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国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。 『雪国』の冒頭の一節はあまりに有名になりすぎて、かえって小説を読む機会を減らしてしまったような気がします。 かくいう私も、一体いつ読んだか、主人公が「駒子」だったことくらいしか思い出せなかったのです。 本書を手に取ったのは、少し前にNHKで再放送されていた『雪国』を偶然に見たことがきっかけでした。 駒子を演じていたのは奈緒さんです。 ドラマを見るまでは奈緒さんをよく知らず、駒子と奈緒さんが上手く結びつきませんでしたが、奈緒さんの所作の美しさにあっという間に引き込まれていきました。 配信で何度も見返したほど見事な駒子でした。 ***…