく、もっと斬新な発想を持った若き才能が今の日本映画界には...西田敏行映画編『釣りバカ日誌3』『釣りバカ日誌4』
『釣りバカ日誌2』(89)(1990.2.3.丸の内松竹.併映は『男はつらいよぼくの伯父さん』)これまでの松竹2本立て興行の併映作は、「男はつらいよ」シリーズの添え物的な映画が多かった。今回はシリーズものとして並行する形で上映されたわけだが、それは取りも直さず本家の“寅さん”自体のパワーが落ちているのが最たる原因だろう。結果的には、そこにうまく入り込んだ形とはいえ、シリーズ化されることになったのは、ひとえに西田敏行、三國連太郎、石田ゆりの見事なトライアングルの妙味にほかならない。特に、三國の余裕のあるコメディリリーフぶりは、これまでは重厚な役が多かったこともあり、さすがと思わせるものがある。こうした、イメージギャップを生かした配役が、日本映画には欠けているところであり、引いてはそれが役者の芸域や可能性をせ...西田敏行映画編『釣りバカ日誌2』