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月夜の猫-BL小説です ぶなの森16(ラスト) BL小説 ゆらゆらと揺れるベッドの上で良太は素っ裸でぼんやりとあたりを見回した。。 「飲むか」 シャワーを浴びて、腰に一枚タオルを巻いただけの工藤が差し出したボトルを受け取ると、ちょっと身体を起こして半分程飲んでからそれがビールだと分かる。 「人非人! 腐れ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog2 BL小説 「お~~い、良太ちゃ~~ん」 なんてすぐ傍で呼ぶ声に頭を上げると藤堂がにこにこと振っている。 「疲れたかな? あと一分張りだからね。もう、バッチシだよ、良太ちゃん。特にこのリヴィエラに入ってから、神がかり的! 飲み物は?」 「あ、いえ、もう……冷たくてオイ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森15 BL小説 工藤についてクルーザーに乗り込むと、「あの、どなたの接待なんですか」と良太はあらためて聞いた。 だがコックピットの工藤は、「出すぞ」と言っただけで、クルーザーはあっという間に沖へ出て行った。 いきなりの青い眩しさに良太の視界が一瞬とぎれる。 やがてエンジ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog1 BL小説 アイスカフェラッテ、暑い夏の日にはぐいっと一杯、思わず、く~~~~~~~~~っつと言いたくなるくらい、とっても美味いんだけど…。 「OK! ちょっと休憩しよう。あとワンカットね、良太ちゃん」 ディレクターのその言葉に、広瀬良太はふ~~~~っとひとつ大きく
月夜の猫-BL小説です ぶなの森14 BL小説 いや前田はやや年をとった感があるが、その分この店自体が﨟長けた雰囲気を醸し出している。 子どもの頃、曽祖父に連れられて入った横浜の古いバーに似たところがあってこの店に足を向けるようになったのだが、工藤にとっては思いのほかいつ来ても落ち着ける場所のひとつになっ
月夜の猫-BL小説です 花火(工藤×良太37) BL小説 八月に入って最初の土曜日、広瀬良太は後部座席にさっきから携帯で明らかに不機嫌そうな声で相手とああだこうだと話している工藤高広を乗せ、首都高速都心環状線を江戸橋ジャンクションから首都高速六号線に乗り、ジャガーを走らせていた。 ほとんど良太仕様のように
月夜の猫-BL小説です ぶなの森12 BL小説 「ああ、えっと『ぶなの森』無事オールアップです。あ、俺、明日、ヤギさんと『知床』の打ち合わせで……」 とっとと立ち去りたいばかりの良太は適当なことを並べ立てる。 「今夜はあいてるんだろう。メシでも食うか」 良太の言葉を遮るように、工藤が言った。 「……長い
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に151 BL小説 「ああ、はい、えっと、カリカリもレトルトも冷蔵庫の上のかごに入れておくので、まあこのくらいずつ」 この人ほんとに世話してくれるつもりなのか。 良太はまだ半信半疑で工藤を見た。 良太が猫たち用のテーブルの上に器に盛ったカリカリを置くと、猫たちははぐはぐと
月夜の猫-BL小説です ぶなの森11 BL小説 「お疲れ様でした~」 スタジオを出たところで、良太に声をかけてきたのは花束を抱えた菜摘だった。 スタジオでの撮影も無事クランクアップし、良太もやっと肩の荷が下りたはずだが、どうも気分の方は上昇する気配がない。 「菜摘さん、お疲れ様でした。またドラマの打ち上げ
クルマ♪売り買いおトク!!カーセブン広島大州店☆劇場☆ 「くるまややまちゃん」日記カーセンサーNETも随時更新中!^^! おつかれさまですm^^m 先日、弾丸釣
月夜の猫-BL小説です ぶなの森9 BL小説 良太の心にわだかまりを残したまま、工藤は東京に戻ってしまった。 だが良太は最後のパーティが終わるまでここにいなくてはならなかった。 海棠役の流とヒロインを慕う青年佐原が森でヒロインを探すシーン、ヒロインが池に浮かんでいるのを見つけるシーンの撮影が終わり、ロケ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に149 BL小説 そしてどうも工藤としても鈴木さんには頭が上がらないらしいことも良太は知っている。 「でもさ、あのオフィスで、平然としていられる鈴木さんこそ、人格者だと思わない?」 「それ、俺も昔思たわ。鈴木さん、何があっても動じないって感じで、美味しいお茶とか出してくれ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森8 BL小説 現れたのは工藤だった。 監督と話をしながら、良太と菜摘がこちらに歩いてくるのを工藤は見ていたのである。 そこへ、男が現れた。 「へえ、あんたが噂の工藤か。なるほど、社長が社長だからな、その大事な部下に女優のコマシ方でも教え込んでいるわけだ」 「あいにく忙し
月夜の猫-BL小説です ぶなの森7 BL小説 どうせ良太がイタリアにいくことは当分ないのだから、余計なことを考えなくて済むだろう、と。 だが、よもや案外早く良太にそれが知れることになろうとは、工藤も思っていなかった。 「嫌だ…いやだってば! バカやろ…」 「何が、嫌だって?」 そんな工藤の言葉が合図のように
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)146まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)146、夏が来る42 まで更新しました 2024Summer、 夏にちなんだエピソードを順次アップしています ぶなの森(工藤×良太22)6 夏のエピソードです。 かぜをいたみ87(ラスト) 最後までお
月夜の猫-BL小説です ぶなの森6 BL小説 「あいつ……、よほど、お前がキモイといっていた小林千雪だって言いたかったですよ」 戻ってきた千雪に思わず良太はぶちまける。 「あの子、工藤さんにベッタリなんやて? 良太、それで面白くないわけや」 「誰に聞いたんですか~そんなこと。わかった、アスカさんだな」
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に146 BL小説 「そうだ、良太さん、ニューヨーク行く前、壮行会やりましょうよ」 天野が語気を強めて言った。 「そんな大げさな。たかだか三か月なのに」 「壮行会という名を借りた飲み会」 真面目にそんなことを言う天野に、良太はまた笑った。 「わかりました」 「約束ですよ」 「そ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森5 BL小説 「あの女とは何でもない」 工藤は言うのだが、どうやら今はそうだとしても昔はよろしくやっていたらしい。 まだほかにもあちこちに工藤の女がいるに決まっている、と言ったのは、青山プロダクション所属のイケメン俳優、小笠原だ。 そんなことをいわれると、良太としては工藤がイタ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森4 BL小説 「良太ちゃん、お弁当食べよ」 菜摘が弁当を手に良太に声をかけた。 「あ、はい。ちょっと待ってください」 良太が手配したロケ弁をスタッフが配ってくれて、みんな各々アウトドア用のストーブの周りに陣取っている。 夏とはいえ、東京の暑さとはうって変わってここは別世界のよう
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に145 BL小説 「え、でもオフとかに帰ってくるんでしょ?」 浩輔が思い切り端折って佐々木に聞いた。 「俺にはオフとか、ないで?」 すかさず佐々木がシャープに返答する。 「あ、いや、そのう、盆暮れ正月?」 暗に沢村のオフの時には一緒に帰るのだろうという質問を、浩輔は言い直した
月夜の猫-BL小説です ぶなの森3 BL小説 小林千雪といえば、時折警察にも知恵を貸して解決した事件も多々あるミステリー作家として巷では知られているが、助教としてT大法学部に在籍している。 その彼を一躍有名にしたのが、分厚い黒渕メガネとぼさぼさの髪、超ダサダサのファッションセンスで、学内の女子学生の間では、ダサ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に144 BL小説 良太の周りで、何か大きな波がやってきて全てを流してしまうような、そんな思いが徐々に大きくなっていくような気がしていた。 そして良太自身もまたその波にのまれようとしている。 その波は工藤やこの青山プロダクションにとっても何かしら変化をもたらすのだろうと思われ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森2 BL小説 良太も業界内では彼女の不倫の噂は耳にしていたが、今のところ噂どまりなのは、相手の父親である代議士からの圧力と局側による彼女の所属する大手事務所Aプロへの忖度もあり、マスコミやスポンサー側へはもらさぬよう関係者に厳重に緘口令がしかれている所以だった。 昨今、不倫には
月夜の猫-BL小説です ぶなの森1 BL小説 青森県と秋田県にまたがって数千年前から存在しているぶなの原生林は、世界最大級といわれている。 世界遺産に登録されたこの白神山地には、貴重な動植物が生息しており、手つかずの自然が広がっており、真夏というのにひんやりとした空気は動きを止めていた。 数日前からこの地で
月夜の猫-BL小説です ぶなの森(工藤×良太22) BL小説 良太は海外出張中の青山プロダクション社長工藤の命により、小林千雪原作のドラマ『ぶなの森』のロケで青森にいた。ロケの間中、良太はヒロイン役の人気俳優田辺菜摘に懐かれて、不倫話の相談を受けたりしているうちに、スタッフの間で二人のことを邪推した噂が広
月夜の猫-BL小説です 2024Summer BL小説 2024夏始■夏が来る(井原×響&元気)■Blue Moon(工藤×良太)boys love novel初夏にちなんだエピソードを順次アップしています 以前のエピソードに少し手を加えたり、新しいエピソードもアップする予定です。
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に142 BL小説 「佐々木さん、こっちで仕事がある時は戻ってくると思いますよ」 八木沼を慰めるように言う良太のセリフを聞きつけて、「戻って来たってお前には関係ないからな」と沢村がガキ大将のように喚く。 「ようあんないじめっ子なヤツとずっと友達やっとるわ、良太」 開き直って八
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos19(ラスト) BL小説 東京を拠点に、京都や奈良、伊豆と、観光や温泉巡りを満喫し、新宿や銀座で買い物を楽しんだルクレツィアがやっと帰るという日、工藤は嫌がる良太を無理やり連れて、彼女を空港へ送っていった。 助手席に陣取ったルクレツィアは何だかだと工藤に話し
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に141 BL小説 「俺、たまたま一人でおった時に、黒人の軍団に取り囲まれてもて、向こうは何かぎゃあすか言っとんやけど、俺、何ゆうてるかちっともわかれへんし、小突きよるし、怖うなってもて、にいちゃあーん、助けてやあ、て、でかい声あげたんや」 「え、それで?」 良太もその展開には
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos18 BL小説 工藤は会場からずっと紫紀と何やら話し込んでいたため、その後ろにくっついていた良太も、必然的に小夜子の相手をしていた。 「そうなの。うちにいる子達も原の家にいる子もみんな千雪ちゃんが拾ってきた子なのよ」 確かに千雪とよく似ているのだが、言葉ははん
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos17 BL小説 シャツ一枚でのろのろとじゅうたんから身体を起こし、上着のポケットに携帯を戻してから、良太は散らばったズボンやタイなどを見回して苦笑した。 あーあ、あんなに絶対許さないって思ってたのに、簡単に悪党の手に落ちてる自分が笑えるぜ…。 「んで、その悪党
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に140 BL小説 「いや、浩輔、知らん間に営業しよることあるし、案ずるよりっていうやろ?」 佐々木が慰めるでもなく言った。 「佐々木さんまで、適当なこと」 「大丈夫だって。まあ、何かあったら、河崎に行ってプライベートジェットで飛んでくればいいよ」 藤堂が笑う。 「またそういう
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos16 BL小説 大きな腕に抱き込まれ、わずかに目を開けた途端飛び込んできた工藤の色めいた視線の熱さに貫かれるともう、脳髄まで蕩けていく。 思わず目線を落としたつもりが、工藤の胸に顔をうずめると、フレグランスに混じった工藤の汗の匂いがシャツを通して鼻腔をくすぐり
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に139 BL小説 「先生にもお伺いを立てたらね、週一回は必ず、佐々木ちゃんと一緒にお稽古すること、お稽古の状況を月一回は必ず報告することって」 「それでお許しが出たの?」 楽し気に報告する直子に、良太はちょっと恐る恐る尋ねた。 「もちろん。あ、それでね、そのあと沢村っち、佐々木
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos15 BL小説 小夜子にしてみれば、あの小林千雪ですら「千雪ちゃん」であり、猫を「みーちゃん」と呼ぶように、要するに可愛いものを呼ぶ時のそれだ。 間違っても義弟の京助をちゃん呼ばわりはしない。 末の義弟涼に対しても。 良太の知っている限りでは、彼女の三人の子供
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に138 BL小説 「佐々木ちゃん、沢村っちに仕事のこと話したみたい!」 直子からまた連絡があったのは、良太がミーティングを終えてテレビ局を出ようとしていた時だった。 「それでさ、オフにはニューヨークに行くからって沢村っちに背中押されて、佐々木ちゃん、先生に、一年ほどニューヨ
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos14 BL小説 赤坂にある老舗のホテルでKBC主催の創立記念番組成功を祝してのパーティが行われたのは、この夏一番という蒸し暑い週末の夜だった。 メインスポンサー東洋商事社長の綾小路紫紀をはじめ、協力を仰いだミラノ放送局の関係者、制作関係者、もちろん出演者や青山プ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に137 BL小説 沢村のMLB行きは本当のところ野球をやって来た者としてはものすごく羨ましかった。 良太も無論頑張ってほしいとは思ったが、比べるべくもないとは思いつつ、MLBで活躍する沢村と自分との間に大きな隔たりを感じなかったわけではない。 だが、今、このプロジェクトに参加
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos13 BL小説 まあ………しばらくは工藤とは、ぜーーーーってぇ、金輪際、仕事以外口なんか聞いてやらない。 必要以上にハンドルを握り締めた良太は、ぐんとアクセルを踏んだ。 「ちょっと、工藤さん、どういうこと?」 良太が出て行くと、ようやく電話を終えた工藤に、アス
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)136まで更新しました BL小説 Isla De Pinos では、内容的に関係もないんですが、細かいことで、エルミタージュ美術館をルーブルに変えたりしました。 あと、月澄む空にの中で、若干、年齢的に変わってくるかもしれません。 時系列的にこの後のエピソード
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に136 BL小説 「何か久しぶり、直ちゃん」 声をかけながら良太は藤堂の横に座った。 「だねえ」 笑みを浮かべる直子だが、何となく憂いを帯びている気がした。 その原因はおそらく佐々木のことだろうと察しはつく。 「それがさ、できれば佐々木ちゃんに一年くらいはニューヨークでチー