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着物に伝統のあるものは少ない 古代は左前、琉球やアイヌは戦前まで左前だった。着物雑誌も戦後すぐに左前で着る提案をしていた。(前編)
今回は、着物の左前・右前についてのお話です。 本題に入る前に、右前・左前の定義について書いておきたいと思います。 着物の世界では、着物の着方の常識として、男性も女性も「右前」に着るのが決まりごととされており、「間違えて左前で着てしまうと大恥をかく」と言われているくらい、着物の着付けでは絶対的なしきたりのように言われています。 私のオススメは、「他人から見て小文字のyの字になるように着る」と覚え...
古代は左前、琉球やアイヌは戦前まで左前だった。着物雑誌も戦後すぐに左前で着る提案をしていた。(中編)
(前回からの続き) 次に、江戸時代について調べてみると、江戸時代の絵巻や風俗画を見ているとほとんどが右前に統一されているのですが、それでも極稀に左前の人がいました。↑七十一番職人歌合絵巻(江戸時代/1846年、法印養信・法眼雅信:模写、東京国立博物館本)出典:研究情報アーカイブ 右の売茶翁は左前になっています。↑『秘蔵古写真 幕末』、日本カメラ博物館、山川出版社(2019)より。 未亡人の被布らしきコートの...
古代は左前、琉球やアイヌは戦前まで左前だった。着物雑誌も戦後すぐに左前で着る提案をしていた。(後編)
(前回からの続き) 次に、戦前まで琉球やアイヌでは左前だったという話について。 調べてみると、琉球やアイヌ民族は、江戸時代までは左前が伝統(正式)であり、明治新政府に風俗改正を強制されたことにより右前に変えられ、それでも戦前・戦後まで右前と左前が混在していた時期が長かったということがわかってきました。 まず、沖縄の左前に関する情報を探してみると、以下の情報がありました。==============...