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作家の北方謙三氏は、愛車マセラティのエンジンがかかるたびに「ああ、自分はまだこの車に愛されている」と感じた・・とどこかの雑誌で読んだ記憶があります。ボタンポンで始動する国産軽自動車に乗っている私には、車を通じてこの心境を味わう機会がないのですが・・。ヴィンテージ万年筆にインクを吸入させる時に味わうヒヤヒヤ感と、無事に吸入完了した時の安堵感は、ひょっとしたらそれに近いものがあるかもしれません。吸入時...
1991年にセーラー万年筆が創業80周年を記念して発売したブライヤー製のアニバーサリーモデル「プロフィット80」です。憧れの品でしたが、ようやく対面することができました。ブライヤー製のボールペンとのセットです。プロフィット30周年記念のブライヤー万年筆との比較手前がプロフィット80、奥が30周年モデルです。プロフィット80はラッカー仕上げなので、表面がツルツル・ピカピカしていますが、30周年モデルはオイル仕上...
2011年に限定販売されたセーラー万年筆の「プロフィット30周年ブライヤー万年筆」です。私が入手したのは2019年春のことですので、かれこれ6年が経過したことになります。たまに佐々木商店で購入した「つやふきん」で磨く程度で、特別なことはしていないのですが、少しだけ熟成が進んだのか、入手当時より若干色が濃くなり、表面に光沢が出てきたような気がします。ゆくゆくは、プロフィット80の濃茶に近いような雰囲気に育つ...
70年代製のモンブランの146(18C)のペン先はどれほど柔らかいのか
モンブランを代表する万年筆の一つ、146には、「ペン先が柔らかい」と言われる年代・仕様のものが大きく分けて2種類存在します。1つ目が、146が誕生してから一旦生産中止となるまでの「50年代(頃)」のモデル。もう一つが、70年代半ばに復活した146のうち、ペン先が14Cではなく18Cのモデルです。【70年代の146(18C)】この18Cの146は、雑誌「趣味の文具箱」に筆記中の(たわんだ)ペン先が大写しで掲載された写...
「バスケのドリブルのような書き心地」だと感じているモンブランの254(OB)
1950年代終わり頃に作られたと思われるモンブランの万年筆、254です。一回り大きなモデルである256を手に入れたときは、「もう254は手放してもいいかも」とチラリと考えたような記憶がありますが・・。OB(オブリークの太字)という字幅のせいなのか、個体差なのか、細字の256とはまた異なる非常に弾力性のあるこのニブの書き心地を手放すことはできませんでした。普段はこのようにインクを抜いて保管しているのですが、たまにこの...
フィッツジェラルドの「ひとの犯す過ち」を読んで、1920年代の注文靴と万年筆を仮想比較
フィッツジェラルドの後期作品集「ある作家の夕刻(村上春樹:編訳)」を読んでいます。2番目に収録されている「ひとの犯す過ち」は、主人公が自分の靴を見せびらかす場面から始まるのですが・・。その靴は「オーダー・メイド」で「二十八ドルもした」ことが語られるばかりで、黒なのか茶色なのかコンビなのか、内羽根なのか外羽根なのか、穴飾りはあるのか、プレーンなデザインなのか、何一つデザインへの言及はありません。※「...
先週、「洗浄しても洗浄してもペン芯の詰まりが取れない」と慨嘆していた旧プロフィット。専門店に持ち込み、オーバーホールしていただきました。完全復活!今は無きセーラーのソフトニブ(S.B)です。現行のプロフィット21と同じサイズらしく、握った感じはモンブランの146(テレスコープではないほう)に近いな、という印象であります。そんなモンブランの146と。計測したわけではありませんが、ほんの少し、プロフィットのほ...
セーラー万年筆の旧プロフィットを一週間近く洗浄しているのですが、なかなか完了しません。ぬるま湯で数回、プラチナ万年筆のクリーニング液で2回、洗浄したのですが、ペン芯の詰まりがひどく、コンバーターが押し戻されたり、外れてしまったり・・。プラチナ万年筆のクリーニング液(3回目)に漬け込んだ後、コンバータでクリーニング液を吸い上げて首軸にセットし、少しずつ圧をかけていったら、ようやくクリーニング液を排出...
1965年にプラチナ萬年筆から発売され、ほどなくして廃盤になったと言われているノック式万年筆「プラチナ ノック」。ペン先ユニットが取り出せないため、洗浄もオーバーホールもできそうになく、インクを通す勇気も出ないまま放置しておりましたが・・。ガチガチに詰まったスリットを見るのに忍びなく・・。ペン先を出した状態(ノックON)で、ペンドクターに少しだけスリットを広げていただきました。これで、インクを通しても「...
ノコギリザメ状のペン芯を持つ万年筆、パーカーのビッグレッド(100歳)
先日、インクサックが劣化していることに気付いたパーカーのビッグレッド(約100歳)。ゴムサックを取り寄せ、先ほどシェラックで接着をしたところです。この時期のビッグレッドは、ペン芯がノコギリザメのようにギザギザとなっており、実に見栄えがよろしいです。書き味はいたって普通(ガチニブ)なのに、先端はノコギリザメ、後端はラッキーカーブと、ペン芯の形状は大変に個性的です。ウォーターマンのNo.7が盛大にボタ落ちす...
久しく使っていなかったパーカーのデュオフォールド・シニア(通称ビッグレッド)。「久しぶりにインクを入れるか」とプッシュボタンを空押ししてみると、あれ、バーが跳ね返る感触がしない・・。Iバーを抜き取り、首軸を外してみたところ、やはりインクサックの硬化が進み弾力性が失われておりました。ちょっと捻るだけで簡単に千切れてしまったゴムサック。幸い、パキパキに硬化する前だったので、簡単に除去することができまし...
万年筆の歴史はとても長いので、100年くらい前の万年筆ならまだまだ残っていて、OHしてもらえばそれを普通に(それなりに)使うこともできます。場所を取らないので、保管スペースがあまり必要ないのも良いところですね。そんなところに惹かれ、新旧の万年筆を買い求めるようになって早十年が経過しました。気づけば、その100年間の製造物が各年代(30年代~40年代前半除く)、図らずも概ね揃ってきたようであります。どの年代にも...
1965年発売。プラチナ万年筆の幻のノック式万年筆「プラチナ ノック」/「Platinum Knock」retractable fountain pen
1965年(昭和40年)にプラチナ萬年筆株式会社が発売したノック式万年筆「プラチナ ノック」。ほどなく生産中止になったらしく、現在の中古品流通量はあまり多くないようです。名著「万年筆クロニクル」によれば、マニアが血眼になって探しているとか・・。私も地味に捜索を続けておりましたが、7年前にネットオークションで釣り逃がしてから、一度も見かけることがありませんでしたので、まずまずの絶滅危惧種であるようです。しか...
ボトルインクはカートリッジを買うより数段お得だそうですが・・。だからといって、インク瓶の底に残ったインクを使い切らずに処分するのは気が引けます。シリンジで吸入してコンバータに移すとか、ガラスペン用にするとか、いろいろな対処法があるようですが・・。シェーファーのスノーケル式万年筆が一本あれば、この問題は一撃の吸引で解決します。その代わり、今度はスノーケル式万年筆が抱えるOリングやらサックやらネジやら...
遅まきながら、来年の手帳を購入しました。NOLTYのアクセスA5マンスリーという製品です。私は殆ど見開きカレンダーとメモ部分しか使わないため、これまでのB6モデルより一回り大きく(中高年の目に優しい)薄いモデルを今年は選びました。今年の手帳は、同じNOLTYのキャレルB6というモデルでして・・。ブログを読み返すと、2017年にも購入しているようです。2017年の手帳として英国レッツ社製のモデルを購入したものの、使いこなせ...
上は1960年代のモンブランを代表する万年筆の一つ、No.74で・・。下は1966年に発売されたというパイロットのヤングY-300GWという品番の万年筆です。こうして並べてみると、結構似ているな、ということに今更ながら気が付きました。全長は大体同じくらいですし、どちらも金貼りキャップですね。モンブランのNo.74はピストン吸入式なので、インクビューはインクの残量を知るための重要な役割を担っていますが・・。パイロットのヤン...
地味なところも魅力的。モンブランのセカンドライン、234 1/2。
9年目にe-bayで入手した1950年頃のモンブランの万年筆、234 1/2。万年筆1年生だった当時、初めて購入したモンブランでありました。思い返せば、実に無謀な、かつ渋いチョイスでしたが・・。生まれて初めてのペンクリニックで書き味抜群になり、ヴィンテージモンブラン・ファンになるきっかけとなった一本です。2年前には、筆記具工房さんで痩せたコルク弁を樹脂製に交換していただき・・。今でも大活躍しております。同じセカンド...
梅田晴夫「紳士のライセンス-国際人のための一級品★★★事典」と人生の楽しみ方
梅田晴夫「紳士のライセンス-国際人のための一級品★★★事典」(読売新聞社) 本書が刊行されたのは1970年。当時の銘品をジャンルごとに紹介するとともに、著者の考えるユニークな「紳士」への道を示すという、ウィットに富んだ内容になっています。 1970年といえば、大阪万博で月の石や人間洗濯機が耳目を集め、プロボクサーの大場政夫がタイのベルクレック・チャルバンチャイに嵐のような連打を浴びせ...
モンブラン二桁シリーズの金貼キャップには色調のバリエーションがあったのでしょうか?
1960年代のモンブランといえば二桁シリーズ。首軸が割れやすい(軸の中にはインクが入っています)というスリル満点の弱点を持ってはいるものの・・。金貼りキャップを持つ7番台の万年筆には、デザインの完成度やキャップを尻軸に付けたときのバランスの良さなど、抗いがたい魅力を感じます。上が少し大型の#74で下は小ぶりな#72です。軸については、#74はボルドー、#72はブラックなのですが・・。金貼キャップの色も完全に同...
2014年に購入した、人生で2本目の万年筆、ディンキーです。1本目は定番のカスタム74でしたが、2本目からいきなりヴィンテージに手を出してしまいました。カスタム74は他人様へ差し上げてしまい手元にありませんので、これが私が保有する最古の(手に入れた時期が古いという意味で)万年筆なのです。知らぬ間にペン先が開いてしまったため、インクを抜いて保管しておりましたが、ペンドクターのお陰で無事復活しました。パイロッ...
完全復活、モンブラン146テレスコープ/MONTBLANC 146 (telescope)
先日入手した1950年代のモンブラン146の書き味があまりにも酷いので、専門店の有償調整に出してきました。やはりスリットはガチガチに詰まっていたらしいです。ペン体を外して、軽くオーバーホールしてもらいました。戻ってくると、とても同じペンだったとは思えないような滑らかな書き味。テレスコープの吸入システムも異常なしとのこと。これで暫く一安心です。ところで、テレスコープ式とかテレスコピックというと、ヴィンテー...
新旧のモンブラン万年筆用インクカートリッジを並べてみました。左が旧。おそらく1970年代のもの。当時の販売価格は270円(裏にシールあり)。右が現行品。3年くらい前に購入したものです。面白いのは、旧型のカートリッジが薬莢のような色をしていること。鉄砲の弾薬のこともカートリッジといいますから、それにかけているのでしょうか?空港の荷物検査あたりで、ポケットからパラパラとこいつがこぼれてきたら、大変な緊張が走...
モンブラン146のテレスコープにインクを吸入しました。割れやすい軸に、壊れやすいテレスコープ式吸入機構、痩せやすいコルクの吸入弁・・。毎回、たっぷりとスリルを味わわせてくれます。コルクが完全に乾かぬよう、いつも少しインクが残っているタイミングでこれを行っています。いずれは樹脂製の弁に交換したいのですが、まだコルクが新しいので当面は様子見です。還暦を過ぎたであろう、この146。まだまだ元気に活躍してくれま...
本日、軸割れで天寿を全うした60年代ショート万年筆のペン先です。素材は21金。ただ、あまりにも小さいので、いくら金が高騰した今でも、売却したところで大した金額にはならないでしょう。溶かして歯の詰め物にでもできるといいのですけれど。...
地味に続いている書庫紹介の15回目です。【万年筆】筆圧不要の最良の筆記具このブログの中では比較的最近(7年くらい前)にできた書庫なのですが、あれよあれよという間に記事が増え、ついに100を超えるに至ったので、さきほど整理※して参りました。※シャーペンの書庫とボールペンの書庫を作り、記事を移動。それでも現時点で86の記事があり、あらゆる書庫の中で最大となっています。主にヴィンテージ万年筆の入手と、オー...
先日購入したパイロット社の首軸一体型ステンレス製万年筆、ミューレックス・レディ未使用品のようでしたが、いざカートリッジを入れてみると、あれ、書き心地が悪い・・。ルーペでペン先を確認すると、微妙にペン先に段差ができているました。ペン芯が経年変化で変形してペン先に段差を生じさせたのでしょうか。それとも試し書きで段差ができてしまったのでしょうか。こういう時、ペンクリニックがあればありがたいのですが、この...
先日入手した箱付き未使用のモンブラン74。インクを通してはみたものの、予想どおり、書き味には問題ありでした。ミント、ニアミント、完全未使用というペンを何本も買い求めましたが、調整してもらわずに書けたペンというのは殆どありません。経年変化でペン芯が変形して、ペン体とのズレや圧迫が生じることがある、とどこかで教えていただいた記憶があります。これもそんな一本なのでしょうか。私は調整スキル0ですので、迷わず...
「ビッグレッド」の通称で有名な、パーカーのデュオフォールドという万年筆です。 キャップバンドが付いたエボナイト素材のモデルなので、1922年~25年頃に作られたのではないか、と思っています。 つまり、約100年前の万年筆です。我が家では 100年前のモノに触れる機会があまりないため、たまに手にすると、なんだか歴史の重みのような威圧感を感じることがあります。100年前というと、世界大恐慌すらまだ起こっ...
フェルムの万年筆、ニブシールを剥がすかどうか懊悩した結果について
先日手に入れたばかりのフエルム製ポケット万年筆(F303)。ペンドクターにペン先調整をしていただいて、いよいよ日常使い開始です。新しい手帳も買って、前任のポケット万年筆と入れ替えるばかり。しかしここで、はたと気付いてしまいました。せっかく発掘した半世紀以上前のフエルム製万年筆のニブシールを剥がしてしまうのは勿体ないのではないか。覆水は盆に返らず、剥がしたニブシールも軸に貼り戻すことはできないのですから...
これまで、随分と色々のものを集めてきました。釣り具、スニーカー、革靴、古着、そして万年筆・・。しばしば思うことなのですが、コレクション、というか蒐集行為を末永く楽しむためには、「すごく欲しいモノ」を、あと一つか二つ、そっと残したままにしておくのが良いのではないでしょうか。「(自分が欲しいモノは)全部揃った!」と思ったとたん、そのモノへの関心が突然、薄れてしまう可能性があるからです。そのせいかどうか...
万年筆の永世定番モデル、モンブラン146米国海軍の革製フライトジャケット、G-1(M422A含む)筆記具と軍服。ドイツ製品と米国製品。あまり共通点はなさそうですが・・。私にとっては、「なんだか似ているなぁ」と思うところが少なからずあります。【似ているところ】モンブラン146は、確か1949年の発売で・・。1960年頃に一旦廃盤となり、1970年代に復活し、現在でも製造が続いています。G-1の前身のM422は1940年頃の採用で...
名作、傑作、マストバイ・・?「モンブランの愛され万年筆、No.74」
モンブランの60年代ヴィンテージ万年筆の中でも、抜群の人気を獲得しているNo.74。名作だ、傑作だ、マストバイだ・・と絶賛する方も多く、廃盤となって半世紀以上も経つのに、いまだに多くのユーザの心を掴んで離さないようです。MINT品の入手、オーバーホール、再調整を経て、ようやくその真価を味わうことができるようになりました。キャップを尻軸に挿したときのバランスの良さ、ソフトで弾力性のあるペン先、ボルドー軸と金貼...
使い勝手抜群のスノーケル。注射器のようにインクを吸いとります。修理やメンテナンスは大変だそうですが、機能としては素晴らしいと思います。手が汚れませんし、第一、楽しいのです。...
手持ちの万年筆の中で最も頻繁に使用するのは、モンブランでもパイロットでもなく、手帳に挿したフエルムのポケット万年筆です。8年前、老舗の万年筆屋さんでデッドストックを当時価格にて譲っていただいたものですが・・。手帳用の万年筆として、この上ない書きやすさ。何が他社のポケット万年筆と違うのかよく分かりませんが、ずっとこの1本を手帳に挿し続けています。恐らく1960年代のブツなので、軸でも割れようものなら修理...
モンブランの144には、50年代のテレスコープ型と80年代(~廃盤)の両用式との、2種類が存在します。両用式の144は、テレスコープどころか吸入式ですらなく、コンバーターorカートリッジという簡便な方式を選択しています。キャップもねじ式ではなく嵌合式となっております。校正など、ちょこちょこ書いてはペン先をしまうような使い方には最適であるように思います。この手の作業用には、パイロットのセレモを使っていたのですが...
万年筆の素人分解は、できるだけしないようにしているのですが、ピストンの上下が重くなった都度、オーバーホールに出すのもなかなかしんどいものがあるため、自分で146の「吸入弁の清掃だけ」やってみることとしました。そのために必要となるのがこの工具。使うのは初めてでしたが・・。首尾よく吸入機構を軸から取り出すことができました。そこそこの初期投資は必要でしたが、長く付き合うためにはやむを得ないコストであるので...
松本零士の名著「男おいどん」で、主人公がメガネのフレームを火であぶって修正しようとしたところ、フレームがすごい勢いで燃え上がるシーンがあります。「今どき、セルロイドなんかなぜ使う!」と怒り狂う「おいどん」こと大山昇太。1970年代初頭の漫画にして、既に過去の遺物・危険物として罵倒されてしまう素材、セルロイド。万年筆の素材にも、1920年代から1950年代くらいにかけてよく使われていたようですが、非常に燃えやす...
特に強い捻りぐせがあるわけでもないのに、次第に増えてきたオブリークの万年筆。古い万年筆でも、オブリークのニブだと程度の良いものが見つかりやすいような気がします。売れ残りが多かったのか、使用頻度が低いものが多いのか・・。とにかく、まだ残っていてくれてありがとう。...
先日手に入れた50年代のモンブラン146ときどき、インクビューの美しさにはっとさせられることがあります。この時代ならではの魅力のひとつでしょうか。インクを入れると見えなくなるのが、いささか残念ですが、勿論どうしようもありません。...
1920年代後期に発売されたというウォーターマンの傑作万年筆、No.7です。初めてこの万年筆を知ったのは、すなみまさみち氏の著書「101本の万年筆」を読んだ5年前のことでした。「こんな美しい万年筆が存在したのか」と衝撃を覚えたものであります。このペンは、ペン先が7種類用意されていて(当時の価格も7ドル)、それぞれのペン先に色が割り当てられており(普通の中字はレッド、細軟はピンク、など)、しかもキャップバンド...
本日、洗浄のためお預かりした1970年代のモンブラン製万年筆です。所有者の話によれば、なんでも当時、香港で買ってきてもらったモンブランらしく、「ホンコン・モンブランかもしれない」などということを仰っていました。ホンコン・モンブランとは一体???70年代のLeeのジーンズには香港製とアメリカ製が存在して、前者を「ホンコン・リー」などと言っていたらしいですが、モンブランはどこで買っても大抵は西ドイツ製なので...
モンブランの人気者万年筆、256です。御年、約60歳。ようやくお迎えが来た・・・のではなく、我が家にお迎えすることができました。キャップが割れやすいと評判ですので、抜き差しは浅く、ソフトに、怯えながら楽しくやっています。...
御年60歳のモンブラン256。ニアミントという触れ込みでしたが、そうはいっても使用前のオーバーホールは必須です。 専門店に持ち込んで、 無事にオーバーホール完了。書き味抜群となりました。 イカペン、可愛いです。どうしてこの形のペン先を、今はあまり見かけないのでしょうか? ...
鳥のクチバシかコンコルドを連想させるような独特のペン先を持ったパイロットの軟調万年筆、エラボー。これは軸にシリアルナンバーが刻まれている勘合式の初期モデルです。エラボーは今でも後継機種が定番品として販売されていますし、海外ではNAMIKI FALCONとして人気を博しているそうですね。そのFALCONをカリグラフィー的に使った有名な動画がありますが、真似をすると壊れるかもしれないとか、あれは調整済の特殊仕様なので、...
爪ニブを持ったパイロット社の"アラフィフ"ショート万年筆
預かりもののパイロット社製、ショート万年筆です。天冠には、赤いジュエルが埋め込まれており、エスターブルックのナース万年筆を少しだけ連想させます。恐らく1970年前後のブツだと思われます。ペン先を引っこ抜けば、生産工場と生産時期が分かるはずですが、私では破壊するだけで元に戻せないので我慢。指から生えた爪のようなニブ(ペン体)。付け根には、コンクリンのハート穴を彷彿とさせる半円状の穴があります。洗浄時に、...
これまで、「30年代」とか「フィフティーズ」とかと言えば、言うまでもなく1930年代、1950年代を指していたところかと思います。少なくとも、一般的なジーンズ、フライトジャケット、腕時計、万年筆、ルアー釣り具、スニーカー、ラウンジスーツのヴィンテージ愛好家の間では。ところが、2000年代も20年代に突入し、この前提が崩れかけているような気がしております。こちらは1920年代の万年筆2本。どちらも不具合なく使用可能です...
パイロット社が1970年代後期に販売していたステンレス製のペン先・軸一体型万年筆、ミューレックス。通常のモデルはシルバー×黒という配色ですが・・。こちらは、差し色(?)の赤が大変魅力的な、ミューレックス・レディというモデル。個人的に、この配色とフォルムが70年代の正義の味方っぽくて、たまらなく恰好良いと感じています。時代は異なりますが、なんとなく「帰ってきたウルトラマン」を連想してしまうのです。新マンっ...
ハガキを書きました。雨続きなので、インクは耐水性が高いと言われている古典ブルーブラックを選び‥万年筆は、プラチナのカートリッジが使えるフェルムを使いました。フェルムのことを教えてくれたお店はもうないけれど、このペンにカートリッジを挿すたびに店主との会話を思い出します。古典インク同様、保存性の高い思い出なのでありましょう。店主が日常使いしておられたフェルムのイカペンは抜群に格好良く、ニブにsoft、hard...
軽くなったり重くなったり空回りしたり。モンブラン146のテレスコープは、まるでスリル満点のジェットコースター
1950年代のモンブラン146です。いつ何が起こってもおかしくない60年以上前のセルロイド軸。壊れやすいと言われるテレスコープ式の吸入機構。寿命が短いとされるコルクの吸入弁。どこまでもスリル満点な万年筆ですね。でも、インクのボタ落ちはないようなので、以外と普通に使えております。それでも、インク吸入のときは、毎回怯えながら、軽くなったり重くなったり空回りしたりする、テレスコープを操作しています。少しでもコル...