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田舎好みと20に80着物④ 帯揚げ・帯締めの色と年齢 和裁士さんのお店の色彩感覚
今回も、和裁士さんのお店の色と年齢の話で、帯揚げ・帯締めについてです。○年配になったら、帯締め・帯揚げまで全て寒色系にしないといけない。 和裁士さんのお店では、30歳過ぎたら年配世代は帯揚げ・帯締めは寒色系にしないといけないと習ったそうです。 例えば、帯揚げや帯締めには、ピンクや赤がちょこんとでも入ったものは年配になったら使わないし、寒色系でも鮮やかな色や淡い色はダメで渋い色にするというのが...
呉服屋の話は伝言ゲームで成り立っている?① 自分までその時代を生きていたかのように話す慣習について
今回は、「昭和後期のおかしな言説」シリーズや「着物警察はなぜ生まれたのか」シリーズを今後展開していくにあたり、その導入編として、私が着物の世界を覗くうちに気付いたことや、着物初心者さんが先に知っておいたほうがいいことを書いておきたいと思います。 私が見ていて感じたのは、呉服の世界の価値観として、「昔の知識を持っている年寄りほど偉い。」「伝統的で保守的な着こなしをするほど立派だ。先例を守ることが...
田舎好みと20に80着物⑤ 八掛の色と年齢 和裁士さんのお店の色彩感覚
今回も、和裁士さんのお店の八掛の色と年齢と色彩感覚についてです。 ○八掛の色も年配は寒色系にしないといけない。 八掛の色についても、和裁士さんのお店では、30歳過ぎたら基本は暖色系の八掛は派手だからダメで、年配になったら必ず寒色系にしないといけないと習ったそうです。 ↑左から、型染め小紋、江戸小紋 和裁士さんのお店では、こういう暖色系の八掛(赤・ピンク・黄色)が使われているものは、いくら表...
呉服の世界には男尊女卑と封建制が色濃く残っている?①-1 ~色と年齢の話もその一部?~
今回は、呉服の世界には男尊女卑と封建制が色濃く残っており、色と年齢についてもその類の話ではないのか?というお話です。 私が色と年齢についてきちんと調べてみようと思ったきっかけは、Mさんに言われたことがきっかけでした。 Mさん曰く、「あなたは着物に興味を持ち始めたばかりなのに水を差すのは悪いけど、伝統芸能とかの世界を見ればわかるように、伝統的・古典的な世界は、女性の地位が低い時代の風習や価値観をそ...
呉服の世界には男尊女卑と封建制が色濃く残っている?①-2 ~色と年齢の話もその一部?~
(前回からの続き) 戦後生まれの女性は、まさか着物の世界が昭和後期でも江戸・明治の封建制の風習を踏襲しているとは知らないでしょうし、男尊女卑と封建制が色濃く残ってるとは知らずに着物の世界に参入してしまうと思いますが、実はこういう世界なのです。 今までも着物に興味を持って着物の世界に参入した人はいるでしょうが、何となく違和感を感じたり、何となく薄気味悪く感じるようになり、それに気付いた人から先に着物...
田舎好みと20に80着物③-2 帯の色と年齢 ~和裁士さんのお店の色彩感覚~
(前回からの続き) また、着物の世界では、「年齢を重ねて、娘時代に買った着物が派手になってきても、地味な帯を合わせて落ちつければ着こなせる」「帯が派手でも地味な着物を合わせればバランスが取れる」という意味で、「派手な帯に地味な着物、地味な着物に派手な帯」という言葉があるのですが、和裁士さんはこの言葉についても知らないそうです。 和裁士さんのお店では、着物も帯も基本的には30歳過ぎたら寒色系しか使...
田舎好みと20に80着物③-1 帯の色と年齢 ~和裁士さんのお店の色彩感覚~
今回も、和裁士さんのお店の色彩感覚と帯の色と年齢です。○帯は赤やピンクや黄色などの暖色系がちょこんと入っているだけで若向き。 和裁士さんのお店では、帯の色に関しても基本的に20代までしか暖色系の帯を使ってはいけないと習ったそうです。 例えば、母と叔母の嫁入り道具のこの綴れ帯に関しても、和裁士さんのお店では、「赤やオレンジが17歳のお譲ちゃんが着る可愛らしい色だから、昔だったら20歳前後までしか着れな...
田舎好みと20に80着物②-2 17歳のお嬢ちゃんが着る色、可愛らしい色柄、パステルカラーについて
(前回からの続き)○「昔だったら17歳のお嬢ちゃんが着る色だった」という言葉遣い 和裁士さんの言葉遣いで、「昔だったら17歳のお嬢ちゃんの着る色だった~」という言葉遣いが気になったので、ここで書いておきたいと思います。 現代の通過儀礼や学校の進級制度では、17歳という年齢に特別な区切りがあるイメージはないと思うのですが、和裁士さんの店では17歳という年齢に特別な意味や区切りを感じているようで、いつも17歳・1...
田舎好みと20に80着物① 着物の世界には「田舎好み」なる第三軸が存在する?
今回は、田舎の呉服屋さんには田舎好みという趣味があり、嫁入り道具の色と年齢に「20に80着物」という基準を適用している場合があるというお話です。 着物について調べるうちにわかってきたことなのですが、着物の好みには「江戸好み」「京好み」だけでなく、「田舎好み」と呼ぶべき第三軸の好みがあるようなのです。 これは和裁士さんと出会わなければ知ることのできなかった情報であり、ネットにもあまり書かれておらず、当...
田舎好みと20に80着物②-1 和裁士さんのお店の色彩感覚 母の嫁入り道具の色と年齢
今回は、和裁士さんのお店の色と年齢や色彩感覚、20に80着物のお話です。 前記事に書いたように、田舎の呉服屋さんの嫁入り支度では、一生買い替えないで済むように最初から地味なものを誂えるという「20に80着物」という基準があります。 また、田舎の色彩感覚には農村文化が強く影響しており、農村では江戸時代に衣服の色彩が紺・黒・茶しか色がなかったたため、とても地味な色彩感覚を持っているようで、田舎の呉服屋さんは...
田舎好みと20に80着物②-2 和裁士さんのお店の色彩感覚 伝統芸能の色と年齢
(前回からの続き) 次に、ネットで東京・京都・大阪のブロガーさんの着物の色柄を見たり、テレビや着物雑誌で見ていると、やはり和裁士さんのお店の基準は、全国的な基準とは違うようだわかってきました。 私自身も色々な呉服屋さんで色と年齢の話を聞くうちに違和感を感じるようになりましたし、テレビや雑誌で他の女性の着こなしを見ていても、和裁士さんのお店のような着こなしはしていないのです。 例えば、江戸時代から...
田舎好みと20に80着物③-1 暖色系は20代まで、赤を忌み嫌う ~和裁士さんのお店の色彩感覚~
今回も、和裁士さんのお店の色彩感覚についてです。 呉服の世界の色彩感覚は江戸時代の奢侈禁止令の風習を引きずっているため、現代日本人の色彩感覚とはズレていて、着物のことを知らない人には理解できないような色彩感覚が存在します。 和裁士さんの色彩感覚は、20に80着物の色彩感覚だけでなく、呉服の世界全般を通して存在する色彩感覚もありますが、とりあえず、和裁士さんのお店の20に80着物の感性を項目ごとにまとめて...