メインカテゴリーを選択しなおす
『近頃なぜかチャールストン』(81)(1982.4.22.テアトル新宿.併映は『遠雷』)前作『英霊たちの応援歌最後の早慶戦』(79)で落ち込んだ岡本喜八が復活した。もともと岡本喜八の映画精神は、アナーキー、諧謔、皮肉、風刺といったところにあるのだから、ノスタルジー色が強かった『英霊たちの応援歌』は、多少の戦争批判はあったものの、そうした本来の持ち味が失われていたのだ。その点、この映画では、彼の本領が発揮されている。まずは、今の日本の中に独立国を作ってしまうという発想の奇抜さがある。しかもそこに戦争体験のある老人たちと若者とを絡ませながらドラマを展開させ、老人たちにはご丁寧に大臣職が割り当てられているという念の入り用。以下、内閣総理大臣(小沢栄太郎)陸軍大臣(田中邦衛)文部大臣(殿山泰司)外務大臣(今福将雄...『近頃なぜかチャールストン』
『鉄腕涙あり』(53)終戦直後の混乱期、関東大学の学生・西川龍作(平田昭彦)とその恋人の勝子(宇治かほる)は、映画見物からの帰り道、疵政一味に襲われ、龍作は与太者たちに押さえつけられ、勝子は暴行された。疵政一味への復讐を誓った龍作は、大学の空手部に入会し、鯉淵(堺左千夫)と共に精進するが…。監督は滝沢英輔。宝塚映画の製作で関東大学といいながら、舞台は神戸の元町か。科学者など、インテリや知的な役が多かった平田にしては、珍しく体を張って空手の選手を演じている。『姿三四郎』の空手版みたいなところもあるが、香港のカンフー映画も真っ青の適当な設定とストーリーで、失笑を禁じ得ないところも多々あった。『鉄腕涙あり』