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『今そこにある危機』(94)(1995.2.24.渋谷東急)過去の『レッド・オクトーバーを追え!』(90)と『パトリオット・ゲーム』(92)、そしてこの映画、というシリーズ3作を通しで考えてみると、アメリカの、というよりも、大げさに言えば、世界情勢の緊張の流れの変化が見えてくる。1作目はソ連崩壊間際の亡命、2作目は冷戦終了後の民族紛争やテロ、そして今回は、南米の麻薬戦争、といった具合に、主人公のジャック・ライアンが巻き込まれる事件の背景が、たかが数年の間に激変しているのだ。もちろん、このシリーズはそうした背景が生む問題を声高に叫んでいるわけではないのだが、硬い社会派映画とは違い、初めから告発的な意図を持って作られてはいない娯楽映画だからこそ、かえって、その奥に潜む怖さが見えてくるところがある。気が付けば、...「午後のロードショー」『今そこにある危機』
国際関係の力学が劇的に変わった90年代。冷戦終結で「無敵」の超大国となったアメリカが失ったのものとは?湾岸戦争、ロドニー・キング事件→ロサンゼルス暴動、パソコン、インターネットの普及…。登場する映画は、銃『ゴースト/ニューヨークの幻』(90)『心の旅』(91)人種『マルコムX』(92)暴力『許されざる者』(92)遠隔戦争『パトリオット・ゲーム』(92)バイオテクノロジー『ジュラシック・パーク』(93)美徳『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)進取『パルプ・フィクション』(94)ジェネレーションX『リアリティ・バイツ』(94)仮想敵『ミッション:インポッシブル』(96)中継『トゥルーマン・ショー』(98)幻想『マトリックス』(99)孤独『キャスト・アウェイ』(00)世界サブカルチャー史欲望の系譜「アメリカ喪失の90s」