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「湯川松堂」という日本画家をご存知の人はそう多くはないのではなかろうか。肉筆の掛け軸などが本来のようでこの木版画の如き作品は他には見当たらない。明治から昭和前期位までの活動歴程度のことしかわからなかった。この「古今風俗百美人」は「百美人」と言っても実際は百二十人の美人画による大作で、しかも全作揃っているのは稀である。現存するものは、折り畳み経本仕立てのものや冊子本仕立て、個々ばらばらのものなど何種類かあるようで、右上に個々のタイトルのある作品、タイトルはなく枠外にNo.のあるもの、なにもない単品らしいものなどがある。上古の時代から明治三十年代までの女性の様々な姿が描かれているが、時代考証的にどれだけ正確なものかはともかく、「今」と言っても明治の女性の様子なので洋装の看護婦一人を除いて、バイオリンを奏する女...湯川松堂古今風俗百美人1