メインカテゴリーを選択しなおす
『春に散る』(2023.6.21.GAGA試写室)不公平な判定で試合に負けたことをきっかけに渡米し、ボクシングをやめた後はホテル業界で成功した広岡仁一(佐藤浩市)が引退し、40年ぶりに帰国した。一方、黒木翔吾(横浜流星)は、同じく不公平な判定負けを喫してグレていた。2人は、偶然居合わせた飲み屋でのトラブルから、路上で拳を交わす。仁一に人生初のダウンを奪われた翔吾は、ボクシングを教えてほしいと懇願する。心臓に病を持つ仁一は、最初は断るが、かつてのボクシング仲間である佐瀬(片岡鶴太郎)のアドバイスもあり、引き受けることに。仁一は翔吾に激しいトレーニングを課し、ボクシングを一から叩き込んでいく。やがて翔吾は、仁一の古巣のジムに所属する大塚(坂東龍汰)を破って東洋太平洋チャンピオンとなり、世界チャンピオンの中西(...『春に散る』
沢木耕太郎原作のボクシング映画『春に散る』を試写で見て、この本のことを思い出した。『一瞬の夏』(沢木耕太郎)(1981.8.5.)最初に、この本の新聞広告を見た時は、正直言って驚いた。あのカシアス内藤がまだボクシングをやっていた。輪島功一や柳済斗と闘っていた彼が…。内藤を描いた沢木耕太郎の『敗れざる者たち』「クレイになれなかった男」を最初に読んだのは高校1年の頃だった。当時、輪島対柳のボクシング史に残るような試合を見て、ボクシングにただのスポーツ以上のドラマを感じて、試合のみならず、選手の内面についても知りたいと思い始めた自分にとって、このルポルタージュは時宜を得ていた。カシアス内藤という混血のボクサーがいたことは知っていたし、急に表舞台から消えてしまった彼が、今どうしているのかという興味も湧いた。ここで...『一瞬の夏』(沢木耕太郎)