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『薄桜記』(59)(1993.2.15.)カツライスの時代高田馬場の決闘や赤穂浪士のあだ討ちを背景に、丹下典膳(市川雷蔵)と中山安兵衛(勝新太郎)という2人の剣士の友情や典膳の妻・千春(真城千都世)をめぐる悲恋を描く。五味康祐の小説を伊藤大輔が脚色し、森一生監督が映画化した。鮮烈なカラー映像、重厚な美術も魅力的。往時の大映で雷蔵、勝新が並び立っていた頃、2人合わせて“カツライス”と称されていたとのこと。そんな昔々の黄金時代の逸話が、まさしく眼前で展開されているかのような錯覚を覚えさせられる一編。まず、先日見直した『眠狂四郎・無頼剣』で改めてその才能の深さを知らされた伊藤大輔の脚本が素晴らしい。それによって、雷蔵の持つ悲壮美と勝新の持つ快活さを対照的に描き込むことが可能になり、それに加えて、森一生の演出、本...「BSプレミアムシネマ」『薄桜記』