メインカテゴリーを選択しなおす
『迷子の大人たち』(92)(1993.4.7.日比谷映画)『愛と追憶の日々』(83)『月の輝く夜に』(87)『マグノリアの花たち』(89)などを思わせるような、ウエルメイドのヒューマンコメディでありながら、ただの二番煎じでは終わらない個性が出ていたのが見事だった。まず、時代設定がいい。1969年はベトナム戦争であえぐアメリカが、束の間の奇跡を得た年。アポロ11号の月着陸があり、万年下位のニューヨーク・メッツがワールドシリーズで優勝したのだ。だからこそ、この映画が描いた夢や奇跡にも説得力が生まれるのである。そこに、人種のるつぼであるアメリカならではの、ユダヤ系とイタリア系の絡みが加わり、複雑な家族関係とも相まって面白さが増幅される。しかも、それを演じるのが、シャーリー・マクレーンであり、マルチェロ・マストロ...老人グループ映画『迷子の大人たち』