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『 FRAGILE(フラジール)な関係 45話act 45 ~ 抱擁 その日も電話は鳴りっぱなしで僕たちは業務に忙殺された。土曜日ってみんなテレビ観るんだよなあ。各家庭ではパーソナルなことなのにこうしてコールセンターにいると統計で物事が見えてくる、5時から夜10時までわっと電話がかかってくる。僕は今日も新人さんの対応に忙殺された。センターは10時までだが10時1分前に電話をかけてくるお客様もいらっしゃる...
『 FRAGILE(フラジール)な関係 44話act 44 ~ 衝動 ~毎日が、淡々と過ぎていく、僕はすっかり第3ブースを担当することに慣れてきていた、北条さんの面影がみんなの中からあっという間に消えていく、僕はそれが怖かった。いつもひとりでいるか坂本さんとカフェブレイクしていた時間もすっかり変わっていた、なぜか女性に囲まれてコーヒーを飲むのが恒例となりつつある。女性というものは些細なことでも特別な言葉...
『 FRAGILE(フラジール)な関係 42話act 42 ~ 季節 ~唐沢さんが起こした事件は北条さんが暴力でカタを付けたことでセンター始まって以来の不祥事として北条SVの解雇という形で幕を閉じた。かん口令が敷かれ、一般のオペレーターは唐沢さんと北条さんが同時期にやめたことを不思議に思う人もほとんどいなかった、コールセンターというところは人の出入りが激しい、そういう意味でも気にする風潮がないのだ。一部...
『 FRAGILE(フラジール)な関係 42話act 42 ~ 夢 ~あの後は大騒ぎになった。「遠野くん!!」トイレの片隅の壁にうずくまっていたいた僕に声をかけたのはなんと、坂本さんだった。「う、、、」まだ気分が悪くて立ち上がれない僕の傍にひざまずくとてきぱきと処置を始めた。「うわ。これ、あれ?うわ~気持ち悪っ!上着とりあえず脱いで。そう、そっとでいいのよ。」とそっと精液だらけになった僕のシャツを脱がし...
『 FRAGILE(フラジール)な関係 41話act 41 ~ 暴力 ~そのまま、僕は気持ち悪さで半ば意識を失くしてしまっていた。ただ。気分の悪さとどこかにずるずると運ばれている事だけはわかったけどただ自分の腰に当てられる高ぶりに気持ちの悪さが増してどんどん、前かがみになっていった。ふと「あら、どうしたの?具合悪いの?」と誰か女性の声がかけられたけどすぐさま唐沢さんが「吐きたいそうなのでトイレに連れて行...
『 FRAGILE(フラジール)な関係 40話act 40 ~ オペレーターの資質 ~「はい、お電話、ありがとうございます。NHTV 東京コールセンター、お客様窓口、担当、田中でござ」『ちょっとあんた!テレビが映んないのよ!どうしてくれるの、5時からのドラマ楽しみにしてたのにいいいいいい』キーっと聞こえるは10番に座っている田中さんの受電。4メートルほど距離が離れているはずなのに、漏れ聞こえてきた。僕はさっと...
『 FRAGILE(フラジール)な関係 39話act 39 ~ もう一人のリーダー ~その日、僕は寝坊した。ぺらぺらな布団の感触でさえも北条さんの胸の中にいるような気がしてうとうととまどろんでいた。それはとても幸せなまどろみだった。しかしぼくの間借りしているボロアパートは4階でさえ、外の音が結構聞こえてくる。ふと「え~、ご不要になったパソコン、テレビ、その日他なんでもかまいません。ご不要なものを回収させ...
『 FRAGILE(フラジール)な関係 38話act 38 ~ Guilty ~翌日僕は熱を出して一日寝込んだ。以前に北条さんに抱かれたときも次の日使い物にならなくなった喉と腰くだけ、、、っていうのかな、、、腰が立たなくて冷蔵庫のスポーツドリンクを取りに行くにも四つん這いになってへれへれとようやく動けたくらいだ。それくらい、北条さんとの行為は僕の身体に負担をかける。でも、それ以上に脳まで溶けそうなくらいの快楽...