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田舎好みと20に80着物④ 帯揚げ・帯締めの色と年齢 和裁士さんのお店の色彩感覚
今回も、和裁士さんのお店の色と年齢の話で、帯揚げ・帯締めについてです。○年配になったら、帯締め・帯揚げまで全て寒色系にしないといけない。 和裁士さんのお店では、30歳過ぎたら年配世代は帯揚げ・帯締めは寒色系にしないといけないと習ったそうです。 例えば、帯揚げや帯締めには、ピンクや赤がちょこんとでも入ったものは年配になったら使わないし、寒色系でも鮮やかな色や淡い色はダメで渋い色にするというのが...
田舎好みと20に80着物 田舎の90代の方の中には、今でも色と年齢の色彩感覚を持っている人がいる?
今回は、田舎にはまだ色と年齢の色彩感覚をお持ちの方がいるのか、聞き取り調査してみました。 母が通う趣味の洋裁教室の先生のご協力で、赤やピンクに対して特別な感情を持つ人がいないか調べていただいたところ、山間部出身の90代の方の中に、着物の色彩感覚をお持ちの方がまだおられるということがわかりました。 1人目は、岐阜県の山間部の農家出身の96歳(2018年現在)のお爺さんで、そのお爺さんは、お嫁さんや奥さん...
田舎好みと20に80着物⑤ 八掛の色と年齢 和裁士さんのお店の色彩感覚
今回も、和裁士さんのお店の八掛の色と年齢と色彩感覚についてです。 ○八掛の色も年配は寒色系にしないといけない。 八掛の色についても、和裁士さんのお店では、30歳過ぎたら基本は暖色系の八掛は派手だからダメで、年配になったら必ず寒色系にしないといけないと習ったそうです。 ↑左から、型染め小紋、江戸小紋 和裁士さんのお店では、こういう暖色系の八掛(赤・ピンク・黄色)が使われているものは、いくら表...
田舎好みと20に80着物① 着物の世界には「田舎好み」なる第三軸が存在する?
今回は、田舎の呉服屋さんには田舎好みという趣味があり、嫁入り道具の色と年齢に「20に80着物」という基準を適用している場合があるというお話です。 着物について調べるうちにわかってきたことなのですが、着物の好みには「江戸好み」「京好み」だけでなく、「田舎好み」と呼ぶべき第三軸の好みがあるようなのです。 これは和裁士さんと出会わなければ知ることのできなかった情報であり、ネットにもあまり書かれておらず、当...
田舎好みと20に80着物②-1 和裁士さんのお店の色彩感覚 母の嫁入り道具の色と年齢
今回は、和裁士さんのお店の色と年齢や色彩感覚、20に80着物のお話です。 前記事に書いたように、田舎の呉服屋さんの嫁入り支度では、一生買い替えないで済むように最初から地味なものを誂えるという「20に80着物」という基準があります。 また、田舎の色彩感覚には農村文化が強く影響しており、農村では江戸時代に衣服の色彩が紺・黒・茶しか色がなかったたため、とても地味な色彩感覚を持っているようで、田舎の呉服屋さんは...
田舎好みと20に80着物②-2 和裁士さんのお店の色彩感覚 伝統芸能の色と年齢
(前回からの続き) 次に、ネットで東京・京都・大阪のブロガーさんの着物の色柄を見たり、テレビや着物雑誌で見ていると、やはり和裁士さんのお店の基準は、全国的な基準とは違うようだわかってきました。 私自身も色々な呉服屋さんで色と年齢の話を聞くうちに違和感を感じるようになりましたし、テレビや雑誌で他の女性の着こなしを見ていても、和裁士さんのお店のような着こなしはしていないのです。 例えば、江戸時代から...
田舎好みと20に80着物③-1 暖色系は20代まで、赤を忌み嫌う ~和裁士さんのお店の色彩感覚~
今回も、和裁士さんのお店の色彩感覚についてです。 呉服の世界の色彩感覚は江戸時代の奢侈禁止令の風習を引きずっているため、現代日本人の色彩感覚とはズレていて、着物のことを知らない人には理解できないような色彩感覚が存在します。 和裁士さんの色彩感覚は、20に80着物の色彩感覚だけでなく、呉服の世界全般を通して存在する色彩感覚もありますが、とりあえず、和裁士さんのお店の20に80着物の感性を項目ごとにまとめて...