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1970年代から90年代の映画とそれを取り巻く諸々を綴った田中小実昌の映画日記『コミマサ・シネノート』(78)『コミマサ・ロードショー』(80)『ぼくのシネマ・グラフィティ』(83)『コミマサ・シネマ・ツアー』(90)に収録されたものから抜粋したアンソロジー。ほとんどが昔読んだものだったが、中には初めて読んだものもあった。見た映画のみならず、映画館までの経路、交通費、弁当代、入場料なども細かく書かれているので、当時の世相や物価が懐かしく思い出されるところがある。コミさんとは行動するテリトリーが重なるので、「荏原オデヲン座」「自由ヶ丘武蔵野推理劇場」「蒲田の映画館」「大井武蔵野館」といった、わが思い出の映画館も登場するが、ほとんどの映画館はもう今はない。そう考えると、これは貴重な記録だ。『ぼくのシネマ・グラ...『ひるは映画館、よるは酒』(田中小実昌)