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自分が知っている“精密機械”と呼ばれた投手が2人いる。阪神、東京(ロッテ)、大洋で歴代3位の320勝を挙げた小山正明と、先頃亡くなった広島の北別府学だ。小山に関しては、残念ながら現役生活の晩年しか知らないが、北別府はまさに新人から引退までリアルタイムで見た投手だっただけに思い出深い(名字の珍しさもあって)。どちらも今でいうところの“脱力系”のゆったりとしたきれいな投球フォームから投げ下ろし、針の穴を通すとまでいわれた抜群のコントロールを身上とした。今回のWBC日本対チェコ戦での、剛速球の佐々木朗希と軟投派のオンドジェイ・サトリアの投げ合いを見ながら、昔の江川卓(巨人)と北別府の投手戦を思い出した。タイプの違う一流投手同士の投げ合いを見るのもまた楽しいものだった。重松清の小説『赤ヘル1975』は、75年の広...“精密機械”北別府学『赤ヘル1975』
WBCチェコチーム→アレクサンダー・カートライト→映画でたどる世界遺産
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本対チェコ戦は見ていて実に面白かった。何しろ、160キロ越えの佐々木朗希と120キロそこそこのオンドジェイ・サトリアが投げ合い、どちらも好投を見せたからだ。もちろん、球速は速いに越したことはないが、たとえ速くなくてもバッターを抑えることはできるということ。それこそが野球の面白さ、奥深さにほかならない。そのチェコ代表は、選手のほとんどが生活のために仕事を持ちながら野球をしているという。大谷翔平とは違う意味での“二刀流”だ。彼らの職業は、金融関係トレーダー、体育教師、セールスマン、消防士、学生などさまざまで、監督は神経科医だという。さて、19世紀に現代の野球のルールを確立したとされるアレクサンダー・カートライトは消防団員で、団員のレクリエーションとしてタウンボー...WBCチェコチーム→アレクサンダー・カートライト→映画でたどる世界遺産