インジュの決意①
新たな道へ それから1年が経った。 インジュは大学2年生になり、建築の勉強にますます打ち込んでいた。バイト先も変わり、今は以前のコンテストで入賞した際に縁があり建築事務所でアシスタントとして働いている。実践的な経験を積みながら、学費の返済も進んでいた。 彼女のスケッチブックには、様々な建物のデザインが描かれていた。そのページをめくると、一枚の写真が挟まっていた。パタヤの浜辺で日本人の彼と撮った写真だ。 インジュはその写真を見つめながら、小さく微笑んだ。あの日からメッセージのやり取りは減ったが、時々近況を伝え合う関係は続いていた。 「インジュ、この設計図のここの部分の発送がすごいね!」 ソンポン…
2025/03/12 20:45