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月夜の猫-BL小説です 残月47 BL小説 カットがかかると、良太は日比野に歩み寄って現場を離れた。 ほかの者に聞こえない場所で、良太は要点をかいつまんで日比野に話した。 「はあ、やっぱりね。結論的に二村を降ろすことには変わりないな」 日比野は肩を落とした。 「ええ、一件だけでなく、まあこれは事務所側がやったこ
月夜の猫-BL小説です 霞に月の125 BL小説 「あーらら」 千雪はちょっと呆けたように良太を見つめた。 「なんかこの頃、酒飲むと涙腺が狂っちゃって、ハハハ」 泣き笑いの良太は涙を手で拭う。 「狂っちゃってやないやろ、あかんがな、ほんまにこの子は」 はあ、と千雪はため息を吐く。 「人をガキみたいに言わないで
月夜の猫-BL小説です 残月40 BL小説 家か。 この会社に入ってからがむしゃらにやってきたが、金銭的にも家なんかのことまで考えたことはなかった。 だが、自分の家がというより、両親に家を取り戻してやりたいというのはずっとある。 元の家でなくとも、せめてちゃんとした家かマンションか。 ま、そんなの、借金がある身
月夜の猫-BL小説です 霞に月の117 BL小説 バッカじゃないのか。 だから香坂先生に振られんじゃないかよ! 良太は工藤を見た。 撮影はもうそろそろ終わりに近づいており、坂口や溝田監督と工藤との間で飲みに行く算段ができていた。 結局宇都宮や小笠原とともに歩いて数分の坂口の行きつけの店に繰り出すことになった。
月夜の猫-BL小説です 残月37 BL小説 「とりあえず無事撮影が終わってくれるのが最優先なんだよ」 「ありゃ、下手すると犯罪だぞ? 熱湯ぶっかけるとか」 良太の説明にも沢村は不服そうに言い返した。 「まあ、ちょっと温度は下がってたし、他の俳優じゃなくてよかったってやつ?」 納得がいかない沢村と一緒に日比野の
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)114までアップしました BL小説 霞に月の(工藤×良太)114までアップしました ■エピソード秋の陽 が長々と続いてしまい、もう初冬に入ってしまいましたので、■Xmas2023 を設定いたしました。 クリスマスエピソードをアップしてまいりますので、よろしくお願い
月夜の猫-BL小説です 霞に月の114 BL小説 「彼、前々からちょっと短気なところがありまして、以前の彼女に暴力を振った的なことが噂になりましたね。訴えようとしていた女性を事務所が金で片を付けたらしいです。ここのところ、どこからか今付き合っている女性と夜中に悶着を起こして隣人が警察を呼んだという噂があって、
月夜の猫-BL小説です 残月32 BL小説 「二村さん、どこか怪我したんですか?」 マネージャーの下山も驚いてあたふたしている。 「二村さん、石畳につまづいたみたいです」 良太ははっきりと周りにも聞こえるようにマネージャーに説明した。 「うそ、あの人に転ばされたって言ったでしょ!」 二村はまだ明らかなウソを口
月夜の猫-BL小説です 残月31 BL小説 確かに竹野は自分の要求をはっきり口にするので我儘と言われるし、下手な役者にはっきりボロクソに言うしだが、それも彼女のキャリアに裏打ちされたものでもあり、ただきついだけ、というやつだった。 ところが今回の撮り直しは、誰もが二村の振る舞いのせいだとはわかっていても、
月夜の猫-BL小説です 残月28 BL小説 檜山は怒ったりしたことはないし、女子にも優しいようだが、さすがにライン交換まで言い出した時は口を噤んだ。 良太はその様子を見ていて、彼女のマネージャーはと探すのだが、隅の方で電話をしている。 二村は中堅大手のドリームエージェンシー所属女優で、所長の縁戚関係で事務所側も
月夜の猫-BL小説です 残月27 BL小説 秋晴れの京都は観光客で賑わっていた。 いや、よくもこれだけこの街に集まったよな、と良太が呆気にとられるくらい、ごった返していた。 もちろんアイドルや超人気俳優がいるわけではないから、本谷の時のようなファンで溢れかえるようなことはないだろうと思われたが、それでも南澤奈